職種別の書き方

社内SEの職務経歴書の書き方|差がつく書き方と具体例

ショクレキ代行
📌 この記事でわかること
  • 採用担当者が社内SEの職務経歴書で本当に見ているポイント
  • システム導入・ヘルプデスク・インフラ管理など業務別の「差がつく書き方」
  • コスト削減・稼働率・導入効果など「数字の出し方」
  • 書類が通らない社内SEに共通する失敗パターン
  • 経験年数別(若手・中堅・ベテラン)のアピールポイントの違い
  • NG例・改善例つきで今日から使える書き方を解説

「社内システムの管理・運用を幅広く担ってきたのに、職務経歴書に何を書けばいいかわからない」「社内SEの経験って転職市場でどう評価されるんだろう」社内SEの転職活動でよく聞く悩みです。社内のITインフラを支え、システム導入から日常のサポートまで担ってきた経験は確かな実力なのに、それを採用担当者に伝わる言葉に変換できていない方がほとんどです。

書類が通らない原因の多くは、「何をしたか」は書けていても「どんな規模の会社で・どんなシステムを・どんな成果につなげたか」が伝わっていないことにあります。採用担当者は社内SEの職務経歴書を通じて「社内のIT課題を自律的に解決できるか」「ビジネス部門と連携してITで会社を改善できるか」を判断しています。

この記事では、社内SEが書類通過率を上げるための職務経歴書の書き方を、差がつく具体的なポイントとともに解説します。

採用担当は何を見ている?

社内SEの採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。

観点内容
どんな規模の会社で・どんなシステム・インフラを担当してきたか従業員数・PCや端末の管理台数・運用しているシステムの種類(ERP・CRM・グループウェア・社内インフラ)を確認している
システム導入・改善でビジネスに貢献した実績があるかコスト削減・業務効率化・稼働率向上・セキュリティ強化など、ITでビジネスに貢献した成果を数字で見ている
自律的に課題を発見・解決できるか「言われたことだけをやる保守担当」ではなく「自分から課題を発見して改善を提案・実行した」経験を確認している

ポイント

採用担当者の視点:「社内SEで最も評価が高いのは、保守・運用だけでなく『自分から課題を見つけてITで改善した』実績がある人。コスト削減額・稼働率・導入効果が数字で書いてある職務経歴書は採用側から見てわかりやすい」

よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)

パターン①:「社内システムの管理・運用をしていました」で終わっている

「社内SEとしてヘルプデスク・サーバー管理・ネットワーク管理を担当していました」という記述では、採用担当者には何も伝わりません。どんな規模の会社で・何台の端末を・どんなシステムを・どんな成果につながったかが書かれて初めて、評価の材料になります。

パターン②:「担当していました」の列挙で終わっていて改善実績が見えない

「ヘルプデスク・サーバー管理・ネットワーク管理・端末管理・セキュリティ管理」と業務名を並べるだけでは、社内SEとしての実力が伝わりません。「SaaSツールの導入を主導し、年間ライセンスコストを約400万円削減した」「ヘルプデスクのFAQ整備により問い合わせ件数を月200件→80件に削減した」のような改善実績を書くことが重要です。

パターン③:ベンダー・システムにどう関与したかが見えない

社内SEの仕事は外部ベンダー・システムとの関係が重要です。「ベンダーとの要件定義・仕様策定」「システム導入プロジェクトのユーザー側PMO」「保守契約の見直し・コスト交渉」など、ベンダー・システムへの関与の深さを書くことで、実務力が伝わります。

注意

「改善実績がない・数字が出にくい」という方へ:管理している端末台数・サーバー台数・ユーザー数・ヘルプデスクの対応件数・システム稼働率・コスト削減額など、振り返れば数字になるものは必ずあります。「PC約500台・ユーザー約600名の社内IT環境を管理」「ヘルプデスク対応件数:月平均150件」程度の概数で十分です。

書き方のポイント|社内SEならではの伝え方

ポイント①:管理規模・担当システムを冒頭に明記する

「従業員数約800名・PC管理台数約900台・グループ会社5社を含む社内ITインフラを2名体制で管理」「ERP(SAP S/4HANA)・CRM(Salesforce)・グループウェア(Microsoft 365)の運用・管理を主担当として担当」のように、管理規模と担当システムを冒頭に書くことで採用担当者が業務のスケールをつかめます。

