20代作業療法士の職務経歴書|書類通過する書き方パターンと例文
- 20代作業療法士が採用担当者に評価される職務経歴書の書き方
- 経験が浅くても「即戦力候補」として見せる方法
- 担当領域別(身体障害・精神科・発達障害・老年期・訪問リハ)の伝え方
- 担当患者数・改善実績・取得資格を数字で書くコツ
- 経験年数別(1〜2年・3〜4年・5年前後)の書き方の違い
- NG例・改善例つきで今日から使える例文
「作業療法士として臨床経験を積んできたのに、職務経歴書に何を書けばいいかわからない」「特別な実績がない気がする」20代作業療法士の転職活動でよく聞く悩みです。
20代作業療法士の転職市場では「華やかな実績」より「臨床評価の正確性と継続性」「多職種との連携力」「学習姿勢」が評価されます。多くの20代が「業務をこなしているだけ」と思い込み、自分を過小評価した職務経歴書を書いてしまっています。
採用担当者が20代作業療法士に期待しているのは「専門スキルの完成」ではありません。「臨床評価・治療計画の基礎力」「ICF・ADL・IADL 等の臨床指標への理解」「医師・看護師・理学療法士・言語聴覚士・MSW など多職種との協働姿勢」です。この3点を職務経歴書で伝えられれば、経験が浅くても十分に評価されます。
採用担当は何を見ている?
20代作業療法士の採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。
| 観点 | 内容 |
| 担当領域と担当患者数 | 担当領域(身体障害・精神科・発達障害・老年期・訪問リハ)と担当患者数を確認している。「担当患者数1日平均15名」「年間担当延べ約3,500名」のような具体的な数字が判断材料になる |
| 臨床評価・介入手技の習熟度 | ROM・MMT・FIM・Barthel Index・MMSE・HDS-R・GAS(目標達成スケール)等の評価手技、ADL・IADL 訓練、認知機能訓練、上肢機能訓練、就労支援、生活行為向上マネジメント(MTDLP)の経験を確認している |
| 多職種連携・カンファレンス参加経験 | 医師・看護師・理学療法士・言語聴覚士・MSW・ケアマネジャーとの連携、退院前カンファレンス・症例検討会参加経験を確認している |
よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)
パターン①:「リハビリを担当」で終わっている
「整形外科疾患患者のリハビリを担当」では、採用担当者には何も伝わりません。担当領域・担当患者数・主な疾患・実施した評価と介入が書かれて初めて評価材料になります。
パターン②:評価指標・改善実績が書かれていない
20代作業療法士で最も差がつくのは「実施した訓練」より「評価指標による改善」です。「FIM 平均45点→72点(3ヶ月)」「Barthel Index 平均35点→75点」「HDS-R で認知機能の維持を達成」のような具体的な改善が評価されます。
パターン③:多職種連携・症例検討の経験が書かれていない
「自分一人で訓練していました」では組織貢献が見えません。「週1回の退院前カンファレンスで OT 視点での提案を実施」「月1回の症例検討会で年間6症例を発表」のような連携経験は20代でも書くべき重要なアピール材料です。
書き方のポイント|20代作業療法士ならではの伝え方
ポイント①:施設規模・担当領域・担当患者数を冒頭に明記する
「200床規模の急性期総合病院・整形外科病棟担当の作業療法士として、1日平均15名・年間延べ約3,500名の患者対応を実施」のように、施設規模と担当領域を冒頭に書くことで業務のスケール感がつかめます。
ポイント②:評価指標と介入結果をセットで書く
ROM・MMT・FIM・Barthel Index・MMSE・HDS-R・GAS・MTDLP・上肢機能評価(STEF・FMA)・認知機能評価などの評価指標を業務での使い方とセットで書きましょう。
ポイント③:勉強会・研修・資格学習への取り組みを書く
20代作業療法士が差別化できるポイントは「学習姿勢」です。「認定作業療法士取得に向けた研修受講中」「日本作業療法学会で年1回ポスター発表」「MTDLP 推進士研修修了」「ハンドセラピィ認定取得済み」のような取り組みが評価されます。
20代作業療法士ならではの悩みに答える
「特別な実績がない場合、どうアピールすればいい」
