職種別の書き方

法人営業の職務経歴書の書き方|採用担当が見るポイントと例文

ショクレキ代行
📌 この記事でわかること
  • 採用担当者が法人営業の職務経歴書で本当に見ているポイント
  • 売上・達成率・担当社数・受注件数など「数字の出し方」
  • 新規開拓・既存深耕・ソリューション営業など営業スタイル別の書き方
  • 書類が通らない法人営業に共通する失敗パターン
  • 経験年数別(若手・中堅・ベテラン)のアピールポイントの違い
  • NG例・改善例つきで今日から使える書き方を解説

「毎期ノルマをクリアしてきたのに、職務経歴書にうまく書けない」「法人営業の経験ってどうアピールすればいいんだろう」法人営業の転職活動でよく聞く悩みです。顧客企業の課題を解決しながら売上を積み上げてきた経験は確かな実力なのに、それを採用担当者に伝わる言葉に変換できていない方がほとんどです。

書類が通らない原因の多くは、「何をしたか」は書けていても「どんな顧客層に・どんな商材を・どう提案して・どんな数字を出したか」が伝わっていないことにあります。採用担当者は法人営業の職務経歴書を通じて「目標に対してどう動ける人か」「課題を解決する提案ができるか」「数字にコミットできるか」を判断しています。

この記事では、法人営業担当者が転職活動で使える職務経歴書の書き方を、具体的な例文・NG例・経験年数別のアドバイスとあわせて解説します。

採用担当は何を見ている?

法人営業の採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。

観点内容
どんな顧客層・商材を担当してきたか顧客企業の規模(SMB・中堅・大手・エンタープライズ)・業種・商材の種類(有形商材・無形商材・SaaS・サービス)・価格帯を確認している
数字で語れる実績があるか売上・目標達成率・担当社数・新規開拓件数・商談化率など、成果の具体性を見ている
課題解決型の提案ができるか「御用聞き」にとどまらず、顧客の課題を深掘りして提案した経験があるかを確認している

ポイント

採用担当者の視点:「法人営業で最も差がつくのは、売上の数字だけでなく『どんな顧客の・どんな課題に・どう提案して・なぜ受注できたか』が書いてあること。このプロセスが書いてある人は、再現性のある営業力を持っていると判断できる」

よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)

パターン①:「法人営業を担当していました」で終わっている

「中小企業向けにITシステムの営業を担当していました」という記述では、採用担当者には何も伝わりません。どんな規模の企業に・どんな商材を・月何件の提案活動を・どんな目標達成率で担当してきたかが書かれて初めて、評価の材料になります。

パターン②:売上の数字しか書いていない

「年間売上3,000万円達成」だけでは、担当社数・提案件数・受注率・商談プロセスの工夫など、法人営業の本質的な実力が伝わりません。売上の数字はもちろん重要ですが、「どうやってその数字を作ったか」のプロセスも書くことで実力がより明確に伝わります。

パターン③:提案内容が「御用聞き」に見える

「顧客の依頼に応じて見積書を作成し、商品を提案してきました」という書き方では受け身の印象を与えます。「顧客の業務課題を3回のヒアリングで特定し、既存の製品ラインナップを組み合わせたカスタム提案を実施。最終的に年間契約を受注した」のように、課題解決型の提案を書くことが重要です。

注意

「特別な実績がない」と思っている方へ:売上達成率・担当社数・新規開拓件数・商談化率・受注件数など、振り返れば数字になるものは必ずあります。正確な数値でなくても「年間目標達成率約110%を3期連続」「担当エリア内新規開拓50社」程度の概数で十分です。

書き方のポイント|法人営業ならではの伝え方

ポイント①:顧客層・商材・営業スタイルを明確にする

「従業員数100〜500名規模の製造業を対象としたSaaS型在庫管理システムの新規開拓営業」「大手金融機関・保険会社を対象とした法人向けクラウドセキュリティサービスのエンタープライズ営業」のように、顧客層・商材・営業スタイルを明確に書くことで、採用担当者が経験の近さと難易度を判断できます。

ポイント②:「目標達成率」と「社内での相対的な位置」を書く

法人営業の実績は「絶対値(売上金額)」だけでなく「目標達成率」と「社内での相対的な位置(順位・上位○%)」で語ることが説得力を高めます。「年間売上目標比125%を3期連続達成」「営業所内20名中2位の実績」のように、絶対値と相対値を組み合わせて書きましょう。

