20代UI/UXデザイナーの職務経歴書|採用担当が見るポイントと書き方
- 20代UI/UXデザイナーが採用担当者に評価される職務経歴書の書き方
- 経験が浅くても「即戦力候補」として見せる方法
- 担当プロダクトの規模・改善実績・数字での成果の伝え方
- ポートフォリオと職務経歴書の役割分担と連動のさせ方
- 経験年数別(1〜2年・3〜4年・5年前後)の書き方の違い
- NG例・改善例つきで今日から使える例文
「UI/UXデザイナーとして実務経験は積んできたのに、職務経歴書に何を書けばいいかわからない」「担当プロダクトが小規模で、アピールポイントが弱いと感じる」20代UI/UXデザイナーの転職活動でよく聞く悩みです。
20代UI/UXデザイナーの転職市場では「経験の深さ」より「成長の速さ」「数字で改善した実績」「プロダクト思考の有無」が評価されます。しかし多くの20代が「まだ大規模プロダクトを担当していない」「ジュニア相当で書けることが少ない」と思い込み、自分を過小評価した職務経歴書を書いてしまっています。
採用担当者が20代UI/UXデザイナーに期待しているのは「完成されたデザイナー」ではありません。「数字で結果を追う姿勢」「PM・エンジニアと協働できる素地」「ユーザー視点で考える習慣」です。この3点を職務経歴書で伝えられれば、経験が浅くても十分に評価されます。
採用担当は何を見ている?
20代UI/UXデザイナーの採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。
| 観点 | 内容 |
| 担当プロダクトの規模と関わり方 | 担当してきたサービスのMAU・DAU・売上規模・チーム体制を確認している。「月間100万MAUのToCアプリの新機能UIを担当」と「社内向け管理画面のUI改善を担当」では評価軸が異なる。「どんなプロダクトに、どこまで深く関わったか」が起点 |
| 改善実績を数字で示せるか | CVR・離脱率・タスク完了率・NPSなどUI/UXデザイナー特有のKPI改善実績を確認している。「デザイン改善でCVRが2.1%→3.4%に向上」のように、数字で改善を語れるかが20代の差別化ポイント |
| PM・エンジニアとの協働経験 | 要件定義への参加・エンジニアへの仕様伝達・ユーザビリティテスト主催など、デザインだけでない動き方を確認している。一人で完結するデザイナーより「チームを動かせるデザイナー」が評価される |
よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)
パターン①:「UI/UXデザインを担当」で終わっている
「自社サービスのUI/UXデザインを担当してきました」という記述では、採用担当者には何も伝わりません。担当プロダクトの規模(MAU・売上)、関わったフェーズ(要件定義・ワイヤー・UI設計・プロトタイプ・デザインシステム)、デザイン改善で得られた数字が書かれて初めて評価材料になります。
パターン②:使用ツールを並べるだけで実務レベルが伝わらない
「Figma・Adobe XD・Sketch・Photoshop・Illustrator」と並べるだけでは、どのツールでどんな業務をしてきたかが判断できません。「Figma(業務2年・デザインシステム構築・Auto Layout を用いたコンポーネント設計)」「Photoshop(業務3年・バナー・OG画像のリタッチ)」のように、ツールごとに使い方を書くことが重要です。
パターン③:施策の背景・判断プロセスが書かれていない
20代UI/UXデザイナーで最も差がつくのは「何を作ったか」より「どう考えて作ったか」です。「会員登録フローのUIを改善した」だけでなく「ヒートマップ分析で離脱が集中している箇所を特定。フォーム項目の順序入れ替えと入力補助の追加でフォーム完了率を42%→68%に改善」のような判断プロセスが書けるかが評価の分かれ目です。
