状況別の書き方

理学療法士の職務経歴書の書き方|採用担当が見るポイントと例文

ショクレキ代行
📌 この記事でわかること
  • 採用担当者が理学療法士の職務経歴書で本当に見ているポイント
  • 担当患者数・改善率・実施単位数など「数字の出し方」
  • 急性期・回復期・生活期ごとの書き方の違い
  • 書類が通らない理学療法士に共通する失敗パターン
  • 経験年数別(若手・中堅・ベテラン)のアピールポイントの違い
  • NG例・改善例つきで「今日から使える」書き方を解説

「業務内容は書けるけど、アピールになっているか自信がない」「病院と施設では職務経歴書の書き方が違うのか」理学療法士の転職活動でよく聞く悩みです。臨床経験は豊富でも、それを文章で伝えることに慣れていない方がほとんどです。

書類が通らない原因の多くは、「何をしたか」は書けていても「どんな成果を出したか」「どういう視点で関わっていたか」が伝わっていないことにあります。採用担当者は職務経歴書を通じて「自施設の患者さんに貢献できる人か」を判断しています。

この記事では、理学療法士が転職活動で使える職務経歴書の書き方を、具体的な例文・NG例・経験年数別のアドバイスとあわせて解説します。

採用担当は何を見ている?

理学療法士の採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。

観点内容
どのステージ(急性期・回復期・生活期)での経験があるか応募先の施設形態と経験のマッチングを見ている
どんな疾患・患者層を担当してきたか整形・脳卒中・呼吸器など、専門性と対応幅を確認している
数字で語れる実績があるか担当単位数・患者改善率・退院支援件数など、成果の具体性を見ている

ポイント

採用担当者の視点:「経験年数が長くても、何をどう担当してきたかが見えない書類は判断できない。担当患者数や改善の工夫が一言でも書いてあると、実力のイメージがわく」

よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)

パターン①:「リハビリ業務全般を担当」で終わっている

「入院患者のリハビリを担当していました」という記述では、採用担当者には何も伝わりません。担当単位数・疾患・関わったチームの構成・自分が果たした役割が見えないためです。「何を・どのくらいの規模で・どう取り組んだか」をセットで書くことが基本です。

パターン②:疾患名や手技の羅列で終わっている

「担当疾患:脳梗塞、大腿骨頸部骨折、変形性膝関節症…」「使用する手技:PNF、関節モビライゼーション…」と並べるだけでは、採用担当者にはスキルの実力が伝わりません。どの疾患をどう担当し、どんな成果につながったかを一言添えることで、初めて評価の材料になります。

パターン③:転職理由が自己都合の言葉で書かれている

「給与アップのため」「残業が多かったため」だけでは、応募先へのポジティブな動機が伝わりません。職務経歴書に転職理由は必須ではありませんが、自己PR欄などで「次のステージでやりたいこと」に触れる場合は、前向きな言葉に変換することが重要です。

注意

「実績なんてない」と思っている方へ:担当単位数・改善した患者さんの退院先・勉強会での発表回数など、振り返れば数字になるものは必ずあります。「大きな実績がないと書けない」わけではありません。

書き方のポイント|理学療法士ならではの伝え方

ポイント①:担当ステージと疾患を明確にする

「急性期病院にて整形外科・神経内科を担当」「回復期リハビリ病棟にて脳血管疾患・大腿骨骨折を主に担当」のように、ステージと疾患をセットで書くことで、応募先が「自施設の業務と合うか」をすぐに判断できます。

ポイント②:数字を3種類で探す

理学療法士の実績を数字で表すには、「規模(担当単位数・患者数)」「成果(改善率・退院先の内訳)」「変化(施策前後の比較)」の3軸で考えると出しやすくなります。例えば「1日平均12単位を担当」「担当患者の在宅復帰率75%」「退院調整カンファレンスに週2回参加」などが該当します。

ポイント③:チームでの役割を明確にする

理学療法士は多職種連携の中で動く職種です。「医師・看護師・OT・STと連携して退院支援を実施」「ケースカンファレンスにてリハビリ計画を提案」のように、チームの中での自分の役割を書くことで、職場での動き方がイメージしやすくなります。

