微経験Webデザイナーの職務経歴書|制作実績が少ない人の書き方
- 「微経験Webデザイナー」とは何か:実務1〜2年のデザイナーがどんな立場にあるかを整理する
- 採用担当がWebデザイナーの職務経歴書で実際に見ている3つのポイント
- 「制作実績が少ない」「ポートフォリオが薄い」と感じる人が見落としている書ける材料の探し方
- 微経験Webデザイナー向け例文3つ(バナー・LP中心/コーディング含む制作会社/EC運用デザイン):よくある薄い書き方から改善後までを示す
- 「制作実績が少ない」「コーディングはできない」という悩みへの答え
- 書類が通らない人に共通する4つのNGパターンと改善例
「実務1年ちょっとで、バナーとLPを少し作っただけ。これってWebデザイナーとして職務経歴書に書けるレベルなのか」という悩みは、Webデザイナーの転職相談で非常によく出てきます。
Webデザイナーという職種は、会社によって任される業務範囲が大きく異なります。バナー制作だけの会社もあれば、LP制作・コーディング・サイト運用・効果検証まで一人で担う会社もあります。この「業務範囲のばらつき」が、微経験Webデザイナーの職務経歴書を「何を書けばいいかわからない」状態にしてしまう最大の原因です。
書類が通らない原因のほとんどは、制作実績の数そのものではなく、1つの制作物に対する「考え方」を言語化できていないことにあります。採用担当者は「何本作ったか」だけでなく「なぜそのデザインにしたのか、誰のために何を意図したのか」を見ています。
この記事では、まず「微経験Webデザイナー」の対象を整理します。Webデザイナーの求人票では「実務経験2年以上」「ポートフォリオ提出必須」という条件が多く見られます。本記事ではWebデザインの実務経験1〜2年を「微経験」と定義し、制作実績が少ないと感じている方が職務経歴書としてどう書けばよいかを解説します。
| ラベル | 定義 | 職務経歴書の主な課題 |
| 未経験 | 実務経験なし | 書ける制作経験がない |
| 微経験 | Webデザイン実務1〜2年 | 制作実績は少しあるが、何をどこまで書くかわからない |
| 経験者 | 実務経験3年以上 | 経験を絞り込む・再現性を示す |
採用担当は何を見ている?微経験Webデザイナーの評価ポイント

| 採用担当者が確認するポイント | 職務経歴書で伝えるべき内容 |
| ①どんな制作物を、どんな目的で作ってきたか | 制作物の種類・本数・目的(集客・販売・広報など)をセットで書く |
| ②デザインの意図をどこまで考えて作っていたか | 配色・レイアウト・構成の根拠、ターゲットへの意識を具体的に書く |
| ③制作後の振り返りや改善にどこまで関わってきたか | クリック率・コンバージョン率などの数字を見て改善した経験があるかを示す |
書類が通らない微経験Webデザイナーに共通する3つのパターン
パターン①:「デザインを担当しました」とだけ書いて終わっている
「バナー制作を担当」「LPのデザインを担当」と書くだけでは、どんな目的で、何本、どんなツールで作ったのかが伝わりません。
採用担当者が知りたいのは、月にどれくらいの本数を、どんな目的(集客・セール告知・新商品紹介など)で作っていたかです。
パターン②:デザインの意図が一切書かれていない
「おしゃれなデザインを心がけました」と書かれていても、ターゲットや目的に対してどう考えたデザインなのかが伝わりません。配色・フォント・レイアウトの選定理由は、必ず一言添えましょう。
パターン③:制作後の数字(成果)に触れていない
「LPを制作しました」だけで終わると、それが実際に成果を出したのかが分かりません。クリック率・コンバージョン率・PV数など、制作後にどう振り返ったかまで書くことが重要です。
書き方のポイント|微経験だからこそ伝えるべき3つのこと

ポイント①:「作った」より「何のために作ったか」を書く
同じバナー制作の経験でも、「セールバナーを10本制作した」と書くのと、「セール開始の認知向上を目的に、訴求文言とビジュアルパターンを3種類作成し、クリック率の高いパターンを選定した」と書くのでは、評価の伝わり方がまったく異なります。
制作物の種類だけでなく、目的と工夫をセットで書くと厚みが出ます。
ポイント②:デザインの「意図」を一言添える