特別な実績がなくても「日々の臨床の継続性」と「学習の積み重ね」をアピールできます。「年間延べ3,500名の患者対応をインシデントゼロで継続」「症例検討会で年間6症例発表」のような書き方が評価されます。
「急性期から回復期、回復期から訪問リハへの転換は可能か」
可能です。臨床評価・介入の基礎は領域共通で活きます。応募先と関連する経験(訪問リハ希望なら退院前カンファ・在宅復帰支援、精神科希望なら認知機能訓練・心理社会的アプローチ)を中心に書きましょう。
例文
例①:急性期病院・整形外科担当(経験1年半・第二新卒)
200床規模の急性期総合病院の整形外科病棟にて、作業療法士として勤務。1日平均15名の患者対応を担当。
【業務内容】
・整形外科疾患(橈骨遠位端骨折・上腕骨近位端骨折・肩関節周囲炎・手指腱損傷など)患者の作業療法
・ROM・MMT・STEF(簡易上肢機能検査)・FIM 評価の実施
・ADL 訓練・上肢機能訓練・スプリント作成
・退院前カンファレンスへの参加(週1回)
・多職種連携カンファレンス(医師・看護師・PT・MSW)への参加
【実績】
・担当患者数:年間延べ約3,500名・インシデントゼロ継続(1年半)
・上肢機能改善:STEF 平均45点→72点(術後12週時点・年間50症例)
・ADL 自立度:FIM 平均65点→95点(術後8週時点)
・退院前カンファレンスで OT 視点での提案を毎週実施
・院内症例検討会で年間6症例発表
・取得資格:作業療法士免許(2022年)・ハンドセラピィ認定取得(2024年)・MTDLP 推進士研修修了
【主な取り組み】
入職時から「評価の根拠を言語化する」ことを徹底し、毎症例で介入前評価・介入計画・介入後評価をカルテに記載する習慣をつけた。スプリント作成では先輩 OT の指導を受けながら、橈骨遠位端骨折術後のカックアップスプリントを年間40例担当。退院前カンファレンスでは家屋訪問の写真を持参し、自宅での福祉用具・住宅改修の提案を具体的に行うことを意識した。
自己PRでのアピールポイント
作業療法士として「評価の根拠の言語化」と「多職種連携での具体的提案」を1年半徹底してきた経験を持つ。次の職場でも整形外科・回復期リハの臨床と症例検討に貢献したい。
例②:回復期病棟・脳血管疾患担当(経験3年・中堅手前)
180床の回復期リハビリテーション病院にて、作業療法士として勤務。脳血管疾患患者の担当を中心に、1日平均18単位を担当。
【業務内容】
・脳血管疾患(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)患者の作業療法
・FIM・Barthel Index・MMSE・STEF・FMA・GAS の評価
・ADL・IADL 訓練・上肢機能訓練・高次脳機能訓練
・家屋訪問・退院前カンファレンスの主催
・MTDLP(生活行為向上マネジメント)の実践
【実績】
・担当患者数:年間延べ約4,500名・在宅復帰率85%以上を3年連続維持
・FIM 改善:平均入院時55点→退院時95点(年間60症例)
・上肢機能改善:FMA 平均35点→58点(年間30症例)
・MTDLP 実践:年間20症例で目標達成度(GAS)+1以上を達成
・院内勉強会の主催:月1回・年間36回
・取得資格:作業療法士免許・MTDLP 推進士・認知症ケア専門士・日本作業療法学会で年1回ポスター発表
【主な取り組み】
回復期 OT として「在宅復帰の質」にこだわった。MTDLP では患者本人・家族の希望する生活行為を聴取し、達成度を数値化することで訓練の方向性を可視化した。家屋訪問では建築会社・福祉用具業者と連携し、住宅改修の費用感まで含めた提案を実施。AI 活用ではChatGPT を症例レポートのドラフト作成・文献検索の補助に活用している。
自己PRでのアピールポイント
回復期 OT として「MTDLP による生活行為の可視化」「家屋訪問・退院後フォロー」を3年間追求してきた経験を持つ。次の職場でも回復期・地域包括ケア領域での臨床と多職種連携に貢献したい。
例③:訪問リハ・サブリーダー候補(経験5年・20代後半)
訪問看護ステーション併設の訪問リハ事業所にて、作業療法士として勤務。3年目から後輩2名のOJT 指導も担当。
【業務内容】
・在宅高齢者・神経難病・脳血管疾患後遺症の訪問リハ
・月間訪問件数約80件・担当利用者約25名
・ケアマネジャー・主治医・訪問看護師との連携
