微経験Webマーケターの職務経歴書|運用経験しかない人向けの書き方
- 「微経験Webマーケター」とは何か:広告運用・SNS運用経験1〜2年がどんな立場にあるかを整理する
- 採用担当がWebマーケターの職務経歴書で実際に見ている3つのポイント
- 「運用しかやっていない」「数字が出ていない」と感じる人が見落としている書ける材料の探し方
- 微経験Webマーケター向け例文3つ(リスティング広告運用中心/SNS運用中心/SEO・コンテンツ運用):よくある薄い書き方から改善後までを示す
- 「数字が出ていない期間がある」「一人で全部やっていたので規模感がない」という悩みへの答え
- 書類が通らない人に共通する4つのNGパターンと改善例
「広告運用を1年やってきたけど、CPAを下げた実績も大きな成果もない。これって職務経歴書に書けるのか」という悩みは、Webマーケターの転職相談で非常によく出てきます。
Webマーケターという職種は、会社によって任される業務範囲が大きく異なります。リスティング広告の入稿・調整だけの会社もあれば、SNS・SEO・メルマガ・LPO・効果測定まで一人で担う会社もあります。この「業務範囲のばらつき」が、微経験Webマーケターの職務経歴書を「何を書けばいいかわからない」状態にしてしまう最大の原因です。
書類が通らない原因のほとんどは、数字が出ていないことそのものではなく、「どう運用して、何を考えて、どう改善しようとしたか」を言語化できていないことにあります。採用担当者は「CPAがいくらか」だけでなく「なぜその施策を試したのか、結果をどう解釈して次に活かしたか」を見ています。
この記事では、まず「微経験Webマーケター」の対象を整理します。Webマーケターの求人票では「実務経験2年以上」「広告運用経験必須」という条件が多く見られます。本記事ではWebマーケティングの実務経験1〜2年を「微経験」と定義し、運用経験中心の方が職務経歴書としてどう書けばよいかを解説します。
| ラベル | 定義 | 職務経歴書の主な課題 |
| 未経験 | 実務経験なし | 書ける運用経験がない |
| 微経験 | Webマーケティング実務1〜2年 | 運用経験はあるが数字の出し方・見せ方がわからない |
| 経験者 | 実務経験3年以上 | 経験を絞り込む・再現性を示す |
採用担当は何を見ている?微経験Webマーケターの評価ポイント

| 採用担当者が確認するポイント | 職務経歴書で伝えるべき内容 |
| ①どんなチャネル・規模の運用を担当してきたか | 運用チャネル・月次予算・担当媒体名をセットで書く |
| ②数字をどう読んで、どう施策に反映してきたか | KPI・計測ツール・改善のサイクルを具体的に書く |
| ③施策の成果をどう言語化できるか | 改善率・比較数値・取り組みの背景をセットで書く |
書類が通らない微経験Webマーケターに共通する3つのパターン
パターン①:「広告運用をしていました」とだけ書いて終わっている
「リスティング広告の運用を担当」「SNS運用を担当」と書くだけでは、どのくらいの予算規模で、どの媒体を、どんな目的で運用していたのかが伝わりません。
採用担当者が知りたいのは、月間どのくらいの広告費を、どのKPIに向けて、どんな改善サイクルで運用していたかです。
パターン②:数字はあるが「改善の文脈」がない
「CVRが2.1%になりました」と書かれていても、それがどんな施策の結果なのか、改善前と比較してどう変化したのかが伝わりません。数字には必ず「何をしたからその数字になったか」をセットで書く必要があります。
パターン③:使ったツールが書かれていない
Webマーケターのスキル評価では、Google広告・Meta広告・GA4・Search Console・Looker Studioなどのツール経験が重要な判断材料になります。「分析ツールを使いました」では何もわかりません。ツール名と使用目的を必ずセットで書いてください。
書き方のポイント|微経験だからこそ伝えるべき3つのこと

ポイント①:「運用した」より「何のために・どう改善したか」を書く
同じリスティング広告の運用経験でも、「キーワードの追加・除外を週次で実施」と書くのと、「コンバージョン単価の高いキーワードを週次で精査し、除外ワードを月平均30語追加することでCPAを改善した」と書くのでは、評価の伝わり方がまったく異なります。
