マーケティングの職務経歴書の書き方|採用担当が見るポイントと例文
- 採用担当者がマーケティング職の職務経歴書で実際に見ているポイント
- 施策・数字・プロセスの伝え方(言語化の手順つき)
- マーケティング職の職務経歴書の例文(デジタルマーケ・SNS運用・コンテンツマーケなど)
- 「成果が数字で出ない」「チームの施策を個人の実績として書いていいか」などマーケ特有の悩みへの回答
- 書類が通らない人に共通するNGパターンと改善例
- 経験年数別に引き出すべき経験の違い
「施策はたくさんやってきたけど、職務経歴書にどう書けばいいかわからない」「数字の出し方・見せ方がわからない」マーケティング職の転職活動でよく聞く悩みです。
書類が通らない原因のほとんどは、スキルや経験の問題ではなく、経験の見せ方にあります。マーケティングは職種の幅が広く、「何をしてきた人か」が伝わりにくいため、書き方次第で評価が大きく変わります。
この記事では、マーケティング職の職務経歴書の書き方を、採用担当者の視点・実績の伝え方・実際に使える例文つきで解説します。
採用担当者は何を見ている?マーケティング職の職務経歴書の評価ポイント
| 採用担当者が確認するポイント | 職務経歴書で伝えるべき内容 |
| ①どんなマーケティング業務をしてきた人か | 担当領域・チャネル・ツールの概要 |
| ②どんな成果を出してきた人か | 数字による実績・施策の具体的な内容 |
| ③次の環境でも再現できるか | 成果の背景にある思考・仮説・改善プロセス |
特に重要なのが③です。「CVRを15%改善しました」という数字があっても、それだけでは「たまたまいいタイミングだっただけ?」と思われる可能性があります。どんな仮説を立てて、何を実施して、どう改善につなげたのかそのプロセスを書くことで、次の職場でも再現できる人材だと評価されます。
書類が通らないマーケターに共通する3つのパターン
パターン①:施策の羅列で終わっている
「SNS運用、メルマガ配信、LPの改善、広告運用…」と担当業務を並べるだけになってしまい、「それで何ができる人なのか」が伝わらないケースです。
採用担当者が知りたいのは「何をやっていたか」だけでなく、「どんな成果・工夫があったか」です。施策一覧で終わらず、必ず実績と取り組みをセットで書くようにしてください。
パターン②:数字が一切ない
インプレッション数・クリック率・CVR・リード数・売上貢献額など、思い出せる数字はすべて書き出してみてください。正確な値でなくても「約〇%改善」「月間〇件獲得」程度で十分です。
パターン③:担当領域が広すぎて焦点がぼける
担当した業務が複数にまたがる場合でも、応募先のポジションに関連する経験を前面に出し、他は補足として整理する構成にすることで、読み手に刺さる書類になります。
マーケティング職の職務経歴書の書き方|施策・数字・プロセスの伝え方
ポイント①:担当領域・チャネル・ツールを最初に書く
- 担当領域(デジタル広告・SEO・SNS・コンテンツ・イベントなど)
- 主なチャネル(Google・Meta・LINE・メルマガ・オウンドメディアなど)
- 使用ツール(GA4・Tableau・HubSpot・Salesforceなど)
ポイント②:数字は「3種類」を意識して探す
| 観点 | 内容 |
| 規模を示す数字 | 月間予算・担当メディア数・メルマガ読者数・SNSフォロワー数など |
| 成果を示す数字 | CVR・CPAの改善率・リード獲得数・売上貢献額など |
| 変化を示す数字 | 前年比・前月比・施策前後の比較など |
ポイント③:「実績」と「主な取り組み」を分けて書く
実績ブロックには数字の事実だけを書きます。
LP改善によりCVRを2.1%から3.8%に向上。
主な取り組みブロックに、なぜその成果が出たかを書きます。
ヒートマップ分析でCTAボタン周辺の離脱が多いことを確認。ファーストビューのコピーとCTAの文言を3パターンでABテストし、最も訴求力の高い組み合わせに絞り込んだ。
マーケならではの悩みに答える|成果の数字・チーム施策・職種の幅広さ
「成果が数字で出ない施策はどう書けばいいか」
【実績】