ポイント②:「導入・改善・コスト削減」の実績を数字で書く

「クラウドPBXへの移行を主導し、年間通信コストを約280万円削減」「ゼロトラストセキュリティの導入によりセキュリティインシデント件数を前年比ゼロに」「ヘルプデスクのFAQ整備で月間問い合わせ件数を200件→80件に削減(自己解決率向上)」のように、IT投資・改善の効果を数字で書くことで実力が伝わります。

ポイント③:「ユーザー側の視点」での貢献を書く

社内SEは「ビジネス部門のニーズをITで解決する」役割です。「業務部門へのヒアリングで課題を特定し、要件定義を主担当として実施した」「ERPのカスタマイズ要件を業務部門と整理し、ベンダーへの仕様書を作成した」のように、ユーザー側の視点での貢献を書くことで差別化できます。

社内SEならではの悩みに答える

「保守・運用中心で新規導入の経験が少ない場合、どうアピールする?」

保守・運用での「システム安定稼働の実績(稼働率○%を○年間維持)」「コスト最適化(保守契約の見直し・不要ライセンスの削減)」「セキュリティ強化への取り組み」は、重要な実績として積極的にアピールできます。「安定した運用を維持しながら、改善提案も積極的に行ってきた」という姿勢を伝えましょう。

「ヘルプデスク中心の経験しかないが、インフラ・システム管理に転職したい場合は?」

ヘルプデスクでの「ユーザーの課題を理解して解決する経験」「問い合わせ分析によるFAQ整備・システム改善提案の経験」は、社内SEとしての上位ポジションへのキャリアアップで評価されます。自己研鑽(ネットワーク・インフラの資格取得・学習実績)を合わせてアピールしましょう。

例文

例①:社内SE・ヘルプデスク兼任(経験3年・若手)

従業員数約400名の IT企業の情報システム部門(3名体制)にて社内SEとして勤務。PC管理・ヘルプデスク・SaaS管理・セキュリティ管理を担当。

【業務内容】
・PC・スマートフォン約450台の端末管理(キッティング・キッティング自動化・資産管理)
・ヘルプデスク対応(月平均120件:Teams・Slack・対面)
・SaaSツール(Microsoft 365・Slack・Zoom・ kintone)の管理・ライセンス管理
・入退社時のアカウント管理(Active Directory・Google Workspace)
・セキュリティ(EDR・情報漏洩対策・フィッシング訓練)の運用管理
・社内IT資産台帳の整備・更新

【実績・取り組み】
・MDMの導入を提案・推進し、PC端末のキッティング作業を1台あたり3時間→30分に短縮(年間削減工数:約120時間)
・ヘルプデスクFAQ(Notionで整備)を50問整備し、月間問い合わせ件数を120件→55件に削減(自己解決率向上)
・不要SaaSライセンスの棚卸しを実施し、年間ライセンスコストを約180万円削減
・フィッシング訓練の実施・結果分析・社内セキュリティ教育の改善を主担当として実施


自己PRでのアピールポイント
「問い合わせを減らす仕組みをつくる」視点でIT業務の改善に取り組んできた経験がある。MDM導入・FAQ整備・ライセンス最適化を通じて、業務効率化とコスト削減を実現してきた実績を次の職場でも活かしたい。

例②:社内SE・システム導入PM(経験8年・中堅)

東証スタンダード上場の製造業(従業員数約1,200名・グループ会社3社)の情報システム部門(6名体制)にてシニア社内SEとして勤務。ERP導入・クラウド移行・インフラ管理を担当。

【業務内容】
・ERP(SAP S/4HANA)の保守・運用管理・ユーザー部門からの改善要件の取りまとめ
・クラウド移行(オンプレサーバー→AWS)のユーザー側PMとして計画・推進
・ネットワーク(LAN・WAN・VPN)の設計・管理・障害対応
・情報セキュリティ(ISO 27001)の維持・更新管理
・新システム導入プロジェクトでのRFP作成・ベンダー選定・要件定義の主担当
・情報システム部門の後輩2名のOJT指導

【実績】
・オンプレサーバーのAWS移行を主導し、年間インフラコストを約3,500万円から約2,100万円に削減(約40%削減)。移行期間中の業務停止ゼロを実現
・社内CRM(Salesforce)の導入PMOとして参画し、要件定義から本番稼働まで8ヶ月で完遂。営業部門の受注管理工数を月間約40時間削減
・ERPのカスタマイズ要件を年間約50件収集・優先順位付け・ベンダーへの仕様化を主担当として実施
・ISO 27001の第三者審査で3年連続「重大不適合ゼロ」を達成

