30代作業療法士の職務経歴書|採用担当が見るポイントと書き方
- 30代作業療法士が転職市場で評価される職務経歴書の書き方
- 「即戦力」として見せるための専門性・症例数・後輩育成経験の伝え方
- 複数領域・多職種連携の書き方
- 30代転職で必ず問われる「なぜ今転職するか」への対処法
- 経験年数別(7〜8年・10年前後)の書き分け方
- NG例・改善例つきで今日から使える例文
「作業療法士として10年近く臨床経験を積んできたが、職務経歴書でどう差別化すればいいかわからない」「複数領域の経験はあるが、何を強みとして書くべきか悩む」30代作業療法士の転職活動でよく聞く悩みです。
30代作業療法士の転職市場は、地域包括ケアシステム・介護報酬改定・ICT 化の進化で評価軸が大きく変わりました。採用担当者は「なぜ今転職するのか」「どの専門領域に深さがあるか」「後輩育成・チームに貢献できるか」の3点を職務経歴書から読み取ろうとしています。
20代は学習姿勢が評価の中心ですが、30代では「症例の質と量・専門領域の深さ」「後輩育成・症例検討リード」「複数施設・多職種・地域との連携」が中心になります。
採用担当は何を見ている?
30代作業療法士の採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。
| 観点 | 内容 |
| 専門領域の深さと症例数 | 担当してきた領域(身体障害・精神科・発達障害・老年期・訪問リハ)と症例数を確認している。1領域に5年以上専従していると専門性が認められる |
| 症例検討・後輩育成の再現性があるか | 症例検討会のリード経験・OJT 指導経験・勉強会主催経験を確認している |
| 多職種・地域との連携経験があるか | 医師・看護師・PT・ST・MSW・ケアマネジャー・行政との連携、退院前カンファレンスのリード、地域ケア会議への参加経験などを確認している |
よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)
パターン①:症例数だけで「専門性」が伝わらない
「年間延べ4,500名担当」だけでは、その業務がどの領域に深さがあるか分かりません。30代では「症例数」だけでなく「特定領域での専門的介入(手指機能訓練・高次脳機能訓練・MTDLP・認知症ケアなど)」まで書くことで、専門性が伝わります。
パターン②:転職理由が後ろ向きに見える
「より急性期で多様な疾患を経験したい」「訪問リハで地域包括ケアに貢献したい」「認定作業療法士として教育部門で関わりたい」という前向きな理由を自己PR欄に明確に書きましょう。
パターン③:認定資格・学会発表への取り組みが書かれていない
10年近く臨床をしてきた30代こそ、認定作業療法士・専門作業療法士・MTDLP 推進士・ハンドセラピィ認定・学会発表への取り組みを明示することが重要です。
書き方のポイント|30代作業療法士ならではの伝え方
ポイント①:施設規模・担当領域・症例累計数を冒頭に明記する
「500床規模の急性期総合病院・回復期リハ病棟(60床)担当の作業療法士として、脳血管疾患・整形外科疾患を中心に担当。1日平均20単位・年間延べ約5,000名の患者対応。症例累計約3万件」のように、規模と専門性を冒頭に書きましょう。
ポイント②:「複数ステークホルダーとの協働経験」を書く
「退院前カンファレンスのリード」「地域ケア会議への参加・OT 視点での提案」「家屋訪問・住宅改修の主導」のような記述が評価されます。
ポイント③:「なぜ症例改善ができたか」の再現性を書く
「FIM 平均45点→90点を3ヶ月で達成できたのは、初回評価時に MTDLP で患者本人の希望生活を聴取し、訓練目標を生活行為単位で具体化したこと、家族と週1回の進捗共有を実施したことが要因」のように、思考プロセスを書きましょう。
30代作業療法士ならではの悩みに答える
「複数領域経験があるが、専門性として書きにくい」
「急性期5年+回復期5年で、急性期からの一貫した予後予測ができる」のような書き方が有効です。
「主任・リーダー経験がないが、30代での転職は不利か」
「症例検討会リード」「勉強会主催」「OJT 指導」「マニュアル整備」は十分アピールになります。
例文
例①:急性期病院・脳血管疾患専門担当(経験7年・30代前半)
500床の急性期総合病院・脳卒中センターにて、作業療法士として勤務。脳血管疾患専従7年。1日平均20単位・年間延べ約5,000名の患者対応。
【業務内容】
・脳血管疾患(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)患者の超急性期〜急性期作業療法
・FIM・Barthel Index・MMSE・HDS-R・FMA・STEF・SIAS の評価
・ADL 訓練・上肢機能訓練・高次脳機能訓練
・急性期病棟での早期離床・ADL 自立支援
