職種別の書き方

総務の職務経歴書の書き方|採用担当が見るポイントと例文

ショクレキ代行
📌 この記事でわかること
  • 採用担当者が総務の職務経歴書で本当に見ているポイント
  • コスト削減額・処理件数・改善効果など「数字の出し方」
  • 施設管理・契約管理・福利厚生・株主総会対応など業務別の書き方
  • 書類が通らない総務担当者に共通する失敗パターン
  • 経験年数別(若手・中堅・ベテラン)のアピールポイントの違い
  • NG例・改善例つきで今日から使える書き方を解説

「会社全体を支えてきたのに、職務経歴書に何を書けばいいかわからない」「総務の仕事は幅広すぎて、何をアピールすればいいか迷う」総務担当者の転職活動でよく聞く悩みです。施設管理・契約管理・備品管理・株主総会対応まで幅広く担ってきたにもかかわらず、それを採用担当者に伝わる言葉に変換できていない方がほとんどです。

書類が通らない原因の多くは、「何をしたか」は書けていても「どんな規模の会社で・どんな業務を主導し・どんな貢献をしてきたか」が伝わっていないことにあります。採用担当者は総務の職務経歴書を通じて「会社の運営を支える実務力があるか」「コストと効率を意識して改善できるか」を判断しています。

この記事では、総務担当者が転職活動で使える職務経歴書の書き方を、具体的な例文・NG例・経験年数別のアドバイスとあわせて解説します。

採用担当は何を見ている?

総務の採用担当者が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。

観点内容
どんな規模の会社で・どの総務業務を担当してきたか従業員数・上場/未上場・グループ会社数・担当業務の幅(施設管理・契約管理・株主総会・防災・BCP・福利厚生など)を確認している
コスト・効率への改善実績があるか契約コストの削減・業務効率化・ペーパーレス化・デジタル化への貢献など、数字で語れる改善実績を見ている
業務の幅広さと主体的な関与の深さ総務は業務範囲が広いため「列挙できる業務の多さ」より「自分が主導した改善や仕組みづくり」への関与の深さを確認している

ポイント

採用担当者の視点:「総務の職務経歴書で最も差がつくのは、業務の列挙ではなく『コスト削減・業務効率化・仕組みづくり』への主体的な貢献が数字で書いてあること。この視点がある人は総務のプロとして高く評価できる」

よくある失敗(書類が通らない人に共通する3つのパターン)

パターン①:「総務業務全般を担当していました」で終わっている

「総務部にて施設管理・備品管理・契約管理・株主総会対応などを担当していました」という記述では、採用担当者には何も伝わりません。どんな規模の会社で・どの業務を主担当として・どんな成果を出したかが書かれて初めて、評価の材料になります。

パターン②:業務の列挙で終わっていてコスト・改善実績が見えない

「施設管理・備品管理・契約管理・株主総会準備・防災管理・社用車管理・慶弔対応」と業務名を並べるだけでは、総務担当者としての実力が伝わりません。「オフィス移転を主導し、移転後の固定費を年間約800万円削減した」「電子契約システムの導入を推進し、契約書の管理コスト・処理時間を大幅に削減した」のように、主導した取り組みと成果を書くことが重要です。

パターン③:「こなしてきました」だけで終わっていて主体性が見えない

「日常業務を正確にこなしてきました」という記述では、受け身の印象を与えます。「備品コストの年次削減目標を独自に設定し、複数サプライヤーの相見積もりを定期化することで年間約180万円のコスト削減を実現した」のように、自分から動いて改善した経験を書くことが重要です。

注意

「実績が数字で出にくい」と思っている方へ:コスト削減額・処理件数の削減・業務時間の短縮・管理している契約件数・施設の規模(m²・拠点数)など、振り返れば数字になるものは必ずあります。正確な数値でなくても「年間コスト削減額約○万円」「契約書管理件数を年間○件から○件に削減」程度の概数で十分です。

