保険営業の職務経歴書の書き方|採用担当が見るポイントと例文
- 採用担当者が保険営業の職務経歴書で本当に見ているポイント
- 保険料収入・件数・継続率など「数字の出し方」
- 生命保険・損害保険・乗合代理店・法人営業など種別の書き方の違い
- 書類が通らない保険営業担当者に共通する失敗パターン
- 経験年数別(若手・中堅・ベテラン)のアピールポイントの違い
- NG例・改善例つきで今日から使える書き方を解説
「毎月ノルマをクリアしてきたのに、それを職務経歴書にどう書けばいいかわからない」「保険営業の経験は転職市場でどう評価されるのか不安」保険営業の転職活動でよく聞く悩みです。お客様と向き合いながら高い数字を出し続けてきた経験は確かな実力なのに、それを採用担当者に伝わる言葉に変換できていない方が多くいます。
書類が通らない原因の多くは、「何をしたか」は書けていても「どんな顧客層に・どんな商品を・どう提案して・どんな数字を出したか」が伝わっていないことにあります。採用担当者は保険営業の職務経歴書を通じて「数字にコミットできる人か」「顧客との信頼関係を構築できる人か」を判断しています。
この記事では、保険営業担当者が転職活動で使える職務経歴書の書き方を、具体的な例文・NG例・経験年数別のアドバイスとあわせて解説します。
採用担当は何を見ている?
保険営業の採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。
- どんな顧客層・商品を担当してきたか:個人・法人・富裕層・中小企業オーナーなどのターゲット層と、生命保険・損害保険・乗合代理店など商品の幅を確認している
- 数字で語れる実績があるか:保険料収入・件数・継続率・目標達成率・社内順位など、成果の具体性を見ている
- 顧客との長期的な関係をどう構築してきたか:契約件数だけでなく、継続率・紹介獲得数・担当顧客数など、関係の質を示す数字を見ている
よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)
パターン①:「保険営業を担当していました」で終わっている
「生命保険の営業を担当し、毎月目標を達成してきました」という記述では、採用担当者には何も伝わりません。どんな顧客層に・どんな商品を・月何件の契約を・どんな継続率で維持してきたかが書かれて初めて、評価の材料になります。
パターン②:契約件数・保険料収入しか書いていない
「年間保険料収入1,500万円達成」だけでは、継続率・紹介獲得数・担当顧客数・商品の幅など、保険営業の本質的な実力が伝わりません。売上の数字はもちろん重要ですが、「どうやってその数字を作ったか」「どれだけ顧客に支持されてきたか」のプロセスも書くことで実力がより明確に伝わります。
パターン③:顧客との関係構築の具体的なエピソードがない
保険営業で最も評価されるのは「顧客からの信頼」です。継続率・紹介件数・長期担当顧客数など、顧客との関係の質を示す数字と、「なぜその数字が出たか」の行動エピソードがセットで書かれていると、一気に説得力が増します。
書き方のポイント|保険営業ならではの伝え方
ポイント①:顧客層・商品・チャネルを明確にする
「個人向け生命保険(死亡・医療・年金)を主に30〜50代の会社員・経営者に提案」「中小企業向け法人保険(経営者保険・福利厚生)を年商1〜10億円規模の企業に提案」のように、顧客層・商品・チャネルを明確に書くことで、採用担当者が業務の全体像をつかめます。
ポイント②:継続率・紹介件数を必ず書く
保険営業において継続率と紹介件数は「顧客からの信頼度」を示す最重要指標です。「契約継続率95%(社内平均88%)」「年間紹介獲得件数20件(担当顧客100名から)」のように、継続率と紹介件数を数字で書くことで、顧客との関係の質が伝わります。
ポイント③:保有資格・MDRTなどの達成歴を明記する
FP技能士(1〜3級)・生命保険募集人・損害保険募集人・MDRT・COT・TOT・TLC(生命保険協会認定FP)など、保有資格と達成実績はスキル欄に必ず記載しましょう。特にMDRT以上の達成歴は、業界内での高い実績の証明として強力なアピールになります。
保険営業ならではの悩みに答える
「保険営業から異業種への転職で、経験をどうアピールすればいい?」
保険営業で培った「ニーズヒアリング力」「数字へのコミット力」「長期的な顧客関係構築力」「提案から契約・フォローまでの一気通貫の経験」は、他業種の営業職・ファイナンシャルアドバイザー・銀行・証券・不動産など多くの職種で直接活きます。「保険営業で培った顧客の信頼を勝ち取る力を、次の職種でも活かしたい」という軸で書くと説得力が増します。
「ノルマが厳しい環境で働いてきたことをどう表現すればいい?」
「厳しいノルマ環境」はネガティブに書くのではなく、「高い目標に向き合い続けた環境で成果を出してきた」という強みに変換しましょう。「月次目標に対して○%の達成率を○年連続で維持」「MDRT基準を○年連続達成」など、厳しい環境で出してきた数字を前面に出すことで、タフさと実行力が伝わります。
例文