書き方のポイント|20代UI/UXデザイナーならではの伝え方
ポイント①:担当プロダクトの規模・チーム体制・自分の役割を冒頭に明記する
「月間100万MAUのToC向け家計簿アプリの新機能UI設計・既存画面UX改善を担当。チーム体制:PM1名・デザイナー2名(うち自分はジュニア)・エンジニア6名」のように、プロダクトの規模・チーム体制・自分の役割を冒頭に書くことで業務のスケールがつかめます。
ポイント②:成果を3軸の数字で書く
ユーザー指標(タスク完了率・離脱率・直帰率・滞在時間)、ビジネス指標(CVR・LTV・解約率・売上貢献)、デザインプロセス指標(リリース数・デザインシステム整備率・PR対応数)の3軸で書くことで、UI/UXデザイナーとしての総合力が伝わります。
ポイント③:ポートフォリオと職務経歴書を連動させる
20代UI/UXデザイナーの転職では、ポートフォリオと職務経歴書のセット提出が一般的です。職務経歴書では「担当プロダクトの概要・自分の役割・改善実績の数字」を記載し、ポートフォリオで「具体的なデザインプロセスとアウトプット」を見せる役割分担が効果的です。職務経歴書にポートフォリオURLを必ず記載し、職務経歴書の各案件とポートフォリオの該当項目が対応するように整理しましょう。
20代UI/UXデザイナーならではの悩みに答える
「Webデザイナー出身でUXまでの経験が浅い」
Webデザイナーからに広げていく動きは、20代の自然なキャリアパスとして評価されます。「Webデザイナーとして培ったビジュアル力 + 直近で取り組んだユーザーリサーチ・ユーザビリティテスト・データドリブンな改善」の組み合わせで書きましょう。「UXに関心を持ってから取り組んだこと」を具体的に書く(書籍・ワークショップ・社内勉強会・小さなUX改善案件)ことで、転換意欲が伝わります。
「受託制作中心で、プロダクトデザインの経験が浅い」
受託制作の経験は「複数業界・複数フェーズへの適応力」として評価されます。「受託で多様なプロダクトに関わった経験を、自社プロダクトの長期改善に活かしたい」という前向きな動機を自己PRに書きましょう。受託案件でも「クライアントのKPI改善に貢献した数字」「ユーザビリティテストの実施経験」があれば積極的にアピールできます。
例文
例①:自社プロダクトUIデザイナー(経験1年半・第二新卒)
従業員数約60名のBtoB SaaS企業(営業支援ツール提供)にて、UIデザイナーとして勤務。チーム体制:PM2名・デザイナー2名(うち自分はジュニア)・エンジニア8名。
【業務内容】
・自社プロダクトの新機能UI設計(Figma 使用・月平均3〜4機能担当)
・既存画面のUX改善・ユーザビリティテストの実施(四半期に1回)
・デザインシステム整備(Auto Layout・Variables を用いたコンポーネント設計)
・エンジニアへのデザイン仕様の引き継ぎ・実装レビュー
・カスタマーサクセス部門からのユーザーフィードバックの集約・改善案の起案
【実績】
・新機能リリース:1年半で12機能のUI設計を担当(全件予定スケジュール内リリース)
・主要画面のCVR改善:商談登録フローでCVRを18%→27%に改善
・ユーザビリティテストを起点としたUX改善:4件の主要改善でNPSを+12pt 向上
・デザインシステム構築:基本コンポーネント85個を整備し、新機能デザイン制作時間を平均30%短縮
・入社1年目に社内「ベストルーキー賞」を受賞
【主な取り組み】
入社時にデザインシステムが未整備で、機能ごとにUIにばらつきがあった。基本コンポーネント(ボタン・フォーム・テーブル・モーダル)から優先順位を付けて整備を開始。Figma の Auto Layout・Variables を活用してエンジニアが実装しやすい構造で設計し、ハンドオフ時の質問数を1機能あたり平均8回→2回に減らした。商談登録フローの改善では、ユーザビリティテスト3回 + ヒートマップ分析(Hotjar)でユーザーの迷いポイントを特定し、入力フォームの分割・入力補助の追加でCVRを大幅改善した。