書き方のポイント|総務ならではの伝え方

ポイント①:会社規模・担当業務の幅・主担当領域を冒頭に明記する

「東証プライム上場の製造業(従業員数約2,000名・グループ会社10社)の総務部(8名体制)にて、施設管理・契約管理・株主総会対応を主担当として担当」のように、会社規模・総務部の体制・自分の主担当業務を冒頭に書くことで採用担当者が業務の全体像をつかめます。

ポイント②:コスト削減・業務効率化の実績を「施策前→施策後」の数字で書く

「電子契約システム(クラウドサイン)の導入を主導し、紙契約の印刷・郵送コスト・保管スペースを削減。年間コスト削減額:約350万円・契約処理時間:平均5日→1日に短縮」のように、施策の内容とコスト・時間の改善数字をセットで書くことで実力が伝わります。

ポイント③:「仕組みづくり・標準化・ルール整備」への貢献を書く

総務の本質的な価値は「一度やって終わり」ではなく「再現性のある仕組みをつくること」にあります。「防災計画の見直しと訓練の標準化を主導し、全社の防災対応力を底上げした」「備品発注の電子化と在庫管理ルールの整備を実施し、発注ミス・過剰在庫をゼロにした」のような仕組みづくりへの貢献を書きましょう。

総務ならではの悩みに答える

「総務は幅広すぎて何をメインにアピールすればいいかわからない」

応募先が求めている総務業務の種類(施設管理重視・法務・コンプライアンス重視・DX推進重視など)を求人票で確認し、それに関連する自分の経験を前面に出すことが重要です。「総務全般を担当してきた」ことはアピールしながらも、応募先のニーズに合わせた1〜2つの専門領域の実績を詳しく書くバランスが効果的です。

「株主総会・取締役会対応の経験はどう書けばいいですか?」

株主総会・取締役会の対応経験は、上場企業への転職で非常に高く評価される実績です。「招集通知の作成・印刷・発送管理(株主数:約5,000名)」「当日運営(司会・集計・議事録)の補助」「取締役会の議事録作成・管理(月次)」のように、規模と関与の深さを具体的に書きましょう。

例文

例①:総務担当(経験3年・若手)

従業員数約500名の IT企業(東証グロース上場)の総務部(5名体制)に所属。施設管理・備品管理・契約管理・庶務全般を担当。

【業務内容】
・オフィス施設の維持管理・業者対応(電気・空調・セキュリティ・清掃)
・備品・消耗品の発注・在庫管理・サプライヤー管理
・社内契約書の管理・更新管理(管理件数:約200件)
・慶弔・福利厚生の対応・手続き
・来客対応・受付・電話対応のサポート
・株主総会の準備補助(招集通知発送・当日運営補助)

【実績・取り組み】
・備品コスト削減:複数サプライヤーの相見積もりを定期化(年2回)し、年間備品コストを約180万円削減(前年比約22%削減)
・電子契約システム(クラウドサイン)の導入を総務側の担当として推進。紙契約の処理時間を平均5日から1日に短縮し、印刷・郵送コストを年間約90万円削減
・備品の在庫管理表をExcelで整備・運用を標準化し、過剰発注・発注漏れをゼロに抑制
・株主総会(株主数約3,000名)の招集通知発送・当日の受付・集計補助を主担当として完遂(3年連続でトラブルゼロ)


自己PRでのアピールポイント
コスト意識を持ちながら業務を効率化する習慣が身についている。電子化・標準化への積極的な取り組みと、株主総会対応の正確な実務経験を次の職場でも活かしたい。

例②:総務リーダー・施設管理・BCP担当(経験7年・中堅)

東証スタンダード上場の製造業(従業員数約1,500名・拠点6か所)の総務部(10名体制)にて総務リーダーとして勤務。施設管理・BCP(事業継続計画)・防災・社用車管理を主担当として担当。後輩スタッフ3名の指導も担当。

【業務内容】
・本社・工場6拠点の施設管理(延べ床面積:約15,000m²)・業者管理・修繕対応
・BCP(事業継続計画)の策定・改訂・防災訓練の企画・実施(年2回・参加者全社員)
・社用車20台の管理・保険・車検・ドライバー管理
・賃貸契約・業務委託契約の管理(管理件数:約350件)
・後輩スタッフ3名のOJT指導・業務割り振り・進捗管理
・株主総会の準備・当日運営の統括(株主数:約8,000名)