新ブランドサイトのリニューアルを主導。公開後3ヶ月で月間セッション数が前月比+40%に増加。
【主な取り組み】
競合5社のサイトを分析し、ターゲットユーザーのペルソナを2パターンに整理。各ペルソナに刺さるコンテンツ構成を提案し、デザイナー・エンジニアと連携して実装まで一貫して関与した。
「チームの施策を個人の実績として書っていいか」
【実績】メルマガ施策全体のCVRを1.2%から2.0%に改善。
【主な取り組み】施策全体はチーム3名で推進。自分はセグメント設計とA/Bテストの設計・分析を主担当として担い、開封率・クリック率・CVRの改善ポイントを特定してチームにフィードバックした。
「担当領域が広すぎてまとまらない」
整理の基本は「応募先が求めているスキルを軸に優先順位をつける」ことです。
【領域別】職務経歴書の例文
例① デジタル広告(運用型広告)
EC事業を展開する自社サービス企業にて、Google・Meta広告の運用を担当。月間広告予算約500万円を管理し、新規顧客獲得を目的とした獲得系広告の運用・改善を主導。
【業務内容】
・Google広告(検索・P-MAX)・Meta広告(フィード・リール)の運用・入札管理
・広告クリエイティブの企画・入稿(バナー指示・コピーライティング)
・週次レポートの作成・改善提案(GA4・Looker Studio使用)
【実績】
・CPAを12ヶ月で9,800円から6,200円に改善(約37%削減)
・ROAS目標(300%)を8ヶ月連続で達成
・新規クリエイティブのABテスト導入後、CTRが平均1.2%から2.1%に向上
【主な取り組み】
入札戦略の変更だけに頼らず、クリエイティブと訴求軸の改善を並行して進めた。月次でターゲットセグメントごとのCPAを集計し、コンバージョン率の低いセグメントへの配信を絞ることで予算効率を向上させた。広告クリエイティブは「課題訴求型」「実績訴求型」「比較訴求型」の3パターンをローテーションし、時期・ターゲット別の反応を検証し続けた。
自己PRでのアピールポイント
数字を軸に仮説を立て、施策・検証・改善を繰り返すサイクルを習慣として持っている。広告運用の枠にとどまらず、LPや訴求内容まで一気通貫で改善に関わってきた点を強みとして活かしていきたい。
例② SEO・コンテンツマーケティング
BtoB向けSaaS企業にて、オウンドメディアの立ち上げからSEO施策の推進を担当。月間PV数ゼロの状態から運用を開始し、約1年半で月間15万PVを達成。
【業務内容】
・キーワード調査・コンテンツ設計・編集ディレクション(外部ライター3名管理)
・既存記事のリライト・内部リンク改善
・Googleサーチコンソール・GA4を用いたデータ分析・改善
【実績】
・運用開始から18ヶ月で月間PV数を0から約15万に成長
・主要キーワード(月間検索ボリューム1,000〜5,000)で1位表示を6記事達成
・SEO経由のリード獲得数:月間0件→約80件(18ヶ月後)
【主な取り組み】
立ち上げ初期は検索ボリュームより「検索意図の一致度」を優先してキーワードを選定。競合が弱いミドルキーワードを中心に記事を積み上げ、ドメインパワーが高まった段階でビッグキーワードへ展開する戦略を取った。リライトは月次でサーチコンソールのデータを確認し、「11〜20位にある記事」を優先ターゲットとして着手することで、工数対効果を最大化した。
自己PRでのアピールポイント
成果が出るまでに時間のかかるSEOにおいて、データに基づいて優先順位を決め続けてきた経験がある。コンテンツの企画・制作管理・分析・改善まで一貫して関与できる点を、次の環境でも活かしていきたい。
例③ SNS運用・ソーシャルマーケティング
BtoC向けアパレルブランドにて、Instagram・X(旧Twitter)・TikTokの運用を担当。フォロワー獲得からエンゲージメント改善・EC売上への貢献まで一貫して対応。
【業務内容】
・Instagram・X・TikTokの投稿企画・制作・投稿管理(週10〜15本)
・インフルエンサーリストの管理・タイアップ施策のディレクション
・月次分析レポートの作成・改善提案
【実績】