例①:生命保険個人営業(経験3年・若手)
大手生命保険会社にて、個人向け生命保険(死亡・医療・就業不能保険)の営業を担当。主に30〜50代の会社員・自営業者を対象に、訪問・紹介による新規開拓を中心に活動。
【業務内容】
・既存顧客・紹介顧客への保険提案・契約手続き
・新規見込み客の発掘(紹介依頼・飛び込み・セミナー集客)
・ライフプランに基づくFPとしての総合的な資産形成提案
・既存顧客のアフターフォロー・見直し提案
・月次の活動計画・目標管理の作成・上長との共有
【実績】
・年間新規契約件数:平均48件(部内目標36件に対して達成率133%)
・年間保険料収入:約1,200万円(入社3年目に達成)
・担当顧客の継続率:93%(部内平均85%を8ポイント上回る水準)
・紹介獲得件数:年間22件(担当顧客約80名から)
・入社2年目にMDRT基準達成
【主な取り組み】
継続率を高めるために、契約後の顧客フォローを「3ヶ月後・1年後・ライフイベント発生時」の3回に分けて実施する仕組みを自分で作った。ライフイベント(結婚・出産・転職・住宅購入)を把握するために、顧客の近況を記録したノートを管理し、タイミングを見て「見直しのご提案」の連絡を入れる習慣をつけた。紹介獲得は「紹介をください」と直接頼むのではなく、アフターフォローの満足度を高めることで自然に紹介していただける関係づくりを意識してきた。
自己PRでのアピールポイント
顧客との長期的な信頼関係を大切にし、継続率93%・年間紹介22件という数字につなげてきた。「契約を取ったら終わり」ではなく「一生涯のパートナー」になる姿勢を持っており、次の職場でも顧客との信頼関係を軸にした営業スタイルで貢献したい。
例②:法人保険営業・チームリーダー(経験7年・中堅)
大手損害保険会社にて、中小企業・オーナー経営者向けの法人保険営業を担当。年商1〜20億円規模の企業を対象に、企業総合保険・経営者保険・福利厚生設計を提案。5年目からはチームリーダーとしてメンバー6名の指導も担当。
【業務内容】
・中小企業・オーナー向けの法人保険(企業総合・経営者保険・損害保険)の提案・契約
・税理士・中小企業診断士・金融機関との連携による紹介ルート開拓
・既存法人顧客(担当約120社)のアフターフォロー・見直し提案・更新管理
・チームメンバー6名の目標管理・同行・育成
・月次・四半期の営業報告・チームKPIの管理
【実績】
・担当法人顧客の年間保険料収入:約3,800万円(目標比118%を4年連続達成)
・担当120社の契約継続率:97%(部内平均90%を7ポイント上回る水準)
・税理士・金融機関からの紹介ルート開拓により、年間紹介件数を15件から35件に拡大
・チームの月間新規契約件数を1年間でチーム平均18件から26件に増加
・入社4年目・5年目・6年目の3年連続でMDRT基準達成
【主な取り組み】
法人営業での紹介ルートを拡大するために、担当エリアの税理士事務所15社への定期訪問を開始し、「保険相談が来た際のパートナー」として関係構築を進めた。税理士向けに「経営者に最低限知っておいてほしい法人保険の基礎知識」という勉強会を年2回主催したことで、紹介の質と件数が大幅に向上した。チーム指導では、メンバー1人ひとりの「得意な顧客層」を把握し、強みが活きる提案スタイルを一緒に整理することで、全員が自分なりのアプローチを持てる状態をつくった。
自己PRでのアピールポイント
法人営業における外部連携ルートの開拓と、チームの数字を動かすマネジメントの両方を経験してきた。「売るだけでなく、紹介ルートを仕組みとして作る」視点と「メンバーの強みを引き出す指導力」を次の職場でも活かしたい。
例③:保険代理店・マネージャー(経験15年・ベテラン)
乗合保険代理店(従業員数約80名・取扱保険会社30社以上)にてマネージャーとして勤務。営業チーム12名のマネジメントと、富裕層・資産家向けのコンサルティング営業を兼務。
【業務内容】
・富裕層・資産家・オーナー経営者向けの資産承継・事業承継・リスクマネジメント提案
・担当顧客(約60名)の生命保険・損害保険・金融商品を組み合わせたコンサルティング
・営業チーム12名のマネジメント(目標設定・評価・採用・育成)
・社内研修プログラムの設計・実施(FP知識・提案力強化)
・保険会社・金融機関・税理士との関係管理・連携強化
【実績】
・担当個人顧客の年間保険料収入:約8,000万円(目標比125%を5年連続達成)
・担当顧客の継続率:98%(代理店平均91%)
・チーム全体の年間保険料収入を2年間で2億4,000万円から3億8,000万円に拡大
・社内研修プログラムの整備により、新人の一人立ちまでの期間を6ヶ月から3ヶ月に短縮
・TOT(Top of the Table)基準を3年連続達成
【主な取り組み】
富裕層向けのコンサルティングでは、保険単体の提案ではなく「資産全体の中での保険の位置づけ」を可視化するライフプラン設計を必ず実施し、顧客が「なぜこの保険が必要か」を納得した上で契約できる流れをつくった。紹介獲得は、顧客から「友人・知人に紹介したい」と思っていただけるサービスの質を追求することを最優先にし、年間紹介件数30件以上を安定的に維持してきた。チームのマネジメントでは、メンバーごとに「得意な顧客層」と「苦手なフェーズ」を把握した上で、月次の個別コーチングと同行訪問でフォローする体制を整えた。