「配色は会社のブランドカラーである青を基調にした」「ターゲットの年代を意識し、フォントサイズと行間を読みやすく調整した」のように、デザイン上の小さな判断の理由を書くと、思考の深さが伝わります。
意図のない装飾的な説明(「おしゃれに」「かわいく」など)だけで終わらせないことが重要です。
ポイント③:振り返り・改善への関わりを具体的に書く
制作したバナーやLPのクリック率・コンバージョン率を確認した経験があれば、必ず書いてください。「公開後の数字を見て、何が良かったか・悪かったかを考えた」という経験は、デザイナーとしての成長を示す重要な材料です。
GA4(Googleアナリティクス4)やLooker Studioで数字を確認した経験があれば、ツール名も含めて書くと具体性が増します。
微経験Webデザイナーならではの悩みに答える
「制作実績が少なく、ポートフォリオに載せられるものが少ない」
制作実績の数が少ない場合でも、応募できるかどうかは求人票の条件(実務経験が必須か歓迎か)と、自分の経験がどこまで言語化できるかによって変わります。
実績の本数が少ない場合は、1本あたりの制作プロセス(ヒアリング→構成案→デザイン→修正対応→公開後の振り返り)を丁寧に書くことで、本数の少なさを補うことができます。修正依頼にどう対応したか、何回の修正で完成にたどり着いたかなども、立派な経験として書けます。
「コーディングができず、デザインのみの経験しかない」
デザインのみの経験でも、応募する求人がデザイン専任なのか、コーディングまで求める求人なのかによって評価は変わります。コーディングができない場合は、その分デザインの意図や検証への関わりを厚く書くことで十分に補えます。
また、HTML/CSSの基礎を学習中であれば「業務外で学習中」として書くことで、今後の成長余地を伝えられます。デザインツール上で簡単なコーディング(FigmaのDev Mode確認や、STUDIOでの簡易実装など)に触れた経験があれば、それも書いてください。
例文
例①:Webデザイナー(実務1年・バナー・LP制作中心)
ECサイトを運営する事業会社(従業員40名)のマーケティングチーム(3名体制)にて、広告バナーとキャンペーンLPの制作を担当。
◆ Before(よくある書き方)
【業務内容】
・バナーの制作
・LPのデザイン
・画像の加工
【主な取り組み】
・センスを活かして、見やすいデザインを心がけました
◆ After(改善後)
【業務内容】
・広告配信用バナーの制作(Figma・Photoshop、月平均10〜15本)
・キャンペーンLPのデザイン(Figmaでワイヤーフレーム作成からビジュアル制作まで)
・商品画像のレタッチ・加工(Photoshop、月平均30〜40枚)
・公開後のクリック率・コンバージョン率の確認(GA4)
【実績】
・バナーのABテストを実施し、訴求文言を変えた3パターンのうちクリック率が最も高いパターンを採用、平均CTRを1.2%→1.8%に改善
・キャンペーンLPを月1〜2本制作し、公開後のコンバージョン率を毎回確認した上で次回制作に反映
・商品画像のレタッチにおいて、色味の統一ルールを自分で作成し、レビュー時の修正依頼を半減
【主な取り組み】
バナー制作では、クリック率の良かったパターンと悪かったパターンを並べて比較し、訴求文言の位置・配色のコントラストがクリック率に影響していることに気づいた。以降は配色のコントラストを意識して案を複数作るようにした。商品画像のレタッチでは、担当者によって色味の仕上がりが異なっていたため、自分なりの基準(明度・彩度の調整範囲)をメモに残し、判断のばらつきを減らした。
自己PRでのアピールポイント
作って終わりではなく、公開後の数字を見て次の制作に反映する姿勢が身についている。ABテストの結果から仮説を立てて改善する経験は浅いながらも積んできたため、次の職場でもデザインの意図を持って制作に取り組みたい。
例②:Webデザイナー(実務1年半・制作会社・コーディング含む)
Web制作会社(従業員25名)にて、クライアントのコーポレートサイト・LP制作を担当。デザインからHTML/CSSコーディングまで一貫して対応。
◆ Before(よくある書き方)
【業務内容】
・サイトのデザイン制作
・コーディング
・クライアントとの打ち合わせ
【主な取り組み】
・クライアントの要望に応えられるよう努めました
◆ After(改善後)