理学療法士ならではの悩みに答える

「急性期から回復期に転職するとき、何をアピールすればいい?」

急性期で培った「早期離床への対応力」「状態変化への判断スピード」「医師・看護師との密な連携経験」は、回復期施設でも高く評価されます。「急性期で○○を経験してきたからこそ、回復期でも初期評価の精度や状態変化への対応に貢献できる」という流れで書くと説得力が出ます。

「施設・デイサービスへの転職で、病院経験をどう書けばいい?」

病院での「疾患別の評価スキル」「リスク管理の経験」「家族への説明・指導の経験」は、施設系の職場でも直接役立ちます。「病院での経験を活かして、利用者の状態変化を早期に察知し、安全で質の高いケアに貢献したい」という方向性で書くと、施設側のニーズとマッチしやすくなります。

例文

例①:急性期病院(経験3年・担当者レベル)

200床規模の急性期総合病院にてリハビリ科に所属。整形外科・神経内科を中心に、術後早期リハビリから在宅復帰支援まで担当。理学療法士3名体制のチームで動いていた。

【業務内容】
・整形外科術後患者(人工関節置換術・骨折術後など)の早期離床・ADL訓練
・脳卒中患者の急性期評価・基本動作訓練・歩行訓練
・1日平均10〜12単位の個別リハビリを担当
・退院前カンファレンスへの参加・退院先調整への関与
・入院患者向けの自主トレーニング指導・家族への説明

【実績】
・担当患者の在宅復帰率:約70%(病棟全体平均の65%を上回る水準を維持)
・人工膝関節置換術後患者の平均歩行開始日:術後2.5日(病棟平均3.1日から短縮)
・退院調整カンファレンスへの参加率:週2回、年間約100件に関与

【主な取り組み】
早期離床を進めるうえで、医師・看護師との朝の申し送りに毎回参加し、患者の夜間状態を確認してからリハビリ計画を調整するルーティンを定着させた。術後の疼痛状況・バイタル変動を考慮した負荷設定を心がけ、安全な早期離床の実現につなげた。退院前には自宅環境を家族から聴取し、退院後の生活に即した自主トレーニングメニューを作成・指導した。


自己PRでのアピールポイント
急性期特有の状態変化の速さの中で、多職種と連携しながらリスクを管理してきた経験がある。「今日の状態で何ができるか」を毎回判断する習慣が身についており、回復期でも同様の視点を活かした質の高いリハビリに貢献したい。

例②:回復期リハビリ病棟(経験6年・中堅)

120床規模の回復期リハビリ病棟を持つ病院に勤務。脳血管疾患・大腿骨近位部骨折を中心に担当。理学療法士8名体制のうち、チームリーダーとして後輩2名の指導も担当。

【業務内容】
・脳血管疾患・骨折後患者のADL改善・歩行訓練・退院支援
・1日平均15単位の個別リハビリを担当
・週次カンファレンスにてリハビリ計画の立案・発表
・後輩理学療法士2名へのOJT・症例指導
・家屋調査への同行(年間約20件)

【実績】
・担当患者の在宅復帰率:82%(病棟目標の75%を上回る水準を3年連続で達成)
・FIM(機能的自立度評価法)利得:平均28点(病棟平均24点を4点上回る)
・後輩への指導を通じて、担当チームの平均FIM利得が前年比3点改善

【主な取り組み】
回復期では「退院後の生活」を常にゴールに置き、入院初日から退院後の生活環境・家族構成・本人の希望を聴取するスタイルを習慣化した。目標設定を患者本人と一緒に行うことで、リハビリへの意欲が高まるケースが増えた。後輩指導では、症例検討の場を週1回設けて「なぜその介入を選んだか」の根拠を言語化させる習慣をつくった。


自己PRでのアピールポイント
患者中心の目標設定と、数字で結果を振り返る習慣を持っている。リーダー経験を通じてチーム全体の質向上に関わってきた経験を、次の職場でも活かしていきたい。