自己PRでのアピールポイント
保険営業の実務から、富裕層向けコンサルティング・チームマネジメント・社内育成体制の構築まで幅広く担ってきた。TOT基準3年連続達成という個人実績と、チームの保険料収入を大幅に拡大したマネジメント実績を合わせ持っており、次の職場でもプレイングマネージャーとして組織の成長に貢献したい。
書き方ステップ
① 担当してきた顧客層・商品・チャネル・担当顧客数をすべて書き出す
② 数字になるものを探す(新規契約件数・保険料収入・継続率・紹介件数・目標達成率・MDRT達成歴など概数でOK)
③ 業務内容・実績・主な取り組みの3ブロックに分けて整理する(業務内容は「何をどんな顧客に提案したか」、実績は「件数・保険料収入・継続率などの数字」、主な取り組みは「なぜその数字が出たか・どう関係構築したか」)
④ 応募先の会社・顧客層・求める人物像に合わせてアピール軸を絞り込む(個人営業重視なら「継続率・紹介件数・顧客との長期関係」、法人営業重視なら「法人顧客数・外部連携ルート・コンサルティング力」を前面に出す)
NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方
失敗①:業務内容が「保険を売っていました」で終わっている
失敗②:契約件数・保険料収入だけが実績になっている
失敗③:顧客との関係構築のエピソードがない
失敗④:資格・MDRT達成歴の記載がない
経験年数別アドバイス
経験3年未満(若手・担当者)
「新規契約件数・継続率・達成率」の数字と「顧客との関係をどう作ってきたか」のエピソードが評価のポイントです。MDRTの達成歴があれば必ず記載しましょう。資格(FP技能士・TLCなど)の取得状況も重要な評価材料になります。
経験3〜10年(中堅・専門担当)
継続率・紹介件数・MDRT達成の継続実績と、後輩指導・外部連携ルートの開拓が評価の軸になります。「担当顧客数・法人顧客の規模」「外部専門家(税理士・会計士・銀行)との連携実績」「後輩への同行・育成経験」を中心に書きましょう。FP1級・CFP・TLCなどの上位資格があれば必ず記載してください。
経験10年以上(ベテラン・リーダー層)
チームマネジメント・富裕層向けコンサルティング・TOT/COT達成実績が最大のアピールポイントです。「チーム人数・保険料収入の拡大実績・育成体制の整備」など、組織全体の営業力を高めてきた経験を中心に書きましょう。個人の実績だけでなく、チームをどう動かしてきたかまで書けると、管理職・マネージャー候補としての評価につながります。
よくある質問
MDRT(Million Dollar Round Table)は生命保険・金融サービス業界の国際的な成績優秀者資格です。達成基準は年間によって異なりますが、業界内では高い実績の証明として広く認知されています。達成歴がある場合は必ず記載しましょう。COT(Court of the Table)・TOT(Top of the Table)はさらに上位の資格で、達成していれば強力なアピールになります。
可能です。保険営業で培った「ニーズヒアリング力」「資産形成提案の経験」「顧客との長期関係構築力」はそのまま金融業界で活きます。FP資格・証券外務員資格の保有状況と合わせて、「顧客の資産全体を見てきた経験」を自己PR欄でアピールしましょう。
「約○%を維持」「部内平均を上回る水準を継続」など概数・定性表現で構いません。正確な数値より「継続率を意識して顧客フォローをしてきた」という姿勢が伝わることが重要です。
「保険営業のスキルが次の職種でどう活きるか」を具体的に書くことが最重要です。「ニーズヒアリング力→顧客課題の把握」「提案力→ソリューション営業」「数字へのコミット力→目標達成への再現性」のように、保険営業の経験を転職先の言葉に変換した自己PRを書きましょう。
経験年数が3年未満であれば1〜2枚、5年以上であれば2〜3枚が目安です。担当顧客層・実績数字・継続率・資格など、保険営業の核心情報を優先して記載し、情報を詰め込みすぎないことが重要です。
まとめ
- 採用担当者は「顧客層・商品・新規件数・継続率・紹介件数」をセットで見ている
- 保険料収入・達成率だけでなく、継続率・紹介件数など「顧客からの信頼」を示す数字を書く
- 「業務内容」「実績」「主な取り組み」の3ブロック構成で書くと読みやすくなる
- MDRT・COT・TOT・FP資格など保有資格と達成実績は必ず記載する
- 「なぜその数字が出たか」の顧客フォロー・関係構築のエピソードを入れる
- 経験年数に応じて「実績数字と顧客との関係構築」「法人営業と外部連携」「マネジメントとコンサルティング力」を使い分ける
保険営業の経験は正しく書けば必ず評価されます。まずは担当してきた顧客数・新規件数・継続率・紹介件数を書き出すところから始めてみてください。

