職務経歴書の書き方

管理栄養士の職務経歴書の書き方|採用担当者が本音で語るチェックポイント

ショクレキ代行
📌 この記事でわかること
  • 採用担当者が管理栄養士の職務経歴書で本当に見ているポイント
  • 担当患者数・食事提供数・栄養指導件数など「数字の出し方」
  • 病院・施設・給食委託・企業・食品メーカーなど職場別の書き方の違い
  • 書類が通らない管理栄養士に共通する失敗パターン
  • 経験年数別(若手・中堅・ベテラン)のアピールポイントの違い
  • NG例・改善例つきで今日から使える書き方を解説

「栄養指導もやって、食数管理もやって、発注もやって……でも何をアピールすればいいかわからない」「病院から施設への転職で、経験をうまく伝えられるか不安」管理栄養士の転職活動でよく聞く悩みです。幅広い業務を担ってきたにもかかわらず、それを採用担当者に伝わる言葉に変換することに慣れていない方がほとんどです。

書類が通らない原因の多くは、「何をしたか」は書けていても「どんな規模の施設で・どんな患者層・利用者層に対して・どんな成果を出したか」が伝わっていないことにあります。採用担当者は管理栄養士の職務経歴書を通じて「現場で即戦力になれる人か」「栄養管理と患者・利用者への貢献をどう実践してきたか」を判断しています。

この記事では、管理栄養士が転職活動で使える職務経歴書の書き方を、具体的な例文・NG例・経験年数別のアドバイスとあわせて解説します。

採用担当は何を見ている?

管理栄養士の採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。

観点内容
どんな職場・対象者での経験があるか病院・施設・給食委託・企業・食品メーカーなど職場の種類と、患者・利用者・健康な一般者など対象者の層を確認している
栄養管理業務の範囲と深さ栄養指導・栄養アセスメント・NST(栄養サポートチーム)参加・食数管理・発注・献立作成など、担当業務の幅と主導の度合いを見ている
数字で語れる実績があるか担当患者数・栄養指導件数・食数規模・改善事例など、成果の具体性を確認している

ポイント

採用担当者の視点:「『栄養指導を担当していました』だけでは判断できない。月何件・どんな疾患・どんな成果が出たかが書いてあると、どんな動き方をする人かがイメージできる。NST参加や特定保健指導の経験も、一言添えるだけで印象が変わる」

よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)

パターン①:「栄養管理業務全般を担当」で終わっている

「病院で栄養指導・献立作成・食数管理を担当していました」という記述では、採用担当者には何も伝わりません。どんな病床規模の病院で・どんな疾患の患者を・月何件の栄養指導を担当し・どんな成果につながったかが書かれて初めて、評価の材料になります。

パターン②:担当業務の列挙で終わっていて成果が見えない

「栄養指導・献立作成・食数管理・発注・NST参加・特定保健指導」と業務名を並べるだけでは、採用担当者には実務の深さが伝わりません。それぞれの業務の規模(件数・食数・担当患者数)と、自分がどう関与したかを書くことで初めて評価の材料になります。

パターン③:多職種連携への関与が書かれていない

管理栄養士は医師・看護師・言語聴覚士・薬剤師・ケアマネジャーなど多職種と連携して動く職種です。「NSTのコアメンバーとして週1回のカンファレンスに参加」「在宅医療チームと連携して訪問栄養指導を実施」のように、多職種連携の中での自分の役割を書くことで、即戦力としての評価につながります。

注意

「実績なんてない」と思っている方へ:担当患者数・月間栄養指導件数・食数規模・特定保健指導の実施件数・NST参加回数など、振り返れば数字になるものは必ずあります。正確な数値でなくても「月平均約15件の栄養指導を担当」「1日約300食の給食管理を担当」程度の概数で十分です。

書き方のポイント|管理栄養士ならではの伝え方

ポイント①:施設の規模と対象者を冒頭に明記する

「400床規模の急性期総合病院にて、糖尿病・腎臓病・がんを中心に入院患者の栄養管理を担当」「定員100名規模の特別養護老人ホームにて、全利用者の栄養アセスメントと食形態の調整を担当」のように、施設規模と対象者を冒頭に書くことで採用担当者が全体像をつかめます。

ポイント②:数字を3種類で探す

管理栄養士の実績を数字で表すには、「規模(担当患者数・食数・指導件数)」「成果(改善率・低栄養改善件数・目標達成率)」「変化(施策前後の比較)」の3軸で考えると出しやすくなります。例えば「月間栄養指導件数:約20件」「低栄養リスク患者の栄養改善率:約65%」「HbA1c改善目標達成率:約70%」などが該当します。

