SEO担当の職務経歴書の書き方|例文つきで徹底解説
- 採用担当者がSEO担当の職務経歴書で本当に見ているポイント
- オーガニックセッション・CV数・検索順位・被リンク数など「数字の出し方」
- コンテンツSEO・テクニカルSEO・内部リンク・サイト構造など施策別の書き方
- 書類が通らないSEO担当に共通する失敗パターン
- 経験年数別(若手・中堅・ベテラン)のアピールポイントの違い
- NG例・改善例つきで今日から使える書き方を解説
「SEOの施策を数多く回してきたのに、職務経歴書にどう書けばいいかわからない」「検索順位を上げてきた実績をどう伝えればいいか」SEO担当者の転職活動でよく聞く悩みです。キーワード調査から技術的な改善まで幅広く担ってきたにもかかわらず、それを採用担当者に伝わる言葉に変換できていない方がほとんどです。
書類が通らない原因の多くは、「何をしたか」は書けていても「どんな規模のサイトで・どんなKPIを・どう改善したか」が伝わっていないことにあります。採用担当者はSEO担当の職務経歴書を通じて「検索流入を増やす施策を設計・実行できるか」「技術とコンテンツの両面からSEOを推進できるか」を判断しています。
この記事では、SEO担当者が転職活動で使える職務経歴書の書き方を、具体的な例文・NG例・経験年数別のアドバイスとあわせて解説します。
採用担当は何を見ている?
SEO担当の採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。
| 観点 | 内容 |
| どんな規模のサイトを・どんな施策で担当してきたか | 月間PV数・オーガニックセッション数・ドメイン数・扱ったキーワード数などサイト規模と施策の幅を確認している |
| KPIを設定して数字を改善してきたか | オーガニックセッション増加率・上位表示キーワード数・CV数・離脱率改善など、設定したKPIと改善の実績を見ている |
| コンテンツSEOとテクニカルSEOの両面を担えるか | 記事企画・ライティングディレクション・内部リンク・サイト構造・Core Web Vitals・構造化データなど、SEOの幅広い知識の実践経験を確認している |
よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)
パターン①:「SEO施策を担当していました」で終わっている
「コンテンツSEO・テクニカルSEO・キーワード調査を担当していました」という記述では、採用担当者には実力が伝わりません。どんな規模のサイトで・どんなKPIを設定して・どう改善したかが書かれて初めて、評価の材料になります。
パターン②:施策の羅列で終わっていて成果が見えない
「キーワード調査・メタタグ最適化・内部リンク整備・コンテンツリライト・被リンク獲得を実施」と施策名を並べるだけでは、採用担当者には成果が伝わりません。「コンテンツSEOに注力し、月間オーガニックセッションを8万から28万に拡大(12ヶ月)。主要キーワード10語で1位表示を達成した」のような成果との紐付けが重要です。
パターン③:ツールの記載がない、または羅列だけになっている
「Google Search Console・Ahrefs・SEMrush・Screaming Frog…」と並べるだけでは、実際にどう使ったかが伝わりません。「Ahrefsで競合サイトのコンテンツギャップを分析し、月間検索ボリューム1,000〜5,000のミドルキーワード50語への記事展開計画を策定した」のように、ツールの使用目的と成果をセットで書くことが重要です。
書き方のポイント|SEO担当ならではの伝え方
ポイント①:サイト規模とKPIの現状→施策→成果の流れで書く
「月間オーガニックセッション約8万(担当開始時)→コンテンツSEOとテクニカル改善を並行実施→12ヶ月後に約28万に拡大」のように、現状・施策・成果の流れで書くことで、SEO担当者としての実力が一目で伝わります。
ポイント②:コンテンツSEOとテクニカルSEOを分けて書く
SEO施策は「コンテンツSEO(記事企画・ライティング・リライト・内部リンク)」と「テクニカルSEO(サイト構造・ページ速度・Core Web Vitals・構造化データ・クロール最適化)」に大別されます。自分がどちらを主担当として・どの程度の深さで担ったかを明確に書きましょう。
ポイント③:「なぜその施策を選んだか」の思考プロセスを書く
SEO担当として評価されるのは「施策を実行した」ことより「データを見て仮説を立て・施策を選択し・検証した」思考プロセスです。「Google Search ConsoleとAhrefsのデータから、11〜20位に停滞しているキーワード群を優先的にリライト対象とし、3ヶ月で平均順位を5位以内に改善した」のような思考と行動のプロセスを書きましょう。
SEO担当ならではの悩みに答える
「アルゴリズムアップデートの影響で順位が下落した経験はどう書けばいい?」
アルゴリズムアップデートによる順位変動は業界全体で起きることであり、正直に書くことが重要です。「○○アップデートにより一時的に流入が約30%減少したが、コンテンツの品質向上・E-E-A-T強化・技術的な改善を実施し、6ヶ月で流入を回復・超過させた」のように、課題への対処プロセスを書くことで、SEO担当者としての対応力が伝わります。
