20代社内SEの職務経歴書|採用担当が見るポイントと書き方
- 20代社内SEが採用担当者に評価される職務経歴書の書き方
- 経験が浅くても「即戦力候補」として見せる方法
- 担当領域別(ヘルプデスク・社内インフラ・SaaS 運用・社内システム開発)の伝え方
- 担当ユーザー数・対応件数・取得資格を数字で書くコツ
- 経験年数別(1〜2年・3〜4年・5年前後)の書き方の違い
- NG例・改善例つきで今日から使える例文
「社内SEとしてヘルプデスク・社内インフラ運用をしてきたのに、職務経歴書に何を書けばいいかわからない」「特別な実績がない気がする」20代社内SEの転職活動でよく聞く悩みです。
20代社内SEの転職市場では「華やかな実績」より「業務の継続性」「業務改善・自動化への意識」「Microsoft 365・Google Workspace・SaaS 運用への適応力」が評価されます。多くの20代が「ヘルプデスクしかしてこなかった」と思い込み、自分を過小評価した職務経歴書を書いてしまっています。
採用担当者が20代社内SEに期待しているのは「専門スキルの完成」ではありません。「業務理解とユーザー目線」「IT 基礎知識(ネットワーク・サーバ・PC)」「業務効率化への意識」です。この3点を職務経歴書で伝えられれば、経験が浅くても十分に評価されます。
採用担当は何を見ている?
20代社内SEの採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。
| 観点 | 内容 |
| 担当領域とユーザー規模 | 担当領域(ヘルプデスク・社内インフラ・SaaS 運用・社内開発)とユーザー規模を確認している。「従業員約500名のヘルプデスクを担当」「月間問い合わせ件数約300件」のような具体的な数字が判断材料になる |
| 使用技術と運用範囲 | Active Directory・Microsoft 365・Google Workspace・kintone・Salesforce・SAP・Oracle・ネットワーク機器(Cisco・Aruba)・サーバ(Windows Server・Linux)・クラウド(AWS・Azure)への対応を確認している |
| 業務改善・自動化への取り組み | マニュアル整備・FAQ 整備・自動化(Power Automate・Zapier・kintone カスタマイズ・スクリプト)・AI ツール活用への姿勢を確認している |
よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)
パターン①:「ヘルプデスクを担当」で終わっている
「ヘルプデスクとして社員からの問い合わせ対応をしてきました」では、採用担当者には何も伝わりません。担当ユーザー数・問い合わせ件数・対応内容・使用ツールが書かれて初めて評価材料になります。
パターン②:使用技術を並べるだけで習熟度が伝わらない
「Active Directory・Microsoft 365・kintone 使用経験あり」と並べるだけでは、どのツールをどう使えるかが判断できません。「Active Directory(ユーザー管理・GPO 設定・業務日常使用)」「Microsoft 365(Teams・SharePoint・Power Automate を業務日常使用)」のように具体性を持たせましょう。
パターン③:業務改善・自動化の実績が書かれていない
20代社内SEで最も差がつくのは「対応した件数」より「業務改善・自動化への取り組み」です。「Power Automate でアカウント作成フローを自動化し、所要時間を1件30分→3分に短縮」「kintone カスタマイズで申請業務をペーパーレス化」のような具体的な改善が評価されます。
書き方のポイント|20代社内SEならではの伝え方
ポイント①:会社規模・担当領域・ユーザー規模を冒頭に明記する
「東証グロース上場のIT 企業(従業員約500名)の情報システム部にて、社内SE として勤務。Microsoft 365 運用・ヘルプデスク・社内インフラを担当」のように、会社規模と担当領域を冒頭に書くことで業務のスケール感がつかめます。
ポイント②:使用技術と業務での使い方をセットで書く
Active Directory・Microsoft 365・Google Workspace・kintone・Salesforce・Slack・Zoom・ネットワーク機器・サーバ・クラウドを業務での使い方とセットで書きましょう。
ポイント③:取得資格・学習姿勢を書く
20代社内SEが差別化できるポイントは「資格取得への姿勢」です。「基本情報技術者」「応用情報技術者」「ITパスポート」「CCNA」「LPIC」「AWS Solutions Architect Associate」「Microsoft 認定資格」のような取り組みが評価されます。
20代社内SEならではの悩みに答える
「特別な実績がない場合、どうアピールすればいい」