ポイント③:NST・特定保健指導・栄養サポートの専門的な関与を明記する

NST(栄養サポートチーム)のコアメンバー・特定保健指導の実施・在宅訪問栄養指導・NST専門療法士の資格など、専門的な関与の経験は管理栄養士として差別化できる重要なアピールポイントです。具体的な実施件数・成果とあわせて記載しましょう。

管理栄養士ならではの悩みに答える

「病院から施設(特養・デイサービス)への転職で、何をアピールすればいい?」

病院での「疾患別の栄養管理の知識」「医師・看護師との連携経験」「栄養アセスメントのスキル」は、施設でも高く評価されます。「病院での医学的な栄養管理の経験を活かして、施設でも利用者の低栄養・嚥下障害への対応に貢献したい」という方向性で書くと、施設側のニーズとマッチしやすくなります。

「給食委託会社から病院・施設への転職で、臨床経験がないことが不安」

給食委託での「大量調理・食数管理・コスト管理・衛生管理」の経験は、病院・施設でも直接必要とされるスキルです。「給食業務の運営実績に加えて、栄養管理・患者対応のスキルを深めたい」という前向きな転職動機と、取得資格(NST専門療法士の学習中・特定保健指導実施者研修の受講)を合わせてアピールすると好印象です。

例文

例①:急性期病院(経験3年・若手)

400床規模の急性期総合病院にて管理栄養士として勤務。内科・外科・腎臓内科を中心に入院患者の栄養管理・栄養指導を担当。管理栄養士4名体制のうち、一般病棟2フロアを担当。

【業務内容】
・入院患者の栄養スクリーニング・栄養アセスメント(担当患者数:常時約60名)
・疾患別栄養指導(糖尿病・腎臓病・心臓病・術後患者):月平均18件
・入院食・治療食の献立作成・食形態の調整(1日約400食)
・NST(栄養サポートチーム)への参加(週1回のカンファレンス)
・退院前栄養指導・在宅移行支援への関与
・栄養補助食品の選定・発注管理

【実績】
・担当病棟の低栄養リスク患者(MNA-SF 8点以下)の入院中栄養改善率:約62%
・糖尿病栄養指導後のHbA1c改善目標達成率:約68%(3ヶ月後の外来フォロー時確認ベース)
・NST介入患者の経口摂取移行率:約55%(担当期間中の平均)
・退院前栄養指導の実施件数:月平均8件

【主な取り組み】
栄養指導では「患者さんが家に帰ってから実際にできること」を最優先にした提案を心がけた。食事制限の説明より先に「普段どんな食事をしているか」「買い物はどこでするか」をヒアリングし、実生活に即した目標設定をすることで、指導内容の定着率向上につなげた。NSTでは栄養アセスメントの情報を医師・看護師・STと共有し、食形態の変更や経腸栄養の開始タイミングについて栄養士の視点から意見を発信するよう意識した。


自己PRでのアピールポイント
急性期での幅広い疾患の栄養管理経験とNST参加実績を持つ。「患者さんの生活に根ざした栄養指導」を大切にしており、次の職場でも医療チームの一員として患者さんの回復と在宅移行の支援に貢献したい。

例②:介護老人保健施設・管理栄養士(経験6年・中堅)

定員120名規模の介護老人保健施設にて管理栄養士として勤務。全利用者の栄養管理・食形態調整・栄養指導・給食管理を担当。管理栄養士2名体制(うち主任ポジションを4年目から担当)。

【業務内容】
・全利用者(120名)の栄養アセスメント・栄養ケア計画の作成・更新(3ヶ月ごと)
・嚥下機能に応じた食形態の調整(常食・軟食・刻み食・ミキサー食・とろみ付き)
・個別栄養指導・家族への栄養説明(月平均12件)
・給食管理(1日約360食・朝昼夕)・献立作成・発注・在庫管理
・多職種カンファレンス(医師・看護師・介護士・PT・OT・SW)への参加・栄養情報の提供
・調理スタッフ(委託会社)との連携・衛生管理の指導
・後輩管理栄養士1名のOJT指導

【実績】
・担当利用者の低栄養(MNA評価「低栄養」)比率を3年間で22%から14%に改善
・嚥下調整食の適切な食形態設定により、誤嚥性肺炎の発生件数が前年比約30%減少
・給食の残食率を15%から8%に改善(嗜好調査の実施と献立の見直しによる)
・褥瘡発生率の低下に貢献(栄養管理強化後の1年間で発生率が前年比約25%減少)

【主な取り組み】
低栄養改善に向けて、全利用者の体重・アルブミン・食事摂取量を月次でトレンド管理するシートを独自に作成し、変化の早期把握と介入タイミングの最適化を図った。嚥下機能の評価はSTと連携して実施し、食形態の決定を「カンファレンスで多職種が合意した上で行う」フローを定着させた。残食率改善のために利用者への嗜好調査を実施し、「食べたい料理TOP10」を献立に反映することで食事への意欲向上につなげた。