ポイント③:受注に至った「提案プロセス」を書く

法人営業で特に評価されるのは「どんな課題を特定し・どんな提案をして・なぜ受注できたか」の再現性あるプロセスです。「競合2社との比較検討の末、月次のROIシミュレーション資料と既存顧客の事例を組み合わせた提案で受注を勝ち取った」のような具体的なプロセスを書くことで営業力が伝わります。

法人営業ならではの悩みに答える

「担当した顧客企業名は書いていいですか?」

守秘義務がある場合は伏せて構いません。「東証プライム上場の大手製造業(売上約500億円規模)」「従業員数500〜1,000名規模の中堅IT企業」のように、規模・業種・上場状況で代替することで採用担当者には十分伝わります。

「無形商材・SaaSの営業経験を有形商材の会社への転職でどうアピールする?」

無形商材・SaaS営業で培った「課題ヒアリング力」「ROI・TCO提案力」「中長期的な関係構築力」「複数ステークホルダーを動かす調整力」は、有形商材の営業でも高く評価されます。「無形商材の提案で培った課題解決型の営業スタイルを有形商材でも活かせる」という切り口でアピールしましょう。

例文

例①:IT系SaaS新規開拓営業(経験3年・若手)

従業員数約300名のSaaS企業にて、中小・中堅企業(従業員数50〜500名)向けの人事労務SaaS(月額10〜50万円)の新規開拓営業を担当。テレアポ・インサイドセールスとのSDR連携・フィールドセールスを一気通貫で担当。

【業務内容】
・新規見込み企業へのアウトバウンド開拓(電話・メール・展示会)
・インサイドセールスから引き渡された商談の対面・オンライン提案
・顧客の人事・労務課題のヒアリング・課題整理・ROIシミュレーション作成
・提案書・見積書の作成・価格交渉・契約締結
・Salesforceを使った案件管理・予実管理
・既存顧客フォロー・カスタマーサクセスとの連携

【実績】
・年間受注件数:平均48件(部内目標36件に対して達成率133%を2年連続達成)
・年間売上:約2,400万円(入社3年目に達成)
・新規商談からの受注率:約28%(部内平均18%を10ポイント上回る)
・担当エリア(関東中小企業)での顧客獲得数:累計120社
・入社2年目に部内MVP受賞

【主な取り組み】
受注率向上のために、初回商談での「課題の深掘り」に最も時間を割く習慣をつけた。表面的な「コスト削減したい」という要望の背景に「人事担当者の残業が月40時間を超えており採用活動にかける時間が取れない」という本質課題があることが多く、そこを丁寧にヒアリングすることでROIシミュレーションの説得力を高められた。競合との比較検討になった案件では「既存顧客で同業種・同規模の事例資料」を提示する準備を徹底し、受注率の向上につなげた。


自己PRでのアピールポイント
顧客の表面的な要望ではなく本質的な課題を掘り下げる習慣と、数字で根拠を示す提案スタイルが身についている。「再現性のある営業プロセス」を次の職場でも活かしたい。

例②:製造業向けソリューション営業(経験8年・中堅)

従業員数約800名の産業機器メーカーにて、製造業(自動車・電子部品・食品)を対象とした生産設備・自動化ソリューションの法人営業を担当。担当顧客:大手〜中堅製造業40社。チームリーダーとして後輩3名の育成も担当。

【業務内容】
・製造業の工場長・製造部長・設備担当者へのソリューション提案
・顧客の生産ライン課題のヒアリング・現場視察・改善提案
・見積作成・技術チームとの連携・納期調整・価格交渉
・担当40社の関係維持・アップセル・クロスセル提案
・後輩3名のOJT指導・同行・進捗管理
・展示会・技術セミナーの企画・運営への参画(年2回)

【実績】
・担当エリア年間売上:約4億5,000万円(目標比118%を4年連続達成)
・大手自動車部品メーカーへの自動化ラインの新規提案:受注金額約1億2,000万円(競合3社との比較を経て受注)
・担当40社のリピート率:97%(継続的な関係構築と課題対応による)
・後輩3名の初年度目標達成を指導によりサポート
・展示会集客から商談化した受注案件を年間約8件獲得

【主な取り組み】
大手自動車部品メーカーへの受注は、2年がかりで関係を構築した案件だった。定期訪問で現場の生産課題をヒアリングし続け、「人手不足で夜間の無人化ラインを実現したい」という課題が明確になった段階で、技術チームとともに現場視察・シミュレーション資料を作成した提案が功を奏した。競合との差別化ポイントは「アフターサービス体制の充実(24時間対応・専任エンジニアの常駐)」であることを経営陣に対して明確に伝えた。