特別な実績がなくても「日常業務の継続性」と「小さな改善の積み重ね」をアピールできます。「年間約3,500件の問い合わせ対応をクローズ率99%で継続」「Power Automate でアカウント作成を自動化」のような書き方が評価されます。
「SIer から事業会社の社内SE への転換は可能か」
可能です。SIer での経験で身につけた「複数システムへの適応力」「ユーザー対応力」は社内SEでも強みになります。応募先と関連する経験(社内システム運用・SaaS 運用・業務効率化)を中心に書きましょう。
例文
例①:IT 企業・社内SE(経験1年半・第二新卒)
東証グロース上場のIT 企業(従業員約500名)の情報システム部に所属。社内SE として勤務。
【業務内容】
・Microsoft 365(Teams・SharePoint・OneDrive)の運用管理
・ヘルプデスク対応(月間問い合わせ件数約300件)
・社内 PC・モニタ・周辺機器のキッティング・配布
・Active Directory のユーザー管理・グループポリシー設定
・入退社時の IT 環境セットアップ・アカウント発行
・kintone カスタマイズ・社内ワークフロー設計
【実績】
・問い合わせ対応:月間300件・クローズ率99%継続(1年半)
・アカウント作成自動化:Power Automate でワークフロー化し、所要時間1件30分→3分に短縮
・ヘルプデスク FAQ 整備:問い合わせ件数を月平均400件→300件に減少
・入退社対応の自動化:チェックリストと kintone ワークフロー連携で漏れゼロを継続
・取得資格:基本情報技術者(2023年)・ITパスポート・Microsoft 365 Certified: Modern Desktop Administrator Associate(2024年)
【主な取り組み】
入社時から「同じ問い合わせを繰り返さない仕組み作り」を意識した。FAQ を社内 Wiki に整備し、Slack でアクセスしやすい仕組みを構築した結果、問い合わせ件数自体が減少した。アカウント作成の自動化では、Power Automate と Microsoft Graph API を組み合わせて、人事システムからの新入社員データを連携してアカウントを自動作成する仕組みを構築。所要時間を大幅に短縮しながら、ミスもゼロにできた。AI 活用ではChatGPT・Claude をマニュアル作成・問い合わせ回答ドラフト作成に活用している。
自己PRでのアピールポイント
社内SE として「業務改善」「自動化への取り組み」を1年半徹底してきた経験を持つ。Power Automate・kintone カスタマイズ・AI ツール活用を組み合わせて業務改善を進めるスタイルで、次の職場でも社内 IT 業務の効率化と社員満足度向上に貢献したい。
例②:BtoB SaaS 企業・社内SE(経験3年・中堅手前)
東証プライム上場のBtoB SaaS(ARR約30億円・従業員約300名)にて、社内SE として勤務。Microsoft 365・Google Workspace・SaaS 運用を担当。
【業務内容】
・Microsoft 365・Google Workspace の運用管理
・社内 SaaS(Slack・Zoom・kintone・Salesforce・freee・SmartHR)の運用
・社内ネットワーク(拠点間 VPN・Wi-Fi)の運用・トラブル対応
・情報セキュリティ運用(EDR・SASE・SSO)
・入退社時の IT 環境セットアップ・自動化整備
・社員向け IT セキュリティ研修の主催
【実績】
・担当ユーザー:約300名・問い合わせ対応約4,000件/年・クローズ率98%以上
・SaaS 棚卸し:年間 SaaS コスト約1,500万円のうち約400万円を削減(重複契約整理)
・セキュリティインシデント対応:年間約20件・全件8時間以内に解決
・入退社自動化:人事システムと SaaS を SSO・SCIM 連携し、対応時間を1人あたり2時間→20分に短縮
・セキュリティ研修:年4回主催・参加率100%維持
・取得資格:応用情報技術者(2023年)・Microsoft 365 Certified: Security Administrator Associate・AWS Solutions Architect Associate
【主な取り組み】
中堅社内SE として「SaaS 運用の最適化」と「セキュリティ運用」に注力した。SaaS 棚卸しでは年間契約の全 SaaS をリストアップし、利用率・重複契約・セキュリティ要件を評価して整理した結果、年間約400万円のコスト削減につながった。AI 活用ではChatGPT・Claude をマニュアル作成・スクリプト作成補助・問い合わせ回答ドラフトに活用し、業務効率を約30%向上させた。
自己PRでのアピールポイント
社内SE として「SaaS 運用最適化」「セキュリティ運用」「業務改善」を3年間追求してきた経験を持つ。次の職場でも社内 IT 部門のコスト最適化と業務効率向上に貢献したい。
例③:メガベンチャー・サブリーダー候補(経験5年・20代後半)
従業員数約1,000名のメガベンチャーにて、社内SE として勤務。3年目から後輩2名のOJT 指導も担当。