自己PRでのアピールポイント
施設全体の栄養管理を主担当として推進してきた経験と、低栄養・嚥下・褥瘡といった複合的な課題に多職種連携で対応してきた実績がある。「数字で状態を追いかけながら、利用者に合った食事を提供する」姿勢を次の職場でも発揮したい。

例③:特定保健指導・企業健康管理(経験10年・ベテラン)

健康保険組合にて管理栄養士として勤務。特定保健指導の実施・生活習慣病予防プログラムの企画・運営・企業の健康経営支援を担当。管理栄養士3名体制のリーダー。

【業務内容】
・特定保健指導(積極的支援・動機付け支援)の実施(年間約200件)
・生活習慣病予防・メタボ改善プログラムの企画・実施(年4回・参加者各約50名)
・企業向け健康セミナー・食育イベントの企画・講師(年8回)
・管理栄養士チーム3名のリーダー(目標管理・育成・業務調整)
・健康診断データの分析・健康リスク層への介入計画の立案
・産業医・保健師との連携による健康経営支援

【実績】
・特定保健指導の年間実施件数:約200件(目標達成率100%を3年連続)
・積極的支援対象者の腹囲2cm以上減少率:約58%(全国平均約45%を上回る水準)
・生活習慣病予防プログラムの参加者の6ヶ月後のBMI改善率:約42%
・健康セミナーの参加者満足度スコア:4.6/5.0(社内平均3.8を上回る水準)
・チームの特定保健指導の終了率を78%から92%に改善(面談フローの標準化と中断者へのフォロー強化による)

【主な取り組み】
特定保健指導の終了率改善のために、面談フローを「初回面談→中間フォロー(電話・メール)→最終評価」の3ステップに標準化し、中断しやすいタイミングに先手でフォロー連絡を入れる仕組みをチームに定着させた。生活習慣病予防プログラムは「知識を教える」より「参加者が自分の食生活を振り返る」ワークショップ形式に変更し、6ヶ月後の行動変容率と満足度を大幅に向上させた。健康経営支援では、企業の健診データを分析して「リスクの高い層への優先介入計画」を提案し、産業医・保健師との連携介入を実現した。


自己PRでのアピールポイント
特定保健指導の実施から、プログラム企画・チームリーダー・企業健康経営支援まで幅広く担ってきた。「数字で効果を追いかけながら、参加者の行動変容を引き出す」アプローチを体現してきた経験を、次の職場でも活かしていきたい。

書き方ステップ

① これまでの勤務先・対象者(患者・利用者・一般者)・担当業務の範囲をすべて書き出す

② 数字になるものを探す(担当患者数・栄養指導件数・食数規模・低栄養改善率・HbA1c改善率・特定保健指導件数など概数でOK)

③ 業務内容・実績・主な取り組みの3ブロックに分けて整理する(業務内容は「何をどんな対象者に担ったか」、実績は「規模と成果の数字」、主な取り組みは「なぜその結果が出たか・どんな工夫をしたか」)

④ 応募先の施設種別・対象者・求める人物像に合わせてアピール軸を絞り込む(病院なら「疾患別栄養管理・NST参加」、施設なら「低栄養・嚥下対応・多職種連携」、企業・保険組合なら「特定保健指導・生活習慣病予防プログラム」を前面に出す)

NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方

失敗①:業務内容が抽象的で終わっている

NG

病院で栄養管理業務全般を担当していました。患者さんの栄養状態の改善に取り組んできました。

改善後

400床規模の急性期総合病院にて、入院患者(常時約60名)の栄養スクリーニング・栄養指導(月平均18件)・NST参加を担当。低栄養リスク患者の入院中栄養改善率約62%、糖尿病栄養指導後のHbA1c改善目標達成率約68%を実現した。

失敗②:担当業務の列挙で終わっていて成果が見えない

NG

栄養指導・献立作成・食数管理・発注・NST参加・特定保健指導を担当していました。

改善後

月平均18件の疾患別栄養指導(糖尿病・腎臓病・術後患者)と1日約400食の食数管理を主担当として実施。NSTには週1回のカンファレンスにコアメンバーとして参加し、NST介入患者の経口摂取移行率約55%を達成した。

失敗③:多職種連携への関与が書かれていない

NG

チームで連携しながら患者さんの栄養管理に取り組んできました。

改善後

週1回のNSTカンファレンスに管理栄養士として参加し、栄養アセスメント・補助食品の選定・経腸栄養の開始タイミングについて医師・看護師・STと連携して決定。退院前栄養指導ではSWと連携して在宅移行支援にも関与し、月平均8件の退院前指導を実施した。

