職種別の書き方

グラフィックデザイナーの職務経歴書の書き方|採用担当が見るポイントと例文

ショクレキ代行
📌 この記事でわかること
  • 採用担当者がグラフィックデザイナーの職務経歴書で本当に見ているポイント
  • 制作物の種類・制作本数・クライアント規模など「実績の数字の出し方」
  • 広告・パッケージ・出版・Web・ブランディングなど分野別の書き方
  • 書類が通らないグラフィックデザイナーに共通する失敗パターン
  • ポートフォリオと職務経歴書の使い分け
  • 経験年数別(若手・中堅・ベテラン)のアピールポイントの違い

「デザインの実力はあるのに、職務経歴書の書き方がわからない」「ポートフォリオがあれば職務経歴書は薄くていいのかな」グラフィックデザイナーの転職活動でよく聞く悩みです。印刷物からデジタルまで幅広い制作物を手がけてきた経験は確かな実力なのに、それを採用担当者に伝わる言葉に変換できていない方がほとんどです。

書類が通らない原因の多くは、「何をしたか」は書けていても「どんな規模のクライアントの・どんな制作物を・どんな目的で・どう制作してきたか」が伝わっていないことにあります。採用担当者はグラフィックデザイナーの職務経歴書を通じて「クライアントの要件をビジュアルで表現できるか」「目的に合ったデザインをPDCAできるか」を判断しています。

この記事では、グラフィックデザイナーが転職活動で使える職務経歴書の書き方を、ポートフォリオとの連携も含めて具体的に解説します。

採用担当は何を見ている?

グラフィックデザイナーの採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。

観点内容
どんな分野・媒体の制作物を担当してきたか広告(雑誌・交通・屋外)・パッケージ・出版・Webバナー・SNSクリエイティブ・DM・CI/ブランディングなど、制作物の種類と媒体を確認している
制作規模・クライアントの規模感月間制作本数・クライアントの業種・規模(大手ブランド・中小企業・自社)・案件の予算規模など、業務のスケールを見ている
デザインの目的意識とプロセスを言語化できるか「なぜそのデザインにしたか」「クライアントの要件とどう向き合ったか」という思考プロセスを確認している

ポイント

採用担当者の視点:「ポートフォリオで見た目は確認できる。職務経歴書では『どんなクライアント・目的で・どんな制作プロセスを経たか』と制作物の種類・量を見ている。この情報がないと、どんな仕事ができる人かを判断できない」

よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)

パターン①:「デザインを担当していました」で終わっている

「広告代理店でグラフィックデザインを担当してきました」という記述では、採用担当者には何も伝わりません。どんな媒体の・どんな業種のクライアントの・月何本の制作物を・どんな役割で担当してきたかが書かれて初めて、評価の材料になります。

パターン②:ツール・ソフトの羅列で終わっている

「Adobe Illustrator・Photoshop・InDesign・After Effects・Figma…」と並べるだけでは、実際にどんな制作物でどう使ったかが伝わりません。「Adobe Illustratorを使った雑誌広告(全15段・A4見開き)のデザインを月平均8本担当」のように、ツールの使用目的と制作物をセットで書くことが重要です。

パターン③:制作した物の規模感が一切伝わらない

「パッケージデザインを担当しました」という記述では、1点の制作なのか年間100点の制作なのかが判断できません。制作量・クライアントの規模・媒体のサイズ感を書くことで、業務の密度と実力が伝わります。

注意

「制作物の詳細を書いていいか迷う」という方へ:クライアント名が書けない場合も「大手食品メーカー向け」「年商50億円規模のアパレルブランド向け」のように業種・規模で代替できます。制作本数・媒体の種類は積極的に記載しましょう。

書き方のポイント|グラフィックデザイナーならではの伝え方

ポイント①:制作物の種類・媒体・規模感を具体的に書く

「雑誌広告(全15段・半ページ)・交通広告(電車中吊り・駅貼り)・パッケージデザイン(食品・日用品)を月平均15本制作。担当クライアント:大手食品メーカー・日用品メーカーを中心に年間約30社」のように、制作物の種類・媒体・制作量・クライアント規模を具体的に書きましょう。