自己PRでのアピールポイント
大型案件の長期育成からクロージングまでの経験と、チームリーダーとして後輩を育てた実績を持つ。「現場を知ることから始まる課題解決型提案」のスタイルを次の職場でも活かしたい。

例③:エンタープライズ営業マネージャー(経験13年・ベテラン)

外資系クラウドサービス企業(国内売上約500億円)にて、大手企業(売上1,000億円以上の東証プライム上場企業)を対象としたエンタープライズ営業のマネージャーとして勤務。営業チーム8名のマネジメントと、年間売上目標約50億円の達成責任を担当。

【業務内容】
・営業チーム8名のマネジメント(目標設定・評価・育成・採用)
・エンタープライズアカウント(担当10社)のオーナーシップを個人でも保有
・顧客のCIO・IT部門長・経営層へのエグゼクティブセリング
・大型商談(1件あたり1億円以上)のリード・クロージング支援
・パートナー(SI・コンサルファーム)との協業推進
・年次・四半期の売上予測・経営陣へのレポート

【実績】
・チーム年間売上:約55億円(目標比110%を3年連続達成)
・個人担当の10社のうち、売上1億円以上の大型案件を年間5件以上受注(3年平均)
・チームの新規大型受注件数を1年間で月平均2件から4件に拡大
・採用・育成を主導し2年間でチームを5名から8名に拡大。全員が初年度に個人目標を達成
・パートナー経由の売上比率を20%から45%に向上(パートナーエコシステムの強化)

【主な取り組み】
エンタープライズ営業では「一人の意思決定者を口説く」のではなく「経営・IT・現場の3層の合意形成を設計する」アプローチを徹底した。大型案件では「スポンサーマップ」を作成して各ステークホルダーの関心・懸念・意思決定への影響力を整理し、それぞれに合わせたコミュニケーション計画を立てた。チームの新規受注件数拡大には「大型案件の初期段階でのパートナー巻き込み」を標準プロセス化したことが効いた。


自己PRでのアピールポイント
エンタープライズ営業の実務から、チームマネジメント・パートナーエコシステムの構築まで幅広く担ってきた。「組織を動かして大型案件を受注する」プロセス設計力と、チームを育てながら数字を作るマネジメントスタイルを次の職場でも活かしたい。

書き方ステップ

① 担当してきた顧客層(規模・業種)・商材・営業スタイル(新規/既存・インサイド/フィールド)をすべて書き出す

② 数字になるものを探す(売上・目標達成率・担当社数・新規開拓件数・受注率・提案件数など概数でOK)

③ 業務内容・実績・主な取り組みの3ブロックに分けて整理する(業務内容は「何をどんな顧客に提案したか」、実績は「売上・達成率・受注件数の数字」、主な取り組みは「なぜ受注できたか・どんな提案プロセスを取ったか」)

④ 応募先の顧客層・商材・営業スタイルに合わせてアピール軸を絞り込む(新規開拓重視なら開拓件数・受注率、既存深耕重視なら継続率・アップセル実績を前面に出す)

NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方

失敗①:業務内容が抽象的で終わっている

NG

法人営業として中小企業向けにITソリューションを提案してきました。顧客との関係構築を大切にしてきました。

改善後

従業員数50〜500名の中小企業向けに人事労務SaaS(月額10〜50万円)の新規開拓営業を担当。年間受注件数48件(目標達成率133%)・受注率28%(部内平均18%)・累計120社の顧客獲得を実現した。

失敗②:売上の数字だけが実績になっている

NG

年間売上3,000万円を達成しました。目標を毎年クリアしてきました。

改善後

年間売上約3,000万円(目標比118%)を3年連続達成。新規商談からの受注率28%(部内平均18%を10ポイント上回る)・担当顧客40社のリピート率97%を維持。顧客の本質課題を深掘りするヒアリングとROIシミュレーションを組み合わせた提案スタイルが成果につながった。

失敗③:提案プロセスが「御用聞き」に見える

NG

お客様からのご要望を丁寧に聞いて、最適な商品を提案してきました。

改善後

初回商談で「コスト削減したい」という表面的な要望の背景を3〜4回のヒアリングで深掘りし、「人事担当者の残業が月40時間を超えており採用活動に時間が取れない」という本質課題を特定。その課題解決に直結したROIシミュレーションを提示することで、競合との差別化に成功し受注につなげてきた。

