不動産営業の職務経歴書の書き方|採用担当が見るポイントと例文
- 採用担当者が不動産営業の職務経歴書で本当に見ているポイント
- 成約件数・売上・客単価・目標達成率など「数字の出し方」
- 売買仲介・賃貸仲介・新築分譲・投資用など種別の書き方
- 書類が通らない不動産営業に共通する失敗パターン
- 経験年数別(若手・中堅・ベテラン)のアピールポイントの違い
- NG例・改善例つきで今日から使える書き方を解説
「毎期ノルマをクリアしてきたのに、職務経歴書にどう書けばいいかわからない」「不動産営業の経験って他社でどう評価されるんだろう」不動産営業の転職活動でよく聞く悩みです。大きな金額の商談を成立させながら売上を積み上げてきた経験は確かな実力なのに、それを採用担当者に伝わる言葉に変換できていない方がほとんどです。
この記事では、不動産営業担当者が転職活動で使える職務経歴書の書き方を解説します。
採用担当は何を見ている?
不動産営業の採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。
| 観点 | 内容 |
| どんな不動産種別・顧客層を担当してきたか | 売買仲介・賃貸仲介・新築分譲・投資用・商業用など種別と、エンドユーザー・投資家・法人など顧客層を確認している |
| 数字で語れる実績があるか | 年間成約件数・年間売上・目標達成率・取引金額・社内順位など、成果の具体性を見ている |
| 顧客との信頼関係・専門知識をどう活かしてきたか | リピート顧客・紹介獲得・物件知識・法律知識・ローン提案力など、不動産営業固有のスキルを確認している |
よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)
パターン①:「不動産営業を担当してきました」で終わっている
「マンション売買仲介の営業を担当してきました」という記述では、採用担当者には何も伝わりません。どんな価格帯の物件を・年間何件成約し・どんな目標達成率だったかが書かれて初めて、評価の材料になります。
パターン②:売上の数字しか書いていない
「年間売上3億円達成」だけでは、成約件数・取引金額・顧客層・提案の工夫が見えません。売上の数字はもちろん重要ですが「どうやってその数字を作ったか」のプロセスも書くことで実力がより明確に伝わります。
パターン③:不動産固有のスキル(法律・ローン・物件知識)が伝わらない
不動産営業の最大の強みは「専門知識を活かした提案力」です。「住宅ローンの比較提案で月々の支払いを最適化した」「重要事項説明を正確に実施し顧客の不安を解消した」「物件の法的制限(用途地域・建ぺい率)を解説して顧客の納得感を高めた」のような専門知識の活用を書くことが重要です。
書き方のポイント|不動産営業ならではの伝え方
ポイント①:不動産種別・顧客層・価格帯を明確にする
「首都圏エリアの中古マンション売買仲介(価格帯:3,000万〜8,000万円)を個人顧客・ファミリー層を中心に担当」「東京23区内の投資用区分マンション(価格帯:2,000万〜5,000万円)を不動産投資家・資産家に提案」のように、種別・顧客層・価格帯を明確に書きましょう。
ポイント②:「成約件数・売上・達成率・社内順位」を使い分けて書く
「年間成約件数:28件(目標比120%・支店内25名中3位)」「年間売上:約5億円(取引金額の合計)」「担当エリア内でのシェア:2年連続トップ実績」のように、絶対値と相対値を組み合わせて書きましょう。
ポイント③:紹介・リピート・顧客との信頼関係の実績を書く
「既存顧客からの紹介で年間成約の約30%を獲得」「売却仲介から始まり購入仲介・次の物件購入まで継続担当した顧客が10組以上」のように、顧客との長期的な関係を示す実績を書くことで信頼関係構築力が伝わります。
不動産営業ならではの悩みに答える
「売買仲介から新築分譲・デベロッパー営業への転職でどうアピールする?」
仲介での「顧客ニーズの深掘り力」「ローン・税務知識を活かした提案力」「クロージング力」「契約手続きの正確な実施経験」は、分譲・デベロッパー営業でも評価されます。「仲介で培った顧客視点を活かして、分譲物件をより深く顧客に合わせて提案できる」という切り口でアピールしましょう。
「不動産営業から他業種への転職で何をアピールする?」
不動産営業で培った「高額商品のクロージング力」「顧客の大きな意思決定に寄り添う信頼関係構築力」「ローン・法律・税務の専門知識」「数字へのコミット力」は、他業種の営業職・FP・金融系職種でも評価されます。
例文
例①:中古マンション売買仲介(経験3年・若手)
首都圏エリアの不動産仲介会社にて、中古マンション・一戸建て売買仲介(価格帯:3,000万〜8,000万円)を個人顧客中心に担当。反響対応・紹介・ポータルサイト経由の顧客を担当。
【業務内容】
・反響顧客・紹介顧客・ポータルサイト経由の集客から成約まで一気通貫で担当
・物件調査・重要事項説明書の作成・売買契約書の作成・締結
・住宅ローンの提案・銀行への事前審査サポート
・売却依頼の受け入れ(査定・販売戦略の提案)
・引渡し後のアフターフォロー
【実績】
・年間成約件数:平均24件(目標比125%を2年連続達成)
・年間売上:約4億5,000万円(取引金額合計)
・紹介獲得:年間成約の約25%が既存顧客・担当顧客からの紹介
・入社2年目に支店内30名中4位の実績を達成
【主な取り組み】