【主な取り組み】
AWS移行では「コスト・可用性・セキュリティ・移行リスク」の4軸でオンプレとクラウドを比較した費用対効果試算を作成し、経営陣への承認を得た。移行はリフト&シフトを基本としながら、高負荷システムのみRDSへの最適化を実施した。CRM導入では営業部門へのヒアリングを主担当として20回以上実施し、業務フローの整理から要件定義書の作成まで担当した。


自己PRでのアピールポイント
システム導入のユーザー側PMと社内インフラ管理の両方を経験してきた。「ビジネス部門の課題をITで解決する」視点と、コスト・品質・納期を管理する実務力を次の職場でも活かしたい。

例③:情報システム部長・CIO補佐(経験15年・ベテラン)

東証プライム上場のサービス業(従業員数約5,000名・グループ会社10社)の情報システム部長として勤務。情報システム部門12名のマネジメントと、全社のIT戦略立案・DX推進を担当。

【業務内容】
・全社IT戦略の立案・年間IT予算(約8億円)の管理・経営陣への報告
・情報システム部門12名のマネジメント(採用・評価・育成)
・グループ会社10社のIT統括・IT投資の優先順位管理
・DX推進プロジェクトの統括(業務自動化・データ活用基盤の整備)
・外部ベンダー・SIerとの契約管理・関係管理
・情報セキュリティ体制(CSIRT・SOC連携)の統括

【実績】
・DX推進によりRPA・AI活用で年間約2億円の業務コスト削減を3年間で実現
・グループ全体のIT統制強化(セキュリティインシデント年間ゼロを2年連続達成)
・IT予算の最適化:クラウドシフトと不要システムの廃止により年間IT予算を8億円→6億円に削減しながらサービス水準を維持
・情報システム部門の採用・育成強化により3年間でチームを7名から12名に拡大


自己PRでのアピールポイント
社内SEの実務からIT部門マネジメント・IT戦略立案・DX推進・経営陣との連携まで幅広く担ってきた。「ITを経営戦略の実行手段として活用する」CIO視点と、組織全体のIT力を高めてきた経験を次の職場でも活かしたい。

書き方ステップ

① 管理している端末台数・ユーザー数・システムの種類・会社規模をすべて書き出す

② 数字になるものを探す(コスト削減額・稼働率・問い合わせ件数の変化・工数削減・プロジェクト期間など)

③ 業務内容・実績・主な取り組みの3ブロックに分けて整理する(業務内容は「何を・どんな規模で担ったか」、実績は「コスト・効率化の数字」、主な取り組みは「どんな課題を発見して・どう解決したか」)

④ 応募先の会社規模・IT環境・求める人物像に合わせてアピール軸を絞り込む

NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方

失敗①:業務の列挙で終わっている

NG

社内SEとしてヘルプデスク・PC管理・サーバー管理・ネットワーク管理・セキュリティ管理を担当していました。

改善後

従業員約400名のIT企業の情報システム部門(3名体制)にてPC450台の端末管理・月平均120件のヘルプデスク・SaaSライセンス管理を担当。MDM導入でキッティング工数を1台3時間→30分に短縮し、FAQ整備で問い合わせ件数を120件→55件に削減。ライセンス最適化で年間約180万円のコスト削減を実現した。

失敗②:規模感が一切わからない

NG

サーバーやネットワークの管理を担当してきました。クラウド移行の経験もあります。

改善後

従業員約1,200名・グループ会社3社のオンプレサーバー(約30台)のAWS移行をユーザー側PMとして主導。年間インフラコストを3,500万円→2,100万円(約40%削減)に削減し、移行期間中の業務停止ゼロを実現した。

失敗③:「担当しました」で自律的な関与が見えない

NG

システム導入プロジェクトに参加しました。要件定義や仕様策定の作業を行いました。

改善後

社内CRM(Salesforce)の導入PMOとして参画し、営業部門へのヒアリング(20回以上)から要件定義書の作成・ベンダー選定・本番稼働まで主担当として8ヶ月で完遂。営業部門の受注管理工数を月間約40時間削減した。

失敗④:資格・技術スタックの記載がない

NG

ITの専門知識を持っており、さまざまな技術に対応できます。

改善後

【保有資格】応用情報技術者・AWS Solutions Architect Associate・情報セキュリティマネジメント・ITIL 4 Foundation。【技術スタック】AWS(EC2・RDS・S3・VPC)・Microsoft 365管理・Active Directory・Salesforce管理者・SAP S/4HANA(ユーザー管理・保守)・ネットワーク(Cisco)・MDM(Jamf・Microsoft Intune)。