運用の事実だけでなく、改善の目的と方法をセットで書くと厚みが出ます。
ポイント②:KPIと計測ツールをセットで書く
「インプレッションが増えました」だけでは、何を目標に運用していたのかが分かりません。「目標CPAに対して週次でGA4とGoogle広告管理画面を確認し、入札調整とLP改善を繰り返した」のように、KPI・ツール・改善サイクルをセットで書くと運用の全体像が伝わります。
ポイント③:「試したがうまくいかなかった施策」も書ける
うまくいかなかった施策でも、「仮説を立てて試し、結果を見てどう判断したか」まで書けば、それは立派な実績です。「クリエイティブのA/Bテストを実施したが効果が見られなかったため、ターゲティングの見直しに切り替えた」という記述は、PDCAを回せる人材として評価されます。
微経験Webマーケターならではの悩みに答える
「数字の改善実績がなく、書ける成果がない」
改善の数字が出ていない場合でも、応募できるかどうかは求人票の条件(必須か歓迎か)と、自分の運用プロセスがどこまで言語化できるかによって変わります。
数字が出ていない場合は、運用量(月次インプレッション数・クリック数・投稿本数)や、改善のために実施した施策の数、定期レポートの作成経験など、「動いた量」を中心に書く方が効果的です。また、数字が改善しなかった理由を分析して上長に共有した経験があれば、それは分析力のアピールになります。
「一人で全部やっていたので、チーム貢献の実績が書けない」
一人運用の経験は「幅広い業務を一人でこなせる」という強みとして書くことができます。一人でリスティング・SNS・レポーティングまで担当していた場合は、担当チャネルと月次運用量をすべて書き出すと、業務範囲の広さが伝わります。
また、運用レポートを他部署(営業・経営陣など)に共有していた経験があれば、「データを非マーケ職に分かりやすく伝えるコミュニケーション」として書くことができます。
例文
例①:Webマーケター(実務1年・リスティング広告運用中心)
BtoB向けSaaSを提供する企業(従業員80名)のマーケティング部門(3名体制)にて、Google広告・Yahoo!広告のリスティング運用を担当。月次広告予算は約150万円。
◆ Before(よくある書き方)
【業務内容】
・リスティング広告の運用
・広告レポートの作成
・キーワードの管理
【主な取り組み】
・広告効果を高めるために日々チェックしていました
◆ After(改善後)
【業務内容】
・Google広告・Yahoo!広告のリスティング運用(月次予算約150万円)
・週次でのキーワード精査・除外ワード追加・入札調整(Google広告管理画面)
・月次効果レポートの作成・営業チームへの共有(Looker Studio)
・LP改善の提案・ディレクション(デザイナーへの修正依頼)
【実績】
・除外キーワードを月平均30語追加し続けた結果、6ヶ月でCPAを12,000円→8,500円に改善
・品質スコアの低い広告文を月次で差し替え、CTRを平均2.1%→3.4%に改善
・月次レポートをLooker Studioで自動化し、レポート作成時間を月4時間→1時間に短縮
【主な取り組み】
コンバージョン数の少ないキーワードをクリック単価・品質スコア・CVRの3軸で評価し、停止か入札調整かを週次で判断するルーティンを作った。LPの離脱率が高いページについては、ヒートマップツール(Microsoft Clarity)でスクロール深度を確認し、CTAボタンの位置変更をデザイナーに提案した。
自己PRでのアピールポイント
数字を見て仮説を立て、施策を試して結果を記録するサイクルを1年間継続してきた。レポートの自動化や改善提案など、依頼されたこと以外に自分から動く姿勢が身についている。次の職場でも、運用データを起点に改善提案ができるマーケターとして貢献したい。
例②:Webマーケター(実務1年半・SNS運用中心)
アパレルブランドを展開する事業会社(従業員120名)のEC・マーケティングチーム(4名体制)にて、Instagram・TikTokの公式アカウント運用を担当。フォロワー数約2.5万人のアカウントを管理。
◆ Before(よくある書き方)
【業務内容】
・InstagramとTikTokの投稿
・コメント返信
・数値の確認
【主な取り組み】