ポイント②:「デザインの意図・プロセス」を書く

グラフィックデザイナーとして評価されるのは「なぜそのデザインにしたか」の思考です。「ターゲット層(30〜40代女性)のインサイトを起点にカラートーン・フォント・レイアウトを設計した」「クライアントのブランドガイドラインを厳守しながら、限られたスペースで商品の魅力を最大化する構成を設計した」のような制作の思考プロセスを書くことで実力が伝わります。

ポイント③:ポートフォリオURLを必ず記載する

グラフィックデザイナーにとってポートフォリオは必須の補足資料です。職務経歴書にポートフォリオURLを記載し、「代表的な制作物はポートフォリオでご確認いただけます」と一言添えましょう。

ポートフォリオと職務経歴書の使い分け

ポートフォリオは「デザインの品質・スタイル・制作物の幅広さ」を伝えるもの。職務経歴書は「どんなクライアント・目的・プロセスで制作してきたか・どんな量をこなしてきたか」を言語化するものです。

職務経歴書では「クライアントの業種・規模・制作物の種類・制作量・デザインの目的意識」を書き、詳細なビジュアルはポートフォリオに委ねる構成が効果的です。

例文

例①:広告制作会社グラフィックデザイナー(経験3年・若手)

中堅広告制作会社(従業員数約80名)にてグラフィックデザイナーとして勤務。食品・飲料・日用品メーカーを中心にした雑誌広告・交通広告・POP・パッケージデザインを担当。月平均12〜15本の制作物を担当。

【業務内容】
・雑誌広告(全段・半段・1/4段)・交通広告(電車中吊り・駅貼り・車体ラッピング)のデザイン
・POP・店頭販促ツール(A4〜B0サイズ)のデザイン・入稿
・パッケージデザイン(食品・日用品・化粧品)の制作補助〜単独担当
・Adobe Illustrator・Photoshop・InDesignを使った制作・入稿データ作成
・印刷会社との校正対応・入稿管理
・クライアントプレゼン用のデザイン提案資料の作成

【実績・制作規模】
・3年間の累計制作本数:約480本(月平均15本)
・担当クライアント数:累計約25社(大手食品メーカー・飲料メーカー・日用品メーカー中心)
・単独担当:入社2年目から大手食品メーカーの雑誌広告シリーズを単独担当(年間約50本)
・パッケージデザイン:食品・化粧品を中心に累計約30点の制作に関与

【主な取り組み】
担当した大手食品メーカーの雑誌広告シリーズでは、商品ごとに異なるターゲット層(ファミリー・若年女性・シニア)に合わせたトーン&マナーの切り替えを意識した。同一シリーズ内でブランドの一貫性を維持しながら、ターゲットに刺さるビジュアルを設計するバランスに取り組んできた。


自己PRでのアピールポイント
印刷物デザインの基本(色校・入稿・印刷品質の確認)を実務で徹底的に身につけてきた。クライアントのブランドを理解してデザインに落とし込む力と、高い制作量をこなす実務スキルを次の職場でも活かしたい。

例②:インハウスデザイナー・ブランディング担当(経験7年・中堅)

東証プライム上場の消費財メーカー(売上約500億円)のデザイン部門(8名体制)にてシニアデザイナーとして勤務。自社ブランドのビジュアルアイデンティティ管理・パッケージデザイン・広告クリエイティブの制作・監修を担当。

【業務内容】
・自社ブランド(5ブランド)のブランドガイドライン管理・更新
・新製品パッケージデザインの企画・制作(年間約20点)
・TV・Web・SNS広告のクリエイティブ制作・外部制作会社へのディレクション
・パッケージリニューアルプロジェクトの主担当(市場調査→コンセプト設計→デザイン制作→量産まで)
・外部デザイン会社3社の品質管理・フィードバック
・後輩デザイナー2名のOJT指導・制作物レビュー

【実績】
・パッケージリニューアルを主担当として完遂:リニューアル後6ヶ月で対象商品の売上が前年同期比約18%増加(マーケティングチームとの共同調査により確認)
・ブランドガイドラインの全面改訂を主導し、外部制作会社への制作指示の統一化と品質向上を実現
・年間制作物の制作本数:約150本(パッケージ・広告クリエイティブ・販促物を含む)
・デザイン部門の制作フロー改善を提案・実施し、制作リードタイムを平均14日→9日に短縮