【業務内容】
・情シスチーム5名の業務リード(自身プレイヤー兼任)
・Microsoft 365・Google Workspace・SaaS(約30種類)の統合運用
・社内 PC・スマホ MDM(Intune・Jamf)の運用
・ゼロトラストネットワーク(SASE・SSO・MFA・EDR)の運用設計
・社内システム(kintone・Salesforce)のカスタマイズ
・後輩 SE 2名のOJT 指導・案件レビュー
【実績】
・担当ユーザー:約1,000名・問い合わせ対応約12,000件/年・クローズ率99%
・ゼロトラスト移行:3年で全社展開、セキュリティインシデント発生件数を年30件→5件に削減
・SaaS 棚卸し:年間 SaaS コスト約5,000万円のうち約1,200万円を削減
・入退社自動化:1人あたり対応時間を2時間→15分に短縮
・後輩2名の育成:両名が独立してチケット担当できるレベルに成長
・取得資格:応用情報技術者・AWS Solutions Architect Associate(2022年)・データベーススペシャリスト・情報処理安全確保支援士(2024年)・CCNA
自己PRでのアピールポイント
メガベンチャー社内SE サブリーダー候補として「ゼロトラスト移行」「SaaS 統合運用」「後輩育成」を5年間追求してきた経験を持つ。次の職場でも情シス組織の業務改善と人材育成に貢献したい。
書き方ステップ
① 担当領域・ユーザー規模・対応件数を書き出す
アピールになるかはこの段階では考えなくてOKです。まず全部並べることで、後から数字化・アピール化できるポイントが見えてきます。
② 数字を3軸で探す(処理量・改善・自動化)
処理量・改善・自動化などを洗い出します。正確な数値でなく概数・変化率でOKです。まず全部書き出してから取捨選択しましょう。
③ 使用技術と使い方をセットで整理する
ひとつひとつ丁寧に整理することで、採用担当者に「即戦力」として伝わる職務経歴書に近づきます。
④ 業務改善・自動化の事例を1〜2件詳しく書く
ひとつひとつ丁寧に整理することで、採用担当者に「即戦力」として伝わる職務経歴書に近づきます。
⑤ 取得資格と業務での活用を書く
NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方
失敗①:担当業務の抽象的な記述
失敗②:技術使用の羅列
失敗③:業務改善プロセスが見えない
失敗④:AI ツール活用への対応が書かれていない
経験年数別アドバイス
経験1〜2年(第二新卒・若手)
「対応件数の継続性」「業務改善の小さな積み重ね」「資格取得・学習継続」が最大のアピールポイントです。
経験3〜4年(中堅手前)
「複数 SaaS の運用経験」「セキュリティ運用」「業務改善・自動化の実績」が評価の軸になります。
経験5年前後(20代後半)
「サブリーダー・OJT 指導としての実績」「ゼロトラスト移行・SaaS 統合運用」「コスト最適化」が評価の軸になります。
よくある質問
可能です。SIer での「複数業界・複数システムへの適応力」は強みになります。事業会社では「ユーザー目線」が求められるため、自己PR欄で方向性を明確に書きましょう。
必須ではありませんが、20代では取得しているのが一般的です。基本情報技術者は最低ライン、応用情報技術者・情報処理安全確保支援士はさらに評価が高まります。
「現在検証中」「業務での活用方法を模索中」のレベルで書くだけで採用担当者の懸念は和らぎます。
可能です。社内SE はヘルプデスク・SaaS 運用・社内インフラなど運用中心のポジションも多く、開発経験必須ではありません。kintone カスタマイズ・Power Automate などのローコード経験があると評価が高まります。
1〜2枚が目安です。担当領域・ユーザー規模・使用技術・業務改善事例・取得資格など20代社内SEならではの情報を優先して記載しましょう。
まとめ
- 採用担当者は20代社内SEに「業務理解とユーザー目線」「業務改善の意識」「IT ツール適応力」を求めている
- 担当領域・ユーザー規模を冒頭に明記する
- 使用技術は「使用経験あり」ではなく「何をどう使ったか」で書く
- 業務改善・自動化の実績(Power Automate・kintone カスタマイズ・SaaS 棚卸し)を必ず書く
- 取得資格と業務での活用方法をセットで記載する
- AI ツール(ChatGPT・Claude)の業務統合実績を書いて差別化する
20代社内SEの経験は「業務理解と業務改善サイクル」として必ず評価されます。
ここまで読んで「書き方の型はわかったけれど、いざ自分のことになると手が止まる」と感じた方もいるかもしれません。職務経歴書は、自分の経験を客観的に整理する作業がいちばんの壁です。
ショクレキでは、採用・キャリア支援の経験者がヒアリングをもとに、あなたの経験を一緒に言語化して職務経歴書として仕上げます。書類選考が通らずに悩んでいる方も、自分では気づいていない強みが見つかることが多いので、まずはお気軽にご相談ください。