例③:介護老人保健施設(経験12年・ベテラン)

定員100名規模の介護老人保健施設にて理学療法士として勤務。在宅復帰支援・機能訓練プログラムの立案・管理業務を担当。理学療法士4名・作業療法士2名のリハビリチームを統括するリーダーポジション。

【業務内容】
・短期入所・通所リハビリ利用者の個別リハビリ(1日平均8単位)
・施設全体の機能訓練プログラムの立案・見直し(年2回更新)
・リハビリスタッフ6名のシフト管理・業務調整
・多職種カンファレンス(介護・看護・栄養・相談員)の運営・取りまとめ
・家族説明・ケアプラン会議への参加

【実績】
・担当利用者の在宅復帰率:年間68%(施設目標60%を8ポイント上回る水準を維持)
・機能訓練プログラムの見直しにより、通所利用者の転倒件数が前年比40%減少
・スタッフのリハビリ記録の標準化を主導し、記録作成時間を1人あたり1日約20分短縮

【主な取り組み】
機能訓練の内容が「こなす」ものになっていないか定期的に見直し、利用者の生活動作(立ち上がり・歩行・排泄動作)に直結したメニューへの改善を推進した。転倒防止については、ヒヤリハット記録を月次で集計して傾向分析を行い、個別対応策をケアプランに反映する仕組みをつくった。スタッフ育成では、記録の書き方を統一した上で月1回の症例共有の場を設け、スタッフ全体のアセスメント力向上に取り組んだ。


自己PRでのアピールポイント
臨床スキルだけでなく、チームマネジメント・プログラム設計・多職種連携の運営まで幅広く担ってきた。「現場を動かしながら質を上げる」経験を、次の職場でも管理職・リーダー職として活かしていきたい。

書き方ステップ

① これまでの勤務先・担当ステージ・疾患をすべて書き出す(「アピールになるか」はこの段階では考えない)

② 数字になるものを探す(担当単位数・患者数・在宅復帰率・FIM利得・勉強会発表回数など、思い出せる範囲で概数でOK)

③ 業務内容・実績・主な取り組みの3ブロックに分けて整理する(業務内容は「何をしたか」、実績は「どんな数字が出たか」、主な取り組みは「なぜその結果が出たか」)

④ 応募先のステージ・求める人物像に合わせてアピールポイントを絞り込む(急性期志望なら「早期離床の経験」、施設志望なら「生活期・在宅支援の経験」を前面に出す)

NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方

失敗①:業務内容が抽象的で終わっている

NG

患者さんのリハビリを担当していました。急性期から回復期まで幅広く経験しています。

改善後

急性期総合病院(200床)にて整形外科・神経内科患者のリハビリを担当。1日平均12単位、在宅復帰率70%を維持。人工関節置換術後の早期離床を中心に担当し、術後平均歩行開始日を病棟平均より0.6日短縮した。

失敗②:スキルの羅列で終わっている

NG

対応疾患:脳梗塞、大腿骨頸部骨折、変形性膝関節症、パーキンソン病。使用手技:関節モビライゼーション、PNF、呼吸理学療法。

改善後

回復期病棟にて脳血管疾患・骨折患者を中心に担当。FIM利得の平均は28点(病棟平均24点を上回る水準)。関節モビライゼーション・PNFを活用した歩行訓練を実施し、担当患者の在宅復帰率82%を達成。

失敗③:自己PRが意気込みで終わっている

NG

患者さんのために全力でリハビリに取り組んできました。どんな患者さんにも誠実に向き合います。

改善後

患者の「退院後の生活」を常に意識した目標設定を実践してきた。入院初日から生活環境・家族構成・本人の希望を聴取し、リハビリ計画に反映する習慣が身についている。回復期での在宅復帰率82%という数字は、この姿勢の積み重ねだと考えている。

失敗④:転職理由がネガティブな表現になっている

NG

前職は残業が多く、給与も低かったため転職を決意しました。

改善後

急性期での経験を通じて、患者さんの退院後の生活まで継続して関わる回復期・生活期の仕事に強い関心を持つようになった。より患者さんの生活に近い場所でリハビリに携わりたいという思いから、転職を決意した。