「コンテンツSEOしか経験がなく、テクニカルSEOの経験が少ない場合は?」
「コンテンツSEOの実績」を前面に出しながら、「テクニカルSEOの基礎知識(Screaming FrogやPageSpeed Insightsの使用経験)」と「テクニカル領域を強化したいという学習意欲」を補足として書くことで、正直さと成長意欲が伝わります。
例文
例①:コンテンツSEO担当(経験2年・若手)
BtoB SaaS企業(ARR約8億円)のマーケティングチーム(4名体制)にてSEO・コンテンツマーケティングを担当。オウンドメディアの立ち上げから運用まで主担当として実施。
【業務内容】
・キーワード調査・競合分析(Ahrefs・Google Search Console使用)
・コンテンツ企画・ライティング・外部ライター(3名)のディレクション
・既存記事のリライト・内部リンク最適化・メタタグ改善
・Screaming Frogを使ったテクニカルSEO監査(月次)
・Looker Studioを使ったKPIダッシュボードの整備・週次レポート作成
・サイト構造・カテゴリ設計の改善提案
【実績】
・月間オーガニックセッション:8,000→42,000に拡大(18ヶ月で約5倍)
・主要キーワード(月間検索ボリューム500〜3,000)上位10位以内:12語→68語に増加
・オーガニック経由のMQL獲得数:月0件→月平均35件に拡大
・リライト施策(11〜20位記事を優先対象)で3ヶ月以内に平均順位を5位以内に改善した記事:18本
【主な取り組み】
キーワード選定では、検索ボリュームより「検索意図の一致度」と「競合の弱さ」を優先した。コンテンツギャップ分析(Ahrefs)で競合が強いビッグキーワードを避け、自社サービスと関連性の高いミドルキーワードを重点的に狙う戦略を取った。リライトはSearch Consoleで「表示回数は多いがCTRが低い」記事と「11〜20位で停滞している」記事を優先リストにし、月5本のペースで改善した。
自己PRでのアピールポイント
データを起点に優先順位を決め、施策を実行・検証するサイクルが習慣になっている。コンテンツSEOでオーガニックセッションを5倍に拡大し、MQL獲得につなげた経験を次の職場でも活かしたい。
例②:SEOリード・テクニカルSEO担当(経験6年・中堅)
大手ECサービス(月間UU約500万・商品数約200万SKU)のSEOチームリーダー(3名体制)として勤務。コンテンツSEO・テクニカルSEO・国内外のSEO施策を統括。
【業務内容】
・SEO戦略の立案・年間ロードマップ策定・経営陣への報告
・テクニカルSEO:Core Web Vitals改善・構造化データ実装・クロールバジェット最適化・重複コンテンツ対処
・コンテンツSEO:カテゴリページのSEO最適化・特集ページの企画・内部リンク設計
・ログ解析(Splunk)を使ったGooglebotのクロール動向分析
・エンジニアチームとの連携・SEO要件のレビュー・実装確認
・SEOチームメンバー2名の指導・育成
【実績】
・Core Web Vitals改善(LCP 4.8s→1.9s・CLS 0.25→0.08)により、モバイルのオーガニックセッションが改善前比約28%増加(6ヶ月)
・構造化データ(Product・Breadcrumb・FAQ)の全商品ページへの実装を主導し、リッチリザルトの表示率が12%→58%に向上
・重複コンテンツ問題(URLパラメータ起因)の解消により、クロール効率が改善し新商品ページのインデックス速度が3日→8時間に短縮
・カテゴリページのSEO最適化でオーガニック経由の売上が前年比約22%増加
【主な取り組み】
Core Web Vitalsの改善はPageSpeed InsightsとCrUXデータで問題を特定し、LCPの改善(画像遅延読み込み・CDN最適化・サーバーサイドレンダリングの見直し)をエンジニアチームと協力して実施した。クロールバジェットの最適化はGooglebotのアクセスログを分析し「クロールされているのに不要なURL」を特定してnoindex・canonicalで整理した。
自己PRでのアピールポイント
コンテンツSEOとテクニカルSEOの両面を実務で担ってきた経験がある。大規模ECサイトのSEOで「技術・コンテンツ・データ分析」を横断的に推進してきた経験を次の職場でも活かしたい。
例③:SEOマネージャー・SEO組織統括(経験11年・ベテラン)
東証プライム上場のメディア企業(月間UU約2,000万・運営サイト数15サイト)のSEOマネージャーとして勤務。SEOチーム10名のマネジメントと、全社SEO戦略の立案・推進を担当。
【業務内容】
・全社SEO戦略・年間ロードマップの立案・経営陣への報告
・SEOチーム10名のマネジメント(目標設定・評価・採用・育成)
・15サイト全体のSEOポートフォリオ管理・優先順位調整
・アルゴリズムアップデート対応・Google Search Centralとの情報連携
・SEOとUX・CRO・コンテンツチームとの横断プロジェクト推進