【業務内容】
・クライアントヒアリングへの同席・要望の整理(月2〜3社)
・コーポレートサイト・LPのデザイン制作(Figma、年間約12案件)
・HTML/CSS/jQueryによるコーディング(WordPressテーマへの組み込みを含む)
・レスポンシブ対応(PC・タブレット・スマホの3画面サイズでの表示確認)
【実績】
・担当した案件12件すべてを納期内に納品し、修正依頼の平均回数を案件あたり4回→2.5回に削減
・レスポンシブ対応において、スマホ表示時のレイアウト崩れを公開前チェックで毎回検出し、公開後の表示崩れに関するクライアントからの指摘をゼロに維持
・自分が制作したLPのうち1案件で、クライアントからの追加発注(同シリーズLP2本)につながった
【主な取り組み】
クライアントヒアリングの際、要望をそのまま受け取るのではなく「なぜそのデザインにしたいのか」という背景を必ず一つ質問するようにした。これにより初回提案での方向性のズレが減り、修正回数の削減につながった。コーディングでは、スマホ表示の崩れを公開前に自分でチェックする項目リストを作成し、確認漏れを防ぐ仕組みを整えた。
自己PRでのアピールポイント
デザインだけでなくコーディングまで一貫して担当してきたため、実装を意識したデザイン提案ができる。クライアントの要望の背景を確認する姿勢を持ち続けてきたことで、修正回数を減らし納期内での納品を継続できた。次の職場でも、要件の背景を理解した上で形にする動き方を続けたい。
例③:Webデザイナー(実務2年・EC運用・UI改善)
アパレル系ECサイトを運営する企業(従業員60名)のEC運用チーム(4名体制)にて、サイト内バナー制作と商品ページのUI改善を担当。
◆ Before(よくある書き方)
【業務内容】
・ECサイトのデザイン更新
・バナー作成
・ページの改善提案
【主な取り組み】
・サイトを見やすくするために工夫しました
◆ After(改善後)
【業務内容】
・サイト内バナー・特集ページのデザイン制作(Figma・Photoshop、月平均8〜10点)
・商品詳細ページのUI改善提案(ヒートマップツール「Microsoft Clarity」を用いた行動分析)
・セール期間中のトップページ・カテゴリページのデザイン更新
・Looker Studioを用いた制作物ごとのCVR・離脱率の集計・レポート作成
【実績】
・商品詳細ページのファーストビューを改善(価格・在庫情報の位置変更)し、ページ滞在時間を平均1.4倍に改善
・ヒートマップ分析で離脱の多いセクションを特定し、レイアウトを変更したことで該当ページのCVRを8%→11%に改善
・セールページのデザインを担当した4回のセール期間中、サイト全体の売上に対するセールページ経由の購入比率を毎回計測し、チームに報告
【主な取り組み】
商品詳細ページの改善では、ヒートマップで「どこまでスクロールされ、どこで離脱しているか」を確認し、価格情報が画面外にあることが離脱要因の一つだと仮説を立てた。実際に位置を変更してから数字の変化を追跡し、仮説が正しかったことを確認した。セールページでは、過去のデザインと売上データを見比べ、視認性の高いレイアウトパターンを自分なりに蓄積していった。
自己PRでのアピールポイント
デザインを感覚で作るのではなく、ヒートマップやアクセス解析の数字をもとに仮説を立てて検証する姿勢が身についている。EC運用の現場で、デザインが売上にどう影響するかを意識して制作してきたため、次の職場でも数字に基づいたデザイン改善に関わりたい。
書き方ステップ

ステップ①:これまで制作した制作物をすべて書き出す
バナー・LP・サイト改修・画像加工など、種類を問わずすべて書き出します。「アピールになるか」は考えず、まずは思い出せる範囲をすべてメモすることが重要です。
ステップ②:制作物ごとに「目的」を書き添える
書き出した制作物に対して、「何のために作ったか」(集客・販売促進・ブランディングなど)を一つずつ書き添えます。目的が分からない制作物は、上司や当時の依頼内容を振り返って整理してください。
ステップ③:数字になるものを探す
制作本数・クリック率・コンバージョン率・滞在時間・修正回数の変化など、制作物に紐づく数字を洗い出します。正確な数値が思い出せない場合は「月平均〇本程度」という概算で構いません。
ステップ④:デザインの意図を振り返る