失敗④:自己PRが気持ちの話だけになっている

NG

患者さんの栄養状態を改善するために、一生懸命取り組んできました。これからも患者さんのために頑張ります。

改善後

「患者さんが家に帰ってから実際にできること」を最優先にした栄養指導を実践してきた。普段の食生活・購買行動のヒアリングを起点に実生活に即した目標を設定したことで、糖尿病栄養指導後のHbA1c改善目標達成率約68%という数字につながった。次の職場でも、数字で効果を追いながら患者さん・利用者の生活に根ざした栄養支援を実践したい。

経験年数別アドバイス

経験3年未満(若手・担当者)

「担当患者数・栄養指導件数・食数規模」と「多職種連携での自分の役割」が評価のポイントです。NST参加・特定保健指導の経験があれば必ず記載しましょう。「患者さんへの指導でどんな工夫をしたか」「NSTでどんな情報を発信したか」など、思考プロセスと能動的な行動を書くことで、管理栄養士としての資質が伝わります。

ポイント

NST専門療法士・糖尿病療養指導士(CDEJ)・在宅訪問管理栄養士などの資格を取得・学習中の場合は必ず記載しましょう。学習意欲のアピールになります。

経験3〜10年(中堅・専門担当)

疾患別の栄養管理の専門性・低栄養改善の実績・多職種連携での主体的な関与が評価の軸になります。「担当した疾患の幅」「改善率・指導件数の継続実績」「後輩管理栄養士へのOJT経験」を中心に書きましょう。NST専門療法士・糖尿病療養指導士・特定保健指導実施者など専門資格があれば必ず記載してください。

経験10年以上(ベテラン・リーダー層)

栄養管理部門のリーダー・プログラムの企画・多職種チームとの連携主導・後進育成が最大のアピールポイントです。「チーム人数・担当患者規模・改善プログラムの参加者数・低栄養改善の数字」など、組織全体の栄養管理力を高めてきた実績を中心に書きましょう。直近5年以内の情報を重点的に記載し、古い情報は概要にとどめることが読みやすさのポイントです。

よくある質問

Q. 職務経歴書はA4何枚が適切ですか?

経験年数が3年未満であれば1〜2枚、5年以上であれば2〜3枚が目安です。担当患者数・栄養指導件数・施設規模など、管理栄養士の核心情報を優先して記載しましょう。

Q. 病院から給食委託・食品メーカーへの転職は可能ですか?

可能です。病院での「疾患別の栄養知識」「栄養アセスメントのスキル」は、食品メーカーの商品開発・マーケティング・企業向け栄養サポートでも活かせます。転職先が求めるスキルと自分の経験をつなぐ言葉を自己PR欄で書きましょう。

Q. NST専門療法士の資格は転職で有利ですか?

有利です。急性期病院・回復期病院への転職では特に評価が高い資格です。「NST専門療法士として○年間、週1回のカンファレンスで○件のNST介入に関与」のように、資格と実務経験をセットで書きましょう。

Q. 栄養指導の件数を正確に覚えていない場合はどうすればいいですか?

「月平均約○件」「年間約○件」など概数で構いません。「約」をつけて書けば問題ありません。

Q. 給食委託から病院・施設への転職で、臨床経験がないことが不安です。

給食委託での「大量調理・食数管理・コスト管理・衛生管理」の経験は病院・施設でも直接必要とされるスキルです。「臨床的な栄養管理を深めたい」という転職動機と、自己研鑽(NST関連の学会参加・資格取得の準備)を合わせてアピールしましょう。

まとめ

  • 採用担当者は「施設規模・対象者・担当業務の範囲・栄養管理の実績」をセットで見ている
  • 担当患者数・栄養指導件数・低栄養改善率・食数規模など、数字になるものは必ず入れる
  • 「業務内容」「実績」「主な取り組み」の3ブロック構成で書くと読みやすくなる
  • NST参加・特定保健指導・多職種連携での役割を具体的に書く
  • 経験年数に応じて「件数と工夫」「専門性と改善実績」「リーダーとプログラム設計」を使い分ける
  • NG例に共通するのは「抽象的・業務名の列挙・気持ちだけの自己PR」の3パターン

管理栄養士の経験は正しく書けば必ず評価されます。まずは担当してきた患者数・栄養指導件数・施設規模を書き出すところから始めてみてください。

梶原
梶原
運営責任者
人事・採用担当として1,000名以上の面接、30社の採用支援に携わった経験をもとに、職務経歴書の作成代行・添削を行っています。 採用側での経験をもとに、評価される書類づくりをサポートしています。「経験はあるのに書類で落ちる」という方に特に支持をいただいています。 これまでのご支援数は370名以上。製造・IT・金融・医療・サービス業など、幅広い業界・職種に対応しております。 職務経歴書の書き方にお悩みの方は、お気軽にご相談ください!
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