・後輩 OT 4名のOJT 指導・症例検討会リード
・退院前カンファレンスへの参加・回復期病院との連携
【実績】
・担当患者数:年間延べ約5,000名・症例累計約3万件
・FIM 改善:平均入院時35点→急性期終了時65点(年間60症例)
・早期離床達成率:脳卒中発症後72時間以内の離床率を80%→95%に改善
・後輩 OT 4名のOJT を担当・全員が独立して脳血管疾患症例を担当できるレベルに育成
・学会発表:日本作業療法学会・脳卒中学会で年2回ポスター発表(直近5年で10回)
・取得資格:作業療法士免許・認定作業療法士(2024年取得)・MTDLP 推進士・脳卒中認定作業療法士
【主な取り組み】
脳卒中専従 OT として「早期離床」と「予後予測の精度」に最も注力した。早期離床では医師・看護師との毎朝のラウンドで離床可否を判断するフローを整備した結果、72時間以内の離床率が大幅に改善した。AI 活用ではChatGPT・Claude を症例レポートのドラフト作成・文献検索の補助に統合し、業務効率を約30%向上させた。
例②:回復期病院・主任候補(経験10年・30代後半)
180床の回復期リハビリテーション病院にて、作業療法士として勤務。OT 12名のサブマネジメントを担当。
【実績】
・担当患者数:年間延べ約4,500名(自身分)
・在宅復帰率:85%→92%に向上(5年継続)
・平均在院日数:65日→52日に短縮
・MTDLP 院内実施率:30%→85%に拡大
・チーム12名の育成:3名が認定作業療法士取得
・取得資格:認定作業療法士・専門作業療法士(手外科)・MTDLP 推進士
書き方ステップ
① 担当領域・症例累計数・施設規模を書き出す
アピールになるかはこの段階では考えなくてOKです。まず全部並べることで、後から数字化・アピール化できるポイントが見えてきます。
② 専門領域での介入実績・改善数値を3軸で探す
この3つに分けるだけで、採用担当者にとって格段に読みやすい職務経歴書になります。どのブロックに入れるか迷う内容は「主な取り組み」に入れましょう。
③ 代表的な施策(MTDLP 推進・OJT 指導など)を2件整理する
ひとつひとつ丁寧に整理することで、採用担当者に「即戦力」として伝わる職務経歴書に近づきます。
④ 多職種・地域連携経験を整理する
他部署・他職種との連携経験は、採用担当者が組織適応力を判断する重要な材料です。「誰と・どんな目的で・どう連携したか」を具体的に整理しましょう。
⑤ 認定資格・学会発表・AI 活用を整理する
使用したツール・ソフト・資格を整理します。ツール名と「どんな業務で使ったか」をセットで書くと即戦力としての印象が高まります。
⑥ 転職理由を前向きに整理する
「なぜ今転職するのか」「次の職場で何を実現したいか」を一文で言語化します。後ろ向きな表現を避け、前向きな文脈で整理して自己PR欄の末尾に添えましょう。
⑦ 業務内容・実績・主な取り組みを3ブロックで整理する
NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方
失敗①:症例数だけで専門性が見えない
失敗②:転職理由が後ろ向き
失敗③:多職種連携の経験が書かれていない
失敗④:認定資格・学会発表への取り組みが書かれていない
経験年数別アドバイス
経験7〜8年(30代前半)
「専門領域の深さと症例数」「OJT 指導経験」「他職種との協働実績」が評価のポイントです。
経験10年前後(30代後半)
「サブマネージャー・主任候補としての実績」「MTDLP 推進・委員会活動」「専門作業療法士・著書執筆」が評価の軸になります。
よくある質問
可能です。応募先と関連する経験を中心に書きましょう。
可能です。「症例検討会リード」「勉強会主催」「OJT 指導」は十分アピールになります。
単純作業は減る可能性がありますが、「臨床推論・多職種連携・地域連携」を担う作業療法士への需要は今後10年以上続きます。
まとめ
- 採用担当者は30代作業療法士に「専門領域の深さ」「後輩育成・症例検討の再現性」「多職種・地域との協働」を求めている
- 症例数より「特定領域での介入の深さ・改善実績」で専門性を示す
- 認定資格・学会発表・AI 活用への対応を必ず書く
- 転職理由は必ず前向きな表現で書く
30代作業療法士のキャリアは「専門性と組織貢献を両立できる作業療法士」として最も評価される年代です。
ここまで読んで「書き方の型はわかったけれど、いざ自分のことになると手が止まる」と感じた方もいるかもしれません。職務経歴書は、自分の経験を客観的に整理する作業がいちばんの壁です。
ショクレキでは、採用・キャリア支援の経験者がヒアリングをもとに、あなたの経験を一緒に言語化して職務経歴書として仕上げます。書類選考が通らずに悩んでいる方も、自分では気づいていない強みが見つかることが多いので、まずはお気軽にご相談ください。