成約率向上のために、初回案内前に「なぜ今買いたいか・どんな生活をしたいか・予算の根拠」を必ず確認する習慣をつけた。予算・立地・広さのバランスを顧客とすり合わせた上で物件を厳選して提案することで、無駄な内覧を減らし成約スピードを上げた。住宅ローンは3〜4行の比較シミュレーションを作成して提示し、月々の負担感を具体的に伝えることで意思決定を後押しした。
自己PRでのアピールポイント
顧客の「本当に欲しい家」を引き出す深掘りヒアリングと、ローン・法律知識を活かした専門的な提案を実践してきた。紹介獲得率25%は顧客との信頼関係の証明だと考えている。
例②:投資用不動産・法人営業(経験7年・中堅)
投資用不動産会社(東京・大阪に拠点)にて、区分マンション・一棟アパート・一棟マンションを個人投資家・法人に提案。価格帯:2,000万〜5億円。チームリーダーとして後輩3名の育成も担当。
【業務内容】
・個人投資家・法人への投資用不動産の提案・成約(新規開拓・紹介・既存顧客フォロー)
・収益シミュレーション・融資計画・出口戦略を組み合わせた総合提案
・金融機関との融資折衝・金利交渉のサポート
・物件調査・コンプライアンス確認・重要事項説明・契約締結
・後輩3名のOJT指導・同行・進捗管理
【実績】
・年間成約件数:平均18件(目標比130%を3年連続達成)
・年間売上:約12億円(取引金額合計。最高年は約18億円)
・担当顧客のリピート率:約45%(担当顧客のうち複数回取引している割合)
・法人顧客の紹介ルート開拓:3社の顧問税理士・会計士との連携から年間5〜8件の紹介を安定獲得
・後輩3名全員が独り立ち後に個人目標を達成
【主な取り組み】
投資用不動産の提案では「購入後の資産形成シナリオ」を10年・20年・30年スパンで試算して提示することで、顧客が長期的なメリットを具体的にイメージできるようにした。融資については金融機関との関係を6行に広げ、顧客の属性・物件種別に合わせた最適な金融機関への融資打診ができる体制を構築した。
自己PRでのアピールポイント
投資用不動産の専門知識(収益シミュレーション・融資・出口戦略)と長期的な顧客関係構築力を持つ。リピート率45%・税理士・会計士からの安定紹介獲得という実績を次の職場でも活かしたい。
例③:不動産営業マネージャー(経験13年・ベテラン)
大手不動産仲介会社(全国500店舗展開)にて、エリアマネージャーとして勤務。担当店舗4店(スタッフ計30名)のマネジメントと、エリア全体の売上管理・人材育成を担当。
【業務内容】
・担当4店舗の店長・スタッフ30名のマネジメント(目標設定・評価・採用・育成)
・エリア全体の月次・四半期・年間売上の予実管理・上長への報告
・主要顧客・大型案件への直接対応・クロージング支援
・スタッフの研修・OJT・ロールプレイ研修の設計・実施
・エリア内の物件情報収集・競合動向の把握
【実績】
・担当エリアの年間成約件数:約350件(目標比115%を3年連続達成)
・担当エリア年間売上:約60億円(取引金額合計)
・チームの平均個人達成率:前年85%→105%に改善(育成強化・KPI管理の最適化)
・採用・育成主導により3年間でチームを20名から30名に拡大。全員が初年度に個人目標達成
自己PRでのアピールポイント
不動産営業の実務からエリアマネジメント・人材育成・組織戦略まで幅広く担ってきた。「チームで目標を達成し・人を育てる」マネジメントスタイルを次の職場でも活かしたい。
書き方ステップ
① 担当してきた不動産種別・顧客層・価格帯・担当エリアをすべて書き出す
② 数字になるものを探す(年間成約件数・売上・達成率・社内順位・紹介獲得率・リピート率など)
③ 業務内容・実績・主な取り組みの3ブロックで整理する
④ 応募先の不動産種別・顧客層に合わせてアピール軸を絞り込む
NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方
失敗①:業務内容が抽象的
失敗②:売上だけが実績
失敗③:不動産固有のスキルが伝わらない
失敗④:資格の記載がない
経験年数別アドバイス
経験3年未満(若手・担当者)
「不動産種別・価格帯・年間成約件数・達成率・紹介獲得の工夫」が評価のポイントです。
経験3〜10年(中堅・専門担当)
「担当した物件の価格帯・複雑な案件(投資用・法人・高額物件)への対応実績」「紹介・リピートの実績」「後輩指導経験」が評価の軸です。
経験10年以上(ベテラン・リーダー層)
エリアマネジメント・チームの育成・高額物件・法人案件の統括が最大のアピールポイントです。
よくある質問
売買仲介・賃貸仲介で専任の宅建士として業務を行う場合は必要です。未取得の場合は「取得予定・学習中」として記載し、取得意欲を示しましょう。
個人顧客名・特定物件名は記載を避け、「都心の投資家顧客」「都内2LDKマンション(取引価格約6,000万円)」のように種別・規模での表現で代替してください。
「年間約○件」「約○億円規模」など概数で構いません。「約」をつけて書けば問題ありません。
経験年数が3年未満であれば1〜2枚、5年以上であれば2〜3枚が目安です。不動産種別・価格帯・成約件数・売上・資格などの核心情報を優先して記載しましょう。
まとめ
- 採用担当者は「不動産種別・顧客層・価格帯・成約件数・売上・達成率・紹介率」をセットで見ている
- 売上だけでなく「成約件数・目標達成率・社内順位」などの相対値も書く
- 住宅ローン提案・収益シミュレーション・重要事項説明など不動産固有の専門知識の活用を書く
- リピート率・紹介獲得率など顧客との長期的な信頼関係を示す実績を書く
- 宅地建物取引士・FP技能士などの資格は必ず記載する
- 経験年数に応じて「成約件数と提案プロセス」「複雑案件と紹介実績」「エリアマネジメントと育成」を使い分ける

