ケアマネージャーの職務経歴書の書き方|採用担当が見るポイントと例文
- 採用担当者がケアマネの職務経歴書で本当に見ているポイント
- 担当件数・プラン作成数・多職種連携の実績など「数字の出し方」
- 居宅・施設・地域包括・医療連携など職場別の書き方
- 書類が通らないケアマネに共通する失敗パターン
- 経験年数別(若手・中堅・ベテラン)のアピールポイントの違い
- NG例・改善例つきで今日から使える書き方を解説
「毎月多くの利用者さんのケアプランを作成してきたのに、職務経歴書に何を書けばいいかわからない」「ケアマネの仕事って数字で表しにくい気がする」ケアマネージャーの転職活動でよく聞く悩みです。利用者・家族の生活を支えながら、多職種と連携してケアプランを作成・管理してきた経験は確かな実力なのに、それを採用担当者に伝わる言葉に変換できていない方がほとんどです。
この記事では、ケアマネージャーが転職活動で使える職務経歴書の書き方を、具体的な例文・NG例・経験年数別のアドバイスとあわせて解説します。
採用担当は何を見ている?
ケアマネの採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。
| 観点 | 内容 |
| どんな職場・担当件数・利用者層での経験があるか | 居宅・施設・地域包括支援センター・医療連携など職場の種類と、担当件数・利用者の状態像(要介護度・疾患・認知症の有無)を確認している |
| ケアマネジメントの質と専門性 | アセスメント力・ケアプランの作成・サービス調整・モニタリング・危機対応・医療連携・看取り対応など、ケアマネとしての実務の深さを見ている |
| 多職種連携・困難事例への対応経験 | 医師・看護師・PT/OT・MSW・市区町村との連携実績や、困難ケース(医療依存度が高い・認知症重度・家族支援が困難など)への対応経験を確認している |
よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)
パターン①:「ケアプランの作成・モニタリングを担当していました」で終わっている
「居宅介護支援事業所でケアプランの作成・サービス調整・モニタリングを担当してきました」という記述では、採用担当者には何も伝わりません。担当件数・利用者の状態像・多職種連携の実態が書かれて初めて、評価の材料になります。
パターン②:「利用者さんに寄り添ってきました」だけで終わっている
気持ちは伝わりますが実務力の証明にはなりません。「要介護4〜5の重度利用者を中心に担当件数35件を維持し、医療機関との連携で在宅生活を継続支援した」「認知症高齢者の行動・心理症状(BPSD)への対応として多職種カンファレンスを月1回開催し、在宅継続率の向上に貢献した」のような具体的な取り組みを書くことが重要です。
パターン③:担当件数・利用者層の記載がない
担当件数と利用者の状態像(重症度・医療依存度・認知症の有無)はケアマネの実力を示す重要な情報です。「担当件数:35件(要介護3〜5が約60%・認知症を抱える利用者が約40%)」のように明記しましょう。
書き方のポイント|ケアマネならではの伝え方
ポイント①:職場種別・担当件数・利用者層を冒頭に明記する
「居宅介護支援事業所にてケアマネージャーとして勤務。担当件数:35件(要介護1〜5・認知症対応・医療依存度の高い利用者を含む)。医療機関・施設・行政との多職種連携を日常的に実施」のように、職場・担当件数・利用者層を冒頭に書くことで採用担当者が業務の難易度をつかめます。
ポイント②:「困難ケースへの対応」を具体的に書く
「独居・認知症重度・医療依存度が高い利用者の在宅継続支援を主担当として実施。医師・訪問看護・ヘルパー・MSWとの多職種カンファレンスを月1回開催し、在宅継続に向けたプラン見直しを継続実施した」のように、困難ケースへの具体的な対応を書くことでケアマネとしての実力が伝わります。
ポイント③:主任ケアマネ・困難事例研修・後輩育成への関与を書く
「主任介護支援専門員として後輩ケアマネ2名へのスーパービジョンを担当」「地域ケア会議への参加・困難事例の支援計画立案に参加」「事業所の困難事例検討会(月1回)の運営担当」など、個人の実務力だけでなく組織・地域への貢献を書きましょう。
ケアマネならではの悩みに答える
「介護士・看護師・社会福祉士からケアマネに転職する場合、何をアピールする?」
ケアマネ資格取得前の「介護現場での利用者ニーズの理解」「医療知識(看護師出身の場合)」「相談援助技術(社会福祉士出身の場合)」は、ケアマネとして高く評価されます。「前職の経験をケアマネ業務に活かせる具体的な視点」を自己PR欄に書きましょう。
「施設ケアマネから居宅ケアマネへの転職でどうアピールする?」
施設での「重度介護・医療ケアへの対応経験」「多職種との協働実績」「ターミナル(看取り)ケアの経験」は、居宅での医療連携・困難ケース対応で活かせる強みです。積極的にアピールしましょう。
例文
例①:居宅ケアマネ(経験3年・若手)
居宅介護支援事業所(ケアマネ4名体制)にてケアマネージャーとして勤務。担当件数:30件(要介護1〜5・認知症利用者約35%・医療依存度が高い利用者約20%)。
【業務内容】
・アセスメント・ケアプランの作成・サービス担当者会議の開催・モニタリング
・医療機関・訪問看護・訪問介護・通所サービス・市区町村との連絡調整
・利用者・家族への相談対応・危機介入(緊急入院・施設入所の調整)