経験年数別アドバイス

経験3年未満(若手・担当者)

実績の大きさより「どう考えて動いたか」が評価のポイントです。「担当患者が目標を達成したとき、どんな工夫をしたか」「先輩に相談しながら対応を改善したエピソード」など、思考プロセスと学ぶ姿勢を書くことが重要です。

ポイント

「国家試験合格後3年で基礎固めができる職場に来てほしい」という採用側のニーズに応えるために、「何を学んでいるか・次に何を伸ばしたいか」を自己PR欄に添えると印象がよくなります。

経験3〜10年(中堅・専門担当)

専門性の深さ・後輩指導・チーム内での役割が評価の軸になります。「担当患者のFIM利得」「後輩へのOJT実績」「勉強会・症例検討での発表回数」など、個人の成果とチームへの貢献を両方書くことが重要です。認定理学療法士・専門理学療法士の資格がある場合は必ず記載しましょう。

経験10年以上(ベテラン・リーダー層)

マネジメント経験・組織づくりへの関与・後進育成の実績が重要なアピールポイントになります。「スタッフ人数・シフト管理の経験」「プログラムの立案・改善の主導」「多職種カンファレンスの運営」など、チーム全体を動かしてきた経験を中心に書きましょう。ただし直近5年以内の情報を重点的に記載し、古い情報は概要にとどめることが読みやすさのポイントです。

よくある質問

Q. 職務経歴書はA4何枚が適切ですか?

経験年数が3年未満であれば1〜2枚、5年以上であれば2〜3枚が目安です。読みやすさを優先し、情報を詰め込みすぎないことが重要です。

Q. 資格(認定理学療法士など)はどこに書けばいいですか?

スキル・資格欄にまとめて記載するのが基本です。認定・専門理学療法士の資格は、職種の専門性をアピールする重要な情報なので、必ず記載しましょう。

Q. 担当単位数を正確に覚えていない場合はどうすればいいですか?

「1日平均10〜12単位」「月間約200単位」など、概数で構いません。「約」をつけて書けば問題ありません。

Q. 病院から施設への転職で、キャリアダウンと思われないか不安です。

施設側は「病院での医学的知識・リスク管理の経験を持つ人材」を求めていることが多いです。「病院経験を生活期・在宅支援に活かしたい」という前向きな動機として書くことで、キャリアの一貫性が伝わります。

Q. ブランク(育児休暇・休職など)がある場合はどう書けばいいですか?

職務経歴書には事実を正直に記載し、「育児休業取得後復職」などの記載でOKです。ブランク中に勉強会参加・自己研鑽を行っていた場合は、一言添えると印象がよくなります。

まとめ

  • 採用担当者は「ステージ・疾患・担当規模・成果」をセットで見ている
  • 担当単位数・在宅復帰率・FIM利得など、数字になるものは必ず入れる
  • 「業務内容」「実績」「主な取り組み」の3ブロック構成で書くと読みやすくなる
  • チームの中での自分の役割(連携・指導・カンファレンス)を明記する
  • 経験年数に応じて「成長の姿勢」「専門性と指導力」「マネジメント実績」を使い分ける
  • NG例に共通するのは「抽象的・羅列・意気込みだけ」の3パターン

書き方の型を知れば、理学療法士の経験は必ず書類で伝わります。まずは担当してきた患者さんのことを思い出しながら、数字を書き出すところから始めてみてください。

梶原
梶原
運営責任者
人事・採用担当として1,000名以上の面接、30社の採用支援に携わった経験をもとに、職務経歴書の作成代行・添削を行っています。 採用側での経験をもとに、評価される書類づくりをサポートしています。「経験はあるのに書類で落ちる」という方に特に支持をいただいています。 これまでのご支援数は370名以上。製造・IT・金融・医療・サービス業など、幅広い業界・職種に対応しております。 職務経歴書の書き方にお悩みの方は、お気軽にご相談ください!
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