・サービス担当者会議への参加・OT 視点での提案
・後輩 OT 2名のOJT 指導・同行訪問
【実績】
・担当利用者:年間延べ約960件・転倒事故ゼロを5年継続
・ADL 維持・改善:Barthel Index 維持率90%以上を3年継続
・ケアマネジャーからの新規依頼数:自身担当分が事業所内最多を3年継続
・神経難病(パーキンソン病・ALS)の在宅支援:年間8症例担当
・後輩2名の育成:両名が独立して訪問担当できるレベルに成長
・取得資格:作業療法士免許・MTDLP 推進士・認知症ケア専門士・福祉住環境コーディネーター2級・パーキンソン病サポート研修修了
自己PRでのアピールポイント
訪問リハ サブリーダー候補として「在宅生活の継続支援」「神経難病対応」「後輩育成」を5年間追求してきた経験を持つ。次の職場でも訪問リハ・地域包括ケア領域での臨床と人材育成に貢献したい。
書き方ステップ
① 担当領域・担当患者数・施設規模を書き出す
アピールになるかはこの段階では考えなくてOKです。まず全部並べることで、後から数字化・アピール化できるポイントが見えてきます。
② 数字を3軸で探す(担当量・改善・継続性)
担当量・改善・継続性などを洗い出します。正確な数値でなく概数・変化率でOKです。まず全部書き出してから取捨選択しましょう。
③ 評価指標と介入結果をセットで整理する
ひとつひとつ丁寧に整理することで、採用担当者に「即戦力」として伝わる職務経歴書に近づきます。
④ 多職種連携・症例検討経験を1〜2件詳しく書く
他部署・他職種との連携経験は、採用担当者が組織適応力を判断する重要な材料です。「誰と・どんな目的で・どう連携したか」を具体的に整理しましょう。
⑤ 取得資格・研修受講と業務での活用を書く
NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方
失敗①:担当業務の抽象的な記述
失敗②:評価指標の使用が見えない
失敗③:症例検討・多職種連携が見えない
失敗④:学習姿勢が書かれていない
経験年数別アドバイス
経験1〜2年(第二新卒・若手)
「評価の言語化」「学習継続」が最大のアピールポイントです。スプリント作成・上肢機能訓練・ADL 訓練など得意とする介入手技を明確にし、研修受講・資格学習を積極的に記載しましょう。
経験3〜4年(中堅手前)
「複数領域経験」「症例発表実績」「家屋訪問・退院支援の質」が評価の軸になります。MTDLP 実践数・GAS 達成度などの数値を必ず記載しましょう。
経験5年前後(20代後半)
「サブリーダー・OJT 指導としての実績」「訪問リハ・地域連携の経験」「神経難病・小児・精神科など特殊領域経験」が評価の軸になります。
よくある質問
可能です。臨床評価の基礎は共通です。応募先と関連する経験(在宅復帰支援・MTDLP・家屋訪問など)を中心に書きましょう。
必須ではありませんが、20代で取得を目指している姿勢は評価されます。日本作業療法士協会の生涯教育制度・認定作業療法士・専門作業療法士の取得状況を記載しましょう。
「現在検証中」「業務での活用方法を模索中」のレベルで書くだけで採用担当者の懸念は和らぎます。
可能です。病院での退院前カンファレンス・家屋訪問経験を中心に書きましょう。福祉住環境コーディネーターなどの資格があると評価が高まります。
1〜2枚が目安です。
まとめ
- 採用担当者は20代作業療法士に「臨床評価の正確性」「多職種連携」「学習姿勢」を求めている
- 担当領域・施設規模・担当患者数を冒頭に明記する
- 評価指標は「使用経験あり」ではなく「介入前後の数値変化」で書く
- 改善実績(FIM・Barthel Index・STEF・FMA・GAS)を必ず書く
- 取得資格と業務での活用方法をセットで記載する
- 多職種連携・症例検討会の経験を具体的に書いて差別化する
20代作業療法士の経験は「評価の言語化と継続的成長」として必ず評価されます。
ここまで読んで「書き方の型はわかったけれど、いざ自分のことになると手が止まる」と感じた方もいるかもしれません。職務経歴書は、自分の経験を客観的に整理する作業がいちばんの壁です。
ショクレキでは、採用・キャリア支援の経験者がヒアリングをもとに、あなたの経験を一緒に言語化して職務経歴書として仕上げます。書類選考が通らずに悩んでいる方も、自分では気づいていない強みが見つかることが多いので、まずはお気軽にご相談ください。