【主な取り組み】
パッケージリニューアルでは、市場調査(競合棚を現地で分析・消費者グループインタビューの結果を読み込む)から着手し、「売り場での目立ちやすさ」と「ブランドの世界観維持」の2軸を設計基準に設定した。デザイン案を3パターン作成してマーケティングチームと消費者評価(定量・定性)を実施し、最終案を決定した。


自己PRでのアピールポイント
インハウスデザイナーとしてブランドの長期的な一貫性を守りながら、市場・消費者視点でデザインを設計してきた経験がある。「売り場で機能するデザイン」を意識し、ビジネス成果につなげてきた実績を次の職場でも活かしたい。

例③:クリエイティブディレクター(経験13年・ベテラン)

大手広告代理店(従業員数約2,000名)のクリエイティブ部門にてクリエイティブディレクターとして勤務。大手ブランドの統合キャンペーンのクリエイティブ統括を担当。デザイナー・コピーライター・プロデューサーを含むチーム10〜15名のディレクションを担当。

【業務内容】
・大手クライアントのキャンペーンクリエイティブコンセプトの立案・統括
・TV・雑誌・交通・OOH・Web・SNSの統合キャンペーンのビジュアル統括
・クリエイティブチーム(デザイナー・コピーライター・アートディレクター)のディレクション
・クライアントプレゼン・クリエイティブ提案の実施
・若手クリエイター(5〜8名)の育成・制作物レビュー

【実績】
・大手飲料ブランドの統合キャンペーン(予算約5億円)のCDとして統括。キャンペーン期間中のブランド認知度が+12ポイント向上(広告効果調査)
・年間担当クライアント数:約8社(売上100億円以上のナショナルブランド中心)
・ADC(東京アートディレクターズクラブ)年鑑掲載:2点
・担当クライアントの継続率:過去5年間で100%を維持


自己PRでのアピールポイント
統合キャンペーンのクリエイティブ統括からチームマネジメントまで担ってきた経験がある。「ビジネス成果とクリエイティブの品質を両立させる」視点を持ち、次の職場でもCDとして貢献したい。

書き方ステップ

① 担当してきた制作物の種類(媒体・形式)・クライアントの業種・規模・制作量をすべて書き出す

② 数字になるものを探す(月間・年間の制作本数・クライアント数・制作物の効果測定結果など)

③ 業務内容・実績・主な取り組みの3ブロックに分けて整理する

④ ポートフォリオURLを必ず記載する

NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方

失敗①:制作物の規模感がない

NG

広告代理店でグラフィックデザインを担当してきました。雑誌広告やパッケージなどを作ってきました。

改善後

中堅広告制作会社にて食品・飲料・日用品メーカー向けの雑誌広告・交通広告・パッケージデザインを担当。月平均15本・3年間累計約480本の制作物を担当。大手食品メーカーの雑誌広告シリーズを入社2年目から単独担当(年間約50本)した。

失敗②:ツールの羅列で終わっている

NG

Adobe Illustrator・Photoshop・InDesign・After Effects・Figma・XDを使ってきました。

改善後

【Adobe Illustrator・InDesign】雑誌広告(全段〜1/4段)・パッケージデザイン・POP制作・入稿データ作成に日常的に使用。【Photoshop】商品写真の補正・合成・レタッチを担当。【After Effects】Web広告・SNS用動画(15〜30秒)の制作に使用(年間約20本)。

失敗③:デザインの意図が書かれていない

NG

パッケージのリニューアルデザインを担当しました。

改善後

パッケージリニューアルを主担当として実施。市場調査(競合棚の分析・消費者グループインタビュー)から着手し、「売り場での目立ちやすさ」と「ブランド世界観の維持」を設計基準に設定。3パターンの案を消費者評価で検証し最終案を決定。リニューアル後6ヶ月で対象商品の売上が前年同期比約18%増加した。