・外部SEOコンサルタントのマネジメント・品質管理
【実績】
・全社オーガニックセッションを3年間で月2,000万から月3,800万に拡大(約1.9倍)
・アルゴリズムアップデート(HCUアップデート)による流入減少(-35%)を、E-E-A-T強化・コンテンツ品質向上により6ヶ月で回復・超過(+8%)させた
・SEOとCROの連携施策でオーガニック経由のCV率を1.2%から2.1%に改善(全社収益への直接貢献)
・SEOチームの採用・育成体制を整備し、3年間でチームを4名から10名に拡大
【主な取り組み】
HCUアップデートへの対応では「品質の低いコンテンツの削除・noindex化」と「残るコンテンツのE-E-A-T強化(専門家監修・著者情報の充実・一次情報の追加)」を並行して実施した。削除対象の判断基準を数値化(インプレッション数・クリック数・滞在時間・被リンク数の複合スコア)し、チーム全体で判断軸を統一した。SEOとCROの連携は「流入しているのにCVしないページ」を分析し、デザインチームと協力してランディングページを最適化したことが直接的な成果につながった。
自己PRでのアピールポイント
SEOの実務からチームマネジメント・全社SEO戦略・アルゴリズムアップデート対応まで幅広く担ってきた。「検索エンジンとユーザーの両方に評価される質の高いSEO」を組織として推進してきた経験を次の職場でも活かしたい。
書き方ステップ
① 担当してきたサイト規模(月間PV・オーガニックセッション・ドメイン数)と施策の種類をすべて書き出す
② KPIと「施策前後の数字」を探す(オーガニックセッション・上位表示キーワード数・CV数・CTR・インデックス数など変化率でOK)
③ 業務内容・実績・主な取り組みの3ブロックに分けて整理する(業務内容は「何を・どんな規模で担ったか」、実績は「KPIの前後比較」、主な取り組みは「なぜその施策を選んだか・どう検証したか」)
④ 応募先のSEO課題(コンテンツ重視かテクニカル重視か)に合わせてアピール軸を絞り込む
NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方
失敗①:施策の羅列で終わっている
失敗②:数字がない
失敗③:テクニカルSEOの具体性がない
失敗④:使用ツールと成果の対応が書かれていない
経験年数別アドバイス
経験3年未満(若手・担当者)
「担当サイトの規模・KPIの改善実績」と「施策の選択理由・PDCAのプロセス」が評価のポイントです。数字の変化と「なぜその施策を選んだか」の思考プロセスを書くことで、SEO担当者としての資質が伝わります。
経験3〜10年(中堅・専門担当)
「テクニカルSEOとコンテンツSEOの両面での改善実績」「大規模サイトでのSEO経験」「チームへの貢献・育成経験」が評価の軸になります。アルゴリズムアップデートへの対応経験があれば積極的に書きましょう。
経験10年以上(ベテラン・リーダー層)
SEOチームのマネジメント・全社SEO戦略の立案・他部門との横断連携・経営指標への貢献が最大のアピールポイントです。「チーム人数・管理サイト数・オーガニックセッションの拡大倍率・収益への貢献」など、組織全体のSEO力を高めてきた実績を中心に書きましょう。
よくある質問
SEOで培った「キーワード戦略・コンテンツ設計・データ分析・ユーザーインテントの理解」はWebマーケティング・コンテンツマーケティングに直接活きます。転職先の職種との接続を自己PR欄で明確に書きましょう。
正直に書くべきです。下落への対処プロセスと回復実績を書くことで、変化への適応力が伝わります。「失敗した」より「どう対処し・どう回復したか」を中心に書きましょう。
公開されているサイトであれば記載しても構いません。ただし担当していたことが社外秘の場合は記載を控え、「業種・規模・施策の種類」で代替してください。
2〜3枚が目安です。担当サイト規模・KPI改善実績・施策の意図・使用ツールなどSEO担当の核心情報を優先して記載しましょう。
短期間でも「リライトによる順位改善」「テクニカル問題の解消によるインデックス数増加」「CTRの改善」など、短期で効果が出やすい施策の実績を書きましょう。中長期の施策は「○ヶ月間の継続的な取り組みで○%改善」という形で期間を明示して書くことが重要です。
まとめ
- 採用担当者は「サイト規模・担当施策・KPIの改善実績・施策の選択理由」をセットで見ている
- 施策の羅列ではなく「KPIの前後比較」と「なぜその施策を選んだか」をセットで書く
- コンテンツSEOとテクニカルSEOで担当した範囲を明確に分けて書く
- 使用ツール(Ahrefs・Search Console・Screaming Frog)は「何に使ったか・どんな成果が出たか」とセットで書く
- 経験年数に応じて「KPI改善と思考プロセス」「両面のSEOと大規模サイト経験」「戦略立案とマネジメント」を使い分ける
- NG例に共通するのは「施策の羅列・数字なし・ツールの羅列・思考プロセスなし」の4パターン
SEO担当の経験は正しく書けば必ず評価されます。まずは担当サイトの規模・KPIの改善前後の数字・施策の選択理由を書き出すところから始めてみてください。