経験年数別アドバイス

経験3年未満(若手・担当者)

「管理している端末数・ユーザー数・担当システムの種類」と「自分から課題を見つけて改善した経験(FAQ整備・ライセンス最適化など)」が評価のポイントです。大きな実績がなくても「自ら問題を発見して改善した」姿勢が伝われば評価につながります。

ポイント

基本情報技術者・AWS資格・Microsoft 365認定・ITIL 4などの資格は積極的に記載しましょう。社内SEとしての専門性の証明になります。

経験3〜10年(中堅・専門担当)

「システム導入・クラウド移行のユーザー側PM経験」「コスト削減・業務効率化の実績」「ベンダー管理・要件定義の主担当経験」が評価の軸になります。「ビジネス部門への課題ヒアリングからシステム化・改善まで一気通貫で担った経験」を具体的に書きましょう。

経験10年以上(ベテラン・リーダー層)

情報システム部門のマネジメント・IT戦略の立案・DX推進・IT予算管理・経営陣との連携が最大のアピールポイントです。「IT予算の削減額・DXによる業務コスト削減額・チーム人数の拡大」など、組織全体のIT力を高めてきた実績を中心に書きましょう。

よくある質問

Q. 社内SEからSIer・ITコンサルへの転職は可能ですか?

可能です。社内SEでの「ユーザー側の視点・ビジネス課題の理解・要件定義の経験・ベンダーマネジメント」は、SIer・ITコンサルでも高く評価されます。「エンドユーザーの視点を持ちながら技術提案ができる」という強みをアピールしましょう。

Q. ヘルプデスク経験しかない場合、社内SEへの転職は難しいですか?

ヘルプデスクでの「ユーザーの課題を理解して解決する経験」は社内SEの基礎として評価されます。インフラ・ネットワークの資格(基本情報・CCNA・AWS)の取得と「自分から改善提案した経験」を合わせてアピールしましょう。

Q. IT予算の管理経験は職務経歴書に書いていいですか?

書くべきです。「IT予算約○千万円の管理・最適化を担当」という情報は、社内SEとしての責任範囲の大きさを示す重要な情報です。守秘義務に触れる可能性がある場合は「億円規模のIT予算」のように概算での表現でも構いません。

Q. 職務経歴書はA4何枚が適切ですか?

経験年数が3年未満であれば1〜2枚、5年以上であれば2〜3枚が目安です。管理規模・システムの種類・コスト削減・効率化の実績・資格など社内SEの核心情報を優先して記載しましょう。

Q. ベンダーとの交渉・契約管理の経験はどう書けばいいですか?

「保守契約の見直し交渉で年間約○万円のコスト削減を実現」「IT機器の調達コスト削減(相見積もりの徹底・ボリューム契約の締結)で年間約○万円削減」のように、交渉の結果をコスト削減額で表現することが効果的です。

まとめ

  • 採用担当者は「管理規模・担当システム・コスト削減・効率化の実績・自律的な課題解決の姿勢」をセットで見ている
  • 業務の列挙ではなく「コスト削減額・工数削減・稼働率・問い合わせ件数の変化」など数字で書く
  • 「言われたことをこなした」ではなく「自分から課題を発見してITで改善した」経験を積極的に書く
  • 資格(応用情報・AWS・ITIL)・技術スタック(クラウド・MDM・ERP)は必ず記載する
  • 経験年数に応じて「端末管理と改善提案」「システム導入PMとコスト削減」「IT戦略とマネジメント」を使い分ける
  • NG例に共通するのは「業務の列挙・規模感なし・改善実績なし・資格・技術スタック記載なし」の4パターン

社内SEの経験は正しく書けば必ず評価されます。まずは管理している端末台数・担当システムの種類・コスト削減や効率化のエピソードを書き出すところから始めてみてください。

梶原
梶原
運営責任者
人事・採用担当として1,000名以上の面接、30社の採用支援に携わった経験をもとに、職務経歴書の作成代行・添削を行っています。 採用側での経験をもとに、評価される書類づくりをサポートしています。「経験はあるのに書類で落ちる」という方に特に支持をいただいています。 これまでのご支援数は370名以上。製造・IT・金融・医療・サービス業など、幅広い業界・職種に対応しております。 職務経歴書の書き方にお悩みの方は、お気軽にご相談ください!
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