失敗④:自己PRが意気込みだけで終わっている

NG

お客様のために全力で取り組んできました。どんな商材でも売れる自信があります。

改善後

「課題を特定し・根拠を示し・競合と差別化する」という再現性のある提案プロセスを身につけている。このプロセスで年間受注率28%(部内平均18%)・目標達成率133%を2年連続実現してきた。次の職場でもこの提案スタイルで新しい商材・顧客層に貢献したい。

経験年数別アドバイス

経験3年未満(若手・担当者)

「担当顧客層・商材・新規開拓件数・受注率・目標達成率」と「受注に至った提案プロセスの工夫」が評価のポイントです。社内順位・目標達成率を積極的に書き、受注できた具体的なエピソードを1つ入れることで評価が上がります。

ポイント

Salesforce・HubSpotなどのCRM・SFAの使用経験は積極的に記載しましょう。法人営業での即戦力の証明になります。

経験3〜10年(中堅・専門担当)

「大型案件の受注実績」「複数ステークホルダーの合意形成経験」「後輩指導・チームへの貢献」が評価の軸になります。「最も大きかった受注金額」と「最も難しかった受注案件」を重点的に書くことで、法人営業としての実力の幅が伝わります。

経験10年以上(ベテラン・リーダー層)

営業チームのマネジメント・エリア予算の達成責任・パートナー戦略・経営陣との連携が最大のアピールポイントです。「チーム人数・年間売上規模・新規大型受注件数・チームの育成実績」など、組織全体の営業力を高めてきた実績を中心に書きましょう。

よくある質問

Q. 法人営業から異業種への転職は可能ですか?

可能です。法人営業で培った「課題ヒアリング力」「提案力」「数字へのコミット力」「複数ステークホルダーとの折衝力」は業種を問わず評価されます。転職先の業種・商材との接続を自己PR欄で明確に書くことが重要です。

Q. 売上の数字を正確に覚えていない場合はどうすればいいですか?

「年間約○億円規模」「目標比約○%」など概数で構いません。「約」をつけて書けば問題ありません。

Q. 新規開拓と既存深耕のどちらをアピールすればいいですか?

応募先の営業スタイルに合わせて優先順位をつけましょう。新規開拓を重視する会社なら「開拓件数・受注率・アポ獲得率」、既存深耕を重視するなら「継続率・アップセル額・LTV向上」を前面に出します。

Q. 無形商材の営業経験しかない場合、有形商材の会社への転職は難しいですか?

難しくありません。無形商材の「課題ヒアリング・提案・クロージングのプロセス」は有形商材でも活きます。「商材は変わっても、顧客課題を解決するプロセスは同じ」という方向性でアピールしましょう。

Q. 職務経歴書はA4何枚が適切ですか?

経験年数が3年未満であれば1〜2枚、5年以上であれば2〜3枚が目安です。顧客層・売上実績・提案プロセスの工夫など法人営業の核心情報を優先して記載しましょう。

まとめ

  • 採用担当者は「顧客層・商材・売上・達成率・提案プロセス」をセットで見ている
  • 売上の数字だけでなく「受注率・目標達成率・社内順位」など相対的な実績も書く
  • 課題解決型の提案プロセス(ヒアリング→課題特定→提案→受注)を具体的に書く
  • CRM・SFAツール(Salesforce・HubSpotなど)の使用経験は必ず記載する
  • 経験年数に応じて「提案プロセスと行動量」「大型案件と複数ステークホルダー」「マネジメントとパートナー戦略」を使い分ける
  • NG例に共通するのは「顧客層不明・数字なし・御用聞きに見える・意気込みだけ」の4パターン

法人営業の経験は正しく書けば必ず評価されます。まずは担当してきた顧客層・売上・目標達成率・受注率を書き出すところから始めてみてください。

梶原
梶原
運営責任者
人事・採用担当として1,000名以上の面接、30社の採用支援に携わった経験をもとに、職務経歴書の作成代行・添削を行っています。 採用側での経験をもとに、評価される書類づくりをサポートしています。「経験はあるのに書類で落ちる」という方に特に支持をいただいています。 これまでのご支援数は370名以上。製造・IT・金融・医療・サービス業など、幅広い業界・職種に対応しております。 職務経歴書の書き方にお悩みの方は、お気軽にご相談ください!
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