・地域ケア会議への参加(月1回)
・担当エリアの介護サービス事業者との関係構築・情報収集
【実績・取り組み】
・担当30件中、独居・認知症重度・医療依存度が高い困難ケースを10件担当し、多職種カンファレンスを活用した在宅継続支援を実践
・急変・緊急対応:担当期間中に緊急入院の調整を8件担当し、全件を48時間以内に対応完了
・在宅ターミナル支援:担当利用者の在宅看取り支援を2件経験(医師・訪問看護・家族との連携を主担当として実施)
・新任ケアマネへのOJT補助(1名担当)
自己PRでのアピールポイント
困難ケースを含む幅広い担当件数の中で、多職種との連携と危機対応の経験を積んできた。「利用者と家族が安心して生活できるプランをつくる」姿勢を次の職場でも発揮したい。
例②:主任ケアマネ・スーパーバイザー(経験10年・中堅)
居宅介護支援事業所(ケアマネ8名体制)にて主任介護支援専門員として勤務。担当件数:35件に加えて、後輩ケアマネ3名へのスーパービジョンと困難事例支援を担当。
【業務内容】
・重度・医療依存度が高い困難ケースのアセスメント・ケアプラン作成・危機管理
・後輩ケアマネ3名へのスーパービジョン(月2回の個別面談・事例検討会の運営)
・地域ケア会議への参加・困難事例の支援計画立案への貢献
・医師・病院MSW・地域包括支援センターとの連携強化
・事業所の運営管理補助・新規利用者の受け入れ調整
【実績】
・担当35件の在宅継続率:92%(担当期間5年間の平均。重度・困難ケースを含む)
・後輩ケアマネ3名のスーパービジョンを通じ、全員が主任ケアマネを目指す意欲を持ち継続在職中
・地域ケア会議での困難事例提案:5年間で8事例を提案し、地域の支援ネットワーク構築に貢献
・在宅ターミナル支援:担当期間中に12件の在宅看取り支援を経験
自己PRでのアピールポイント
困難ケースの実務と主任ケアマネとしてのスーパービジョン・地域への貢献実績を持つ。「困難を多職種と一緒に解決する」姿勢と後輩育成への取り組みを次の職場でも発揮したい。
例③:ケアマネ管理者・地域貢献(経験15年・ベテラン)
居宅介護支援事業所の管理者兼主任介護支援専門員として勤務。ケアマネスタッフ10名のマネジメントと、地域包括ケアシステムへの参画を担当。
【業務内容】
・ケアマネスタッフ10名のマネジメント(目標設定・評価・育成・採用面接)
・事業所全体のケアプランの質管理・困難事例の最終判断・スーパーバイズ
・地域包括支援センター・行政との連携推進・地域ケア会議の参画
・介護保険改正への対応・事業所の方針策定
・地域の介護事業者・医療機関とのネットワーク構築
【実績】
・事業所の平均担当件数:30件/人を維持しながら離職率を前年40%→15%に改善(育成体制整備・キャリアパス明確化)
・地域ケア会議での主任ケアマネとして困難事例の支援計画立案に参画:10年間で25事例
・地域の介護サービス事業者向け勉強会を年2回企画・運営(参加者各50〜80名)
・主任ケアマネ育成:スタッフ3名の主任介護支援専門員資格取得を指導でサポート
自己PRでのアピールポイント
ケアマネとしての実務から管理職としてのマネジメント・地域への貢献まで幅広く担ってきた。「利用者の生活を支える組織をつくる」ことを使命として実践してきた経験を次の職場でも活かしたい。
書き方ステップ
① 職場種別・担当件数・利用者の状態像(要介護度・認知症・医療依存度)をすべて書き出す
② 数字になるものを探す(担当件数・在宅継続率・緊急対応件数・看取り支援件数・後輩指導人数など)
③ 業務内容・実績・主な取り組みの3ブロックで整理する
④ 応募先の職場種別に合わせてアピール軸を絞り込む
NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方
失敗①:担当件数・利用者層の記載がない
失敗②:「寄り添ってきました」だけで終わっている
失敗③:多職種連携の具体性がない
失敗④:資格・専門研修の記載がない
経験年数別アドバイス
経験3年未満(若手・担当者)
「担当件数・利用者の状態像・困難ケースへの対応経験」が評価のポイントです。担当件数が少なくても「重度・困難ケースを含む担当実績」「緊急対応の経験」を書くことで実力が伝わります。
経験3〜10年(中堅・専門担当)
「困難ケースへの対応の深さ」「在宅ターミナル支援・医療連携の実績」「主任ケアマネとしてのスーパービジョン経験」が評価の軸です。
経験10年以上(ベテラン・リーダー層)
事業所管理・スタッフ育成・地域包括ケアへの貢献・行政との連携が最大のアピールポイントです。
よくある質問
正直に書いた上で「なぜその件数になったか・どう対応したか」を説明できる準備をしておきましょう。
積極的に書くべきです。在宅ターミナル支援の経験は、ケアマネとして最も高度な実務経験の証明になります。
2枚が目安です。担当件数・利用者の状態像・困難ケース対応・多職種連携・資格など核心情報を優先して記載しましょう。
まとめ
- 採用担当者は「担当件数・利用者の状態像・困難ケース対応・多職種連携の実態」をセットで見ている
- 担当件数と利用者の難易度(重度・認知症・医療依存度)を数字で明記する
- 困難ケースへの対応プロセスと結果を具体的に書く
- 主任ケアマネ・スーパービジョン・地域ケア会議への貢献を積極的に書く
- 介護支援専門員・主任介護支援専門員・認知症ケア専門士などの資格は必ず記載する