・フォロワーに喜んでもらえるコンテンツを意識しました
◆ After(改善後)
【業務内容】
・Instagram・TikTok公式アカウントの運用(週4〜5投稿、フォロワー約2.5万人)
・投稿コンテンツの企画・撮影ディレクション・キャプション作成
・インサイト分析(リーチ数・保存数・プロフィールアクセス数を週次で確認)
・キャンペーン施策の立案・実施(UGC募集・プレゼント企画など)
【実績】
・投稿時間と曜日の最適化を行い、リーチ数を3ヶ月で平均800→1,400に改善
・保存数の高い投稿パターン(商品コーデ提案形式)を特定し、同形式の投稿を増やすことでプロフィールアクセス数が月次で1.6倍に増加
・UGCキャンペーンを企画・実施し、2週間でハッシュタグ投稿数430件を獲得
【主な取り組み】
インサイトデータを週次でスプレッドシートに記録し、リーチ数・保存数・プロフィールアクセス数の変化を投稿形式・時間帯・テーマ別に分類した。この分析から「コーデ提案形式」の投稿が保存されやすいことを発見し、投稿比率を変更した。TikTokではトレンド音源の差し替えタイミングを早めることで、アルゴリズムに乗りやすい投稿が増えた。
自己PRでのアピールポイント
感覚ではなくインサイトデータを記録・分析し、投稿形式の仮説検証を継続してきた。SNS運用の数字を定期的にチームに共有する習慣もあり、データを非マーケ職に伝える経験も積んでいる。次の職場でも、データドリブンなSNS運用で貢献したい。
例③:Webマーケター(実務2年・SEO・コンテンツ運用)
人材系サービスを提供する企業(従業員200名)のマーケティングチーム(5名体制)にて、オウンドメディアのSEOコンテンツ制作・運用を担当。月間PV約30万のメディアを管理。
◆ Before(よくある書き方)
【業務内容】
・記事の作成
・キーワード調査
・Googleアナリティクスの確認
【主な取り組み】
・SEOを意識して記事を書くように努めました
◆ After(改善後)
【業務内容】
・SEOコンテンツの企画・執筆・入稿(月4〜6本担当、累計約50本)
・キーワード調査・競合記事分析(ahrefs・Search Console)
・既存記事のリライト・内部リンク整備(月2〜3本)
・GA4を用いた記事ごとのPV・直帰率・コンバージョン数の計測・レポート作成
【実績】
・担当記事のうち8本が検索順位10位以内に入り、うち3本が1〜3位を獲得
・リライトを担当した記事の平均PVが改善前比で2.2倍に増加(6記事平均)
・内部リンク整備により、特定カテゴリのページ回遊数が月次で1.4倍に改善
【主な取り組み】
Search Consoleで検索クエリと掲載順位を毎週確認し、11〜20位の記事をリライト候補としてリスト化した。リライト時は競合上位記事の見出し構成・文字数・内部リンクの本数を調査し、自社記事に不足している要素を補う形で改善した。新規記事の企画は検索ボリュームだけでなく、自社サービスへのコンバージョンにつながりやすいキーワードかどうかを基準に選定するようにした。
自己PRでのアピールポイント
数字を起点に改善候補を特定し、施策の優先度をつけて実行するサイクルを2年間継続してきた。記事単体の改善だけでなく内部リンク整備など、メディア全体の回遊性を意識した動き方が身についている。次の職場でも、コンテンツと数字の両面からSEO改善に貢献したい。
書き方ステップ

ステップ①:担当してきたチャネルと運用規模をすべて書き出す
リスティング・SNS・SEO・メルマガ・アフィリエイトなど、種類を問わずすべて書き出します。各チャネルの月次予算・フォロワー数・PV数など、規模を示す数字も合わせて書き出してください。
ステップ②:使用ツールを整理する
Google広告・Meta広告・GA4・Search Console・ahrefs・Looker Studio・Microsoft Clarityなど、業務で使ったツールを一覧化します。業務経験ありと学習中を必ず分けて整理してください。
ステップ③:数字を3種類で探す
「運用規模(予算・PV・フォロワー数)」「成果(CVR・CPA・順位・リーチ数)」「変化(改善前後の比較・前月比・半年比)」の3軸で数字を洗い出します。正確な数値が思い出せない場合は概算で構いません。
ステップ④:施策の「仮説と結果」を整理する