配色・フォント・レイアウトなど、デザイン上の判断に対して「なぜそうしたか」を振り返ります。感覚で決めていた部分も、振り返ってみると言語化できる理由があるはずです。
ステップ⑤:「目的→工夫→結果」の流れで書き直す
「デザインを担当しました」という記述を、「何のために・どんな工夫をして・どんな結果につながったか」という流れに書き直します。この3点をセットで書くことで、制作実績が少なくても厚みが出ます。
NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方
失敗①:制作物を羅列するだけ
失敗②:デザインの意図が書かれていない
失敗③:経験の浅さを前置きにしてしまう
失敗④:自己PRが抽象的で終わっている
経験年数別アドバイス
実務経験1年前後
バナーや簡単な装飾の制作が中心で、LPやサイト全体の改修にはまだ関わっていない時期です。実績の数字が少なくても、「制作の中でどんな工夫をしたか」「修正対応でどう変化したか」のエピソードが1〜2つあれば十分にアピールになります。
振り返るべき問いは「配色やレイアウトを決める際、何を意識していたか」「修正依頼を受けたとき、どう対応・改善したか」「制作後の数字(クリック率など)を確認した経験はあるか」の3つです。
実務経験1年半〜2年
担当範囲がバナー制作からLP・サイト改修・効果検証へ広がっている時期です。この段階では「担当範囲の変化」と「自発的に改善した経験」を両方書くことが重要です。
「最初はバナー制作のみだったが、今はLP制作やページ全体の改善提案にも関わっている」という変化を明示してください。ヒートマップ分析やABテストの結果をもとに自分から改善を提案した経験も積極的に書きましょう。
よくある質問
本数の多さだけがWebデザイナーの評価基準ではありません。1本あたりの制作プロセスや、デザインの意図、振り返りの経験を中心に書くことで、本数に依らない実績として伝えられます。求人票が「実務経験者歓迎」であれば、応募を検討する価値があります。
求人票の指定に従うのが基本です。多くのデザイナー求人ではポートフォリオの提出が求められますが、職務経歴書には「その制作物をどんな目的・体制で作ったか」という背景情報を書きます。ポートフォリオで見た目を、職務経歴書で考え方を伝える、という役割分担を意識すると書きやすくなります。
Figma、Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、Adobe XD、STUDIO、WordPress、HTML/CSSなどのツールを、業務での使用期間・習熟度とともに整理して書くと伝わりやすくなります。コーディングができない場合は、その旨を明記し「学習中」のツールと混在させないことが重要です。
不利かどうかは、応募する求人がデザイン専任かコーディングまで求めるかによって変わります。デザイン専任の求人であれば問題ありません。コーディングを求める求人の場合は、HTML/CSSを学習中であることを明記し、デザイン側の経験を厚く書くことで補うことができます。
実務経験1〜2年であればA4で2枚程度が目安です。制作物の種類ごとに業務内容・実績・主な取り組みを分けて整理すると、自然に読みやすい分量にまとまります。
まとめ
微経験Webデザイナーの職務経歴書で評価されるのは、制作本数の多さではなく「何のために作り、どう考えて工夫したか」です。
- 「微経験Webデザイナー」とはWebデザイン実務1〜2年。制作実績の少なさより、考え方の深さで補えることが鍵
- 「デザインを担当しました」だけで終わらせず、目的・工夫・結果をセットで書く
- 配色・レイアウトなどデザイン上の判断には、必ず意図を一言添える
- 公開後のクリック率・コンバージョン率など、振り返りへの関わりも実績として書く
- コーディングができない場合も、デザイン側の経験を厚く書けば十分にアピールできる
- 自己PRは抽象的な表現ではなく、具体的な気づきと行動のエピソードで書く
ショクレキでは、ヒアリングをもとに職務経歴書を一緒に作成するサービスを提供しています。「制作実績が少なくて何を書けばいいかわからない」「ポートフォリオと職務経歴書の役割分担がわからない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