自己PRでのアピールポイント
ジュニアながら新機能UI設計とデザインシステム整備を並行して担当し、CVR・NPS・制作効率の3軸で改善を継続してきた経験を持つ。「数字でデザインを語る」スタイルで、次の職場でもプロダクト改善とデザイン基盤整備の両面で貢献したい。
例②:ToC向けアプリUI/UXデザイナー(経験3年・中堅手前)
従業員数約200名のToC向けエンタメアプリ運営会社にて、UI/UXデザイナーとして勤務。担当プロダクト:MAU約400万人のスマホアプリ。チーム体制:PM3名・デザイナー4名(うち自分はミドル)・エンジニア18名。
【業務内容】
・アプリ新機能のUI/UX設計・プロトタイプ作成(Figma・ProtoPie 使用)
・ユーザーインタビュー・ユーザビリティテストの企画・実施(月1〜2回)
・デザインシステム運用・改善(既存基盤あり、自分はメンテナンスと拡張を担当)
・A/Bテスト設計・効果測定(PdMと協働、データアナリストと連携)
・後輩デザイナー1名のメンタリング(3年目以降)
【実績】
・担当機能のリリース:3年間で大型機能8件・小型改善30件以上を担当
・課金フロー改善:購入完了率を3.8%→6.2%に改善(年間推定売上影響約8,000万円)
・ホーム画面UI改修:DAUを直近3ヶ月平均で12%向上
・ユーザビリティテスト主導:累計60名のユーザーへのテスト実施・知見の社内ナレッジ化
・後輩メンタリング:1名が独り立ちまでの期間を従来5ヶ月→3ヶ月に短縮
【主な取り組み】
課金フロー改善は「ユーザーが何に迷っているか」の可視化から始めた。ユーザビリティテスト10名 + アプリ内行動分析(Amplitude)で「料金プランの違いがわからない」「決済時の不安」の2点が主要課題だと特定。プラン比較表の構造化、決済前の確認画面の信頼シグナル追加(プライバシー・解約方法の明示)でCVRを大幅改善した。デザインシステムでは、Variables を用いたダークモード対応・複数言語対応を整備し、グローバル展開時の制作工数を約60%削減した。
自己PRでのアピールポイント
ToC向け大規模アプリで、ビジネスKPIに直結するUX改善を継続してきた経験を持つ。ユーザビリティテストとデータ分析を組み合わせた「定性 × 定量」両軸でUXを改善するスタイルで、次の職場でもプロダクト改善に即戦力で貢献したい。
例③:プロダクトデザイナー・サブリーダー候補(経験5年・20代後半)
従業員数約100名のスタートアップ(BtoB SaaS・ARR約20億円)にて、プロダクトデザイナーとして勤務。デザインチーム5名のサブリーダー兼プレイヤー。直近2年は新機能領域のリードデザイナーとPM・エンジニアチームの仕様策定にも参画。
【業務内容】
・自社プロダクトの新機能領域(顧客管理モジュール)のリードデザイナー
・機能仕様策定・要件定義・PRDレビューへの参加
・デザインシステム(Atomic Design 構造)の運用統括
・ユーザーリサーチ計画の策定・実施・社内共有
・後輩デザイナー2名のメンタリング・週次レビュー
【実績】
・担当領域のチャーン率改善:新UI移行後、対象ユーザーセグメントの解約率を月8.2%→4.5%に改善
・オンボーディング画面改修:新規ユーザーの初回機能利用率を52%→78%に向上
・デザインシステム運用:3年間で基本コンポーネント120個を整備、全画面のシステム適用率を92%まで引き上げ
・ユーザーリサーチ:月平均8名のユーザーインタビューを継続実施・知見をプロダクト戦略会議で共有
・後輩2名の育成:両名が機能領域を独立してリードできるレベルに成長
【主な取り組み】