実施した施策ごとに「なぜその施策を試したか(仮説)」「どんな結果になったか(結果)」「次にどう活かしたか(学び)」の3点を書き出します。うまくいかなかった施策でも、この3点が書ければ実績として使えます。
ステップ⑤:「目的→施策→結果」の流れで書き直す
「運用しました」という記述を「何のKPIに向けて・どんな施策を・どんな結果で」という流れに書き直します。この3点をセットで書くことで、運用経験しかない場合でも厚みが出ます。
NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方
失敗①:チャネルを羅列するだけ
失敗②:数字はあるが改善の文脈がない
失敗③:経験の浅さを前置きにしてしまう
失敗④:自己PRが抽象的で終わっている
経験年数別アドバイス
実務経験1年前後
レポート作成・入稿補助・投稿作成が中心で、施策の立案や改善提案にはまだ関わっていない時期です。実績の数字が少なくても、「数字を見てどう判断したか」「自分から提案したことがあるか」のエピソードが1〜2つあれば十分にアピールになります。
振り返るべき問いは「運用中に気になった数字の変化があったか」「上長への報告で自分なりの解釈を加えたことはあるか」「依頼されていないが自分から動いたことはあるか」の3つです。
実務経験1年半〜2年
担当範囲が補助業務から施策立案・改善提案へ広がっている時期です。この段階では「担当範囲の変化」と「仮説を持って動いた経験」を両方書くことが重要です。
「最初はレポート作成のみだったが、今はキーワード選定や施策提案まで担当している」という変化を明示してください。うまくいかなかった施策でも、仮説・実施・結果・学びが書ければ実績として使えます。
よくある質問
書いて構いません。予算規模の大小よりも、その予算をどんな目的で・どう管理・改善してきたかが評価対象です。「月次予算約30万円のリスティング広告をCPA目標に向けて週次で調整していた」という書き方で十分に伝わります。
Google広告・Meta広告・Yahoo!広告・GA4・Search Console・ahrefs・Looker Studio・Microsoft Clarity・Sprout Social(SNS管理)・Mailchimpなど、業務で使ったツールを使用期間・習熟度とともに整理して書くと伝わりやすくなります。業務経験と学習中を必ず分けて書いてください。
応募できるかどうかは、求人票の条件(必須か歓迎か)と、自分の経験がどこまで言語化できるかによって変わります。SNS運用でインサイト分析・A/Bテスト・KPI管理の経験があれば、それは広告運用に通じる素地として書けます。「業務外でGoogle広告の学習を進めている」という記述も、積極性のアピールになります。
実務経験1〜2年であればA4で2枚程度が目安です。担当チャネルごとに業務内容・実績・主な取り組みを分けて整理すると、自然に読みやすい分量にまとまります。
自己PRの末尾に、現在の経験を踏まえてどの方向に成長したいかを一文添える形で十分です。「少額予算での運用改善を経験してきたが、今後はより大きな規模でのマーケティング施策に関わっていきたい」のように、現在の経験を否定せず、その先の方向性として書くと前向きな印象になります。
まとめ
微経験Webマーケターの職務経歴書で評価されるのは、成果の数字の大きさではなく「何のために・どんな仮説で・どう動いたか」です。
- 「微経験Webマーケター」とはWebマーケティング実務1〜2年。運用経験の言語化と仮説思考の見せ方が鍵
- 「運用しました」だけで終わらせず、KPI・施策・結果をセットで書く
- 使ったツールは必ず具体名で書く(GA4・Google広告・ahrefs等)
- 数字が出ていない施策も、仮説・実施・結果・学びの4点が書ければ実績として使える
- 一人運用の経験は「担当チャネルの幅」と「他部署へのデータ共有」として強みにできる
- 自己PRは抽象的な表現ではなく、具体的な施策と数字のエピソードで書く
ショクレキでは、ヒアリングをもとに職務経歴書を一緒に作成するサービスを提供しています。「運用経験をどう実績として書けばいいかわからない」「数字が小さくて不安」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