失敗④:ポートフォリオURLの記載がない

NG

作品は別途お送りすることができます。

改善後

ポートフォリオ:https://(URL)※印刷広告・パッケージ・Webバナーなど代表的な制作物を掲載しています。クライアントの許可が得られているもののみ公開しており、守秘義務に配慮した構成としています。

経験年数別アドバイス

経験3年未満(若手・担当者)

「制作物の種類・媒体・月間制作本数・担当した工程の範囲(アイデア出し〜入稿まで)」が評価のポイントです。大きなクライアントの実績がなくても「制作量・制作物の幅・入稿まで一人で担当できる力」を書くことで即戦力性が伝わります。

ポイント

Behance・Adobe Portfolio・notionなどのポートフォリオプラットフォームで自分のポートフォリオを整備し、URLを職務経歴書に記載することが必須です。

経験3〜10年(中堅・専門担当)

「担当クライアントの業種・規模」「制作プロセスの上流(コンセプト設計・提案)への関与」「ディレクション・外部スタッフへの指示経験」が評価の軸になります。「なぜそのデザインにしたか」の思考を言語化する力が差別化ポイントになります。

経験10年以上(ベテラン・リーダー層)

クリエイティブディレクション・ブランド戦略への関与・チームマネジメント・クライアントへの提案統括が最大のアピールポイントです。「担当クライアントの売上規模・キャンペーン予算・広告効果の実績・育成した人数」など、組織全体のクリエイティブ力を高めてきた実績を中心に書きましょう。

よくある質問

Q. クライアント名を書いていいですか?

クライアントの許可が得られている場合は記載可能です。守秘義務がある場合は「大手食品メーカー」「年商100億円規模のアパレルブランド」などの表現で代替してください。

Q. フリーランス経験は職務経歴書に書けますか?

書くべきです。「フリーランスとして○年間、広告デザイン・パッケージデザインを担当。年間制作本数約○本・クライアント数約○社」のように、規模感とともに記載しましょう。

Q. Webデザインとグラフィックデザインをどちらをアピールすればいいですか?

応募先の求める職種に合わせて優先順位をつけましょう。グラフィックデザイナーの採用なら印刷物・ブランディングの実績を前面に出し、Webデザインは補足的に記載するバランスが適切です。

Q. 職務経歴書はA4何枚が適切ですか?

2枚が目安です。ただしポートフォリオURLを必ず記載することが最重要です。職務経歴書は制作物の種類・量・プロセスの言語化に特化し、ビジュアルはポートフォリオで補完しましょう。

Q. 受賞歴(デザイン賞)は職務経歴書に書いた方がいいですか?

積極的に書くべきです。ADC・JAGDA年鑑・グッドデザイン賞などの受賞歴は、デザインの質の客観的な証明になります。受賞作品・受賞年を資格・受賞歴欄に記載しましょう。

まとめ

  • 採用担当者は「制作物の種類・媒体・制作量・クライアント規模・デザインの目的意識」をセットで見ている
  • ツールの羅列ではなく「何の制作物に・どんな目的で使ったか」をセットで書く
  • 「なぜそのデザインにしたか」の思考プロセスを言語化することで差別化できる
  • ポートフォリオURLを必ず記載し、職務経歴書と役割を使い分ける
  • 受賞歴・資格があれば積極的に記載する
  • 経験年数に応じて「制作量と媒体の幅」「コンセプト立案とディレクション」「CDとしての統括」を使い分ける

グラフィックデザイナーの経験は正しく書けば必ず評価されます。まずは制作物の種類・制作量・クライアントの業種規模を書き出し、ポートフォリオと合わせて伝える準備を始めてみてください。

梶原
梶原
運営責任者
人事・採用担当として1,000名以上の面接、30社の採用支援に携わった経験をもとに、職務経歴書の作成代行・添削を行っています。 採用側での経験をもとに、評価される書類づくりをサポートしています。「経験はあるのに書類で落ちる」という方に特に支持をいただいています。 これまでのご支援数は370名以上。製造・IT・金融・医療・サービス業など、幅広い業界・職種に対応しております。 職務経歴書の書き方にお悩みの方は、お気軽にご相談ください!
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