チャーン率改善の核心は「離脱の前段階の兆候を捉える」ことだった。プロダクト内行動データから「機能Aを使い始めて2週間以内に機能Bにたどり着けないユーザーは解約率が3倍」という相関を発見し、機能Aから機能Bへの導線UIをホーム画面・通知・空状態の3箇所で改善した。デザインシステム運用では、エンジニアと共同でデザインTokens の運用を整備し、デザイン更新からエンジニア実装までのリードタイムを平均5日→1.5日に短縮した。
自己PRでのアピールポイント
プロダクトデザイナーとして、ビジネスKPIへの直接貢献(チャーン率改善・初回機能利用率向上)とデザイン基盤の継続改善を両立してきた経験を持つ。PM・エンジニアと連携しながらプロダクト戦略レイヤーから関わるスタイルで、次の職場でもプロダクト全体の体験向上に貢献したい。
書き方ステップ
① 担当してきたプロダクトをすべて書き出す
プロダクト名・期間・MAU/DAU/売上規模・チーム体制・自分の担当領域・使用ツール・関わったフェーズ(要件定義・UI・UX・プロトタイプ)を書き出します。
② 数字での改善実績を3軸で探す
ユーザー指標(タスク完了率・離脱率・直帰率)、ビジネス指標(CVR・解約率・売上)、デザインプロセス指標(リリース数・制作時間短縮)の3軸で探します。正確でなくても概数で構いません。
③ 担当領域の変化を時系列で整理する
「1年目はバナー・LP制作中心→2年目から新機能UI設計→3年目で要件定義参加」のように、担当領域の拡大を時系列で整理します。20代の成長スピードを示す核心です。
④ ポートフォリオと連動できる形で整理する
職務経歴書の各案件と、ポートフォリオの該当項目が対応するように整理します。職務経歴書にポートフォリオURLを必ず記載し、案件名・期間・規模を統一しましょう。
⑤ 業務内容・実績・主な取り組みを3ブロックで整理する
「何をしていたか」「どんな成果が出たか」「なぜ成果が出たか」の3ブロックに分けて整理します。デザイン判断・ユーザー理解の工夫は取り組みブロックに書きましょう。
NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方
失敗①:担当業務の抽象的な記述
失敗②:使用ツールの羅列
失敗③:施策の判断プロセスが見えない
失敗④:チームでの動きが見えない
経験年数別アドバイス
経験1〜2年(第二新卒・若手)
「担当プロダクトの規模」と「短期間での担当領域の拡大」が最大のアピールポイントです。大きな実績がなくても「入社○ヶ月で任された範囲が広がった」「担当機能の数が○件→○件に増えた」という成長の変化を書くことで評価されます。
経験3〜4年(中堅手前)
「ユーザーリサーチ・データ分析を組み合わせたUX改善」「デザインシステム運用」「PM・エンジニアとの仕様策定への参画」が評価の軸になります。数字の継続的な改善に加えて、プロセスの仕組み化・ナレッジ共有の経験を書くことで差別化できます。
経験5年前後(20代後半)
「サブリーダー・リードデザイナーとしての実績」「デザインシステムの運用統括」「機能領域のオーナーシップ」「後輩のメンタリング」が評価の軸になります。30代に近づくにつれ「個人施策の成果」より「チーム・組織単位の成果」が求められ始めます。
よくある質問
まとめ
- 採用担当者は20代UI/UXデザイナーに「成長スピード」と「数字でデザインを語る姿勢」を求めている
- 担当プロダクトの規模(MAU・売上・チーム体制)を冒頭に明記する
- 成果はユーザー指標・ビジネス指標・プロセス指標の3軸で書く
- ツールは「使用経験」ではなく「何にどう使ったか」で書く
- 施策の判断プロセス(なぜそのデザインにしたか)を1〜2件詳しく書く
- ポートフォリオと職務経歴書を連動させ、各案件が照合できる構成にする
20代UI/UXデザイナーの経験は「成長スピードと数字での改善実績」として必ず評価されます。まずは担当プロダクトの規模・関わったフェーズ・改善実績の数字を書き出すところから始めてみてください。