・Instagram:フォロワー数を1.2万から3.8万に増加(1年間)、エンゲージメント率を平均2.1%から4.3%に改善
・TikTok施策導入後、SNS経由のEC売上が前四半期比+28%増加
・インフルエンサータイアップ施策でリーチ数が月間30万から80万に拡大
【主な取り組み】
投稿内容を「ブランドイメージ構築」と「購買促進」の2タイプに分け、曜日・時間帯ごとにエンゲージメント率を計測。反応が高い時間帯・コンテンツ形式を特定してスケジュールを組み直した。TikTokへの展開に際しては他ブランドのバズ動画を100本以上分析し、自社ブランドのトーンを維持しながらバズりやすい構成を取り入れた投稿フォーマットを設計した。
自己PRでのアピールポイント
データを見ながらクリエイティブの改善を続けてきた経験と、ブランドのトーンを崩さずに数字も追う両立の姿勢が強みである。SNS施策をEC売上に結びつけるまでの一連のプロセスを、次の環境でも実践したい。
【ステップ別】職務経歴書の作成手順
① これまでのマーケティング経験をすべて書き出す
担当領域・チャネル・ツール・チーム規模・施策の種類など、思い出せるものをすべて書き出します。
② 数字を3種類で探す
規模(予算・フォロワー数・PV数)、成果(CVR・CPA・リード数)、変化(前年比・施策前後の比較)の3軸で数字を探します。
③ 業務内容・実績・主な取り組みを分けて整理する
「何をしていたか(業務内容)」「どんな成果が出たか(実績)」「なぜその成果が出たか(主な取り組み)」の3ブロックに分けて整理します。
④ 冒頭に担当領域・チャネル・ツールをまとめる
各職歴の一番上に、どんなマーケティングをしていたかを2〜3行で書きます。
NG例→改善例|通らない書き方の直し方
失敗①:施策の羅列で終わっている
失敗②:成果の数字がなく、行動の説明だけになっている
失敗③:ツール名だけ書いて使いこなしているかわからない
経験年数別の書き方のポイント
マーケ経験3年未満(若手)
職歴が短い分、実績の数字より「どう考えて動いたか」を書くことが重要です。
マーケ経験3〜10年(中堅)
プレイヤーとしての施策実績を数字で示しながら、仮説設計・分析・改善のサイクルを言語化することが重要な時期です。チームや外部パートナーとの連携経験、施策のディレクション経験がある場合は積極的に書いてください。
マーケ経験10年以上(ベテラン)
次のような経験は、役職がなくても書くことができます。
- メンバーへの施策レビュー・育成
- マーケティング戦略の立案・事業部との連携
- 予算管理・ROI設計
- ツール・データ基盤の整備
よくある質問
まず「担当チャネル」「担当ツール」「目的(認知・獲得・育成・定着)」の3軸で整理するとわかりやすくなります。
数字が出ない場合でも、「担当した施策の規模」「プロセスで工夫したこと」「定性的に得られた変化」を書くことで代替できます。
書いて問題ありません。自分が担った役割を明確にすることが重要です。
業務で実際に使ったものだけを書くのが基本です。ツール名より「何のために・どう使ったか」を一言添えた方が実力が伝わります。
A4用紙2〜3枚が目安です。
活かせます。その場合は、応募先の職種に関連するスキルを前面に出し、「マーケ経験からこの職種でこう貢献できる」という一本の軸を作って書くことが重要です。
まとめ
マーケティング職の職務経歴書で評価されるのは、施策の数字とその背景にある仮説・行動・改善プロセスです。「何をやっていたか(業務内容)」「どんな成果が出たか(実績)」「なぜ出たか(主な取り組み)」の3ブロックを意識して書くだけで、書類の印象は大きく変わります。担当領域が広くても、チームの施策しかなくても、書き方次第で十分にアピールできます。
- 担当領域・チャネル・使用ツールを冒頭に明記することを意識する
- 業務内容・実績・主な取り組みの3ブロックに分けて書く
- 規模・成果・変化の3種類の数字で実績を示すことを意識する
- 仮説・検証・改善のプロセスを主な取り組みに書く
- チーム施策は自分が担った役割を明確にして書く
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