【実績・取り組み】
・施設維持コストの見直し:全拠点の保守委託契約を一括見直し(5年ぶり)し、年間施設維持コストを約12%削減(約650万円削減)
・BCP整備:既存のBCPが実態に沿っていないことを指摘し、全面改訂を主導。訓練を通じて課題を抽出し、対応手順の実効性を高めた
・社用車管理コスト削減:駐車場契約の見直しと保険の一括契約化により、年間約80万円削減
・株主総会の運営を3年連続でトラブルゼロで完遂。運営マニュアルを整備し、スタッフの引継ぎが容易な体制を構築した


自己PRでのアピールポイント
施設管理・BCP・株主総会対応と総務の重要業務を主担当として一貫して担ってきた。「コストを意識した契約管理」と「有事に備えた仕組みづくり」の両輪で組織を支えてきた経験を次の職場でも活かしたい。

例③:総務部長・管理本部統括(経験15年・ベテラン)

東証プライム上場の総合サービス企業(従業員数約3,000名・グループ会社8社)の総務部長として勤務。総務部15名のマネジメントと、全社の総務機能(施設・契約・BCP・株主総会・環境管理・コンプライアンス)の統括を担当。

【業務内容】
・総務部15名のマネジメント(目標設定・評価・育成・採用)
・全社総務戦略の立案・年間計画の策定・経営陣への報告
・グループ会社8社への総務機能の支援・ガバナンス推進
・本社ビル移転プロジェクトの総務側統括(移転費用:約2億円規模)
・株主総会の運営統括(株主数:約1万5,000名)
・ISO 14001(環境マネジメント)の維持・更新管理

【実績・取り組み】
・本社ビル移転を主導し、移転後の固定費(賃料・光熱費・維持費)を年間約3,500万円削減。フリーアドレス化・オフィスDXを同時に推進し、従業員満足度スコアが+0.4ポイント向上
・全社の調達・委託契約の一元管理体制を整備し、重複契約の解消で年間約8,000万円のコスト削減を実現
・電子契約・電子帳票保存の全社展開を主導し、紙文書の保管コスト・管理工数を3年間で約60%削減
・グループ会社への総務機能支援体制を構築し、子会社の総務コストを平均約15%削減

【主な取り組み】
オフィス移転はコスト削減だけでなく「働き方変革の機会」と位置づけ、フリーアドレス化・ABWの導入・社内コミュニケーション促進のためのオープンスペース設計を同時推進した。従業員へのヒアリングと定量的なアンケートを組み合わせて新オフィスの設計要件を固め、移転後の満足度向上にも貢献した。電子化推進では法務・情報システム・各事業部と横断プロジェクトを形成し、部門の壁を越えた改革を推進した。


自己PRでのアピールポイント
総務の実務から部門マネジメント・全社総務戦略の立案・グループガバナンス推進まで幅広く担ってきた。「総務コストの最適化」と「働き方・オフィス環境の改善」を両立してきた経験を次の職場でも総務責任者として活かしたい。

書き方ステップ

① これまでの担当業務(施設・契約・BCP・株主総会・福利厚生・社用車など)と会社規模をすべて書き出す

② 数字になるものを探す(コスト削減額・管理件数・処理時間の短縮・施設規模・拠点数など守秘義務に触れない範囲で)

③ 業務内容・実績・主な取り組みの3ブロックに分けて整理する(業務内容は「何をどんな規模で担ったか」、実績は「コスト削減・効率化の数字」、主な取り組みは「なぜその成果が出たか・どんな仕組みをつくったか」)

④ 応募先の会社規模・総務の役割・求める人物像に合わせてアピール軸を絞り込む(上場企業なら株主総会・法務対応、DX推進重視なら電子化・ペーパーレス化の実績を前面に出す)

NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方

失敗①:業務の列挙で終わっていて貢献が見えない

NG

総務部にて施設管理・備品管理・契約管理・株主総会対応・防災・社用車管理などを担当していました。

改善後

従業員約500名のIT企業(上場)の総務部にて、施設管理・備品管理・電子契約の導入を主担当として担当。備品コストを相見積もり定期化で年間約180万円削減し、電子契約システム導入で契約処理を5日から1日に短縮(年間コスト削減約90万円)した。

失敗②:コスト・改善実績が書かれていない

NG

契約管理を担当し、適切に管理してきました。業務を正確にこなすことを意識してきました。

改善後

賃貸・委託契約約350件を管理。5年ぶりに全契約の見直しを主導し、重複契約の解消と条件再交渉により年間約650万円のコスト削減を実現した。契約更新の管理をExcelからクラウドシステムに移行し、更新漏れをゼロに抑えた。

失敗③:主体性が見えない記述になっている

NG

株主総会の準備・運営を担当してきました。上司の指示のもとで対応してきました。

改善後

株主数約8,000名規模の株主総会の準備・当日運営を3年連続で主担当として完遂(トラブルゼロ)。運営マニュアルを整備して後任引継ぎを容易にし、株主からの問い合わせ対応フローも標準化した。

失敗④:使用ツール・資格の記載がない

NG

各種業務を担当する中で、さまざまなシステムやツールを活用してきました。

改善後

【使用ツール】クラウドサイン(電子契約)・freee(経費精算)・BizHint(契約管理)・Microsoft 365・kintone(設備点検記録)。【資格】衛生管理者(第1種)・防火管理者・個人情報保護士。

経験年数別アドバイス

経験3年未満(若手・担当者)

「担当した総務業務の種類・会社規模・コスト削減や効率化への取り組み」が評価のポイントです。大きな実績がなくても「備品コストを削減した」「マニュアルを整備した」「電子化に貢献した」など、自分から動いた改善のエピソードを1〜2つ具体的に書くことで主体性が伝わります。

ポイント

衛生管理者・防火管理者・個人情報保護士などの資格は積極的に記載しましょう。総務担当者として即戦力の証明になります。

経験3〜10年(中堅・専門担当)

「コスト削減・業務効率化の主導実績」「株主総会・BCP・施設移転など大型プロジェクトへの関与経験」「後輩スタッフの指導経験」が評価の軸になります。特に上場企業での株主総会対応・BCP整備の経験は積極的にアピールしましょう。

経験10年以上(ベテラン・リーダー層)

総務部のマネジメント・全社総務戦略の立案・グループ会社への総務機能支援・大型プロジェクト(オフィス移転・DX推進)の統括が最大のアピールポイントです。「総務コストの削減金額・電子化の推進実績・グループ会社数」など、組織全体の総務機能を高めてきた実績を中心に書きましょう。

よくある質問

Q. 総務から他の職種(経営企画・人事・法務)への転職は可能ですか?

可能です。総務で培った「組織全体への視野」「複数の法令・規制への対応経験」「コスト管理意識」「多様な部門との調整力」は多くの職種で評価されます。転職先との接続を自己PR欄で明確に書きましょう。

Q. 総務の業務は幅広すぎて、A4 2枚に収まらない場合はどうすればいいですか?

応募先が重視する業務領域(施設管理・法務対応・DX推進など)を求人票で確認し、それに関連する実績を詳しく書き、それ以外は概要にとどめることが重要です。「総務業務全般を担当」と概括した上で、特に力を入れた領域の実績を2〜3件詳しく書く構成が効果的です。

Q. 株主総会対応の経験は転職で評価されますか?

上場企業への転職では非常に高く評価されます。招集通知の作成・印刷・発送管理から当日運営・議事録作成まで、関与した範囲と規模(株主数・出席者数)を具体的に書きましょう。

Q. 総務系の資格(衛生管理者・防火管理者など)は職務経歴書に書いた方がいいですか?

積極的に書くべきです。衛生管理者(第1種)・防火管理者・個人情報保護士・ビル管理士などの資格は、総務担当者として専門性の証明になります。

Q. 職務経歴書はA4何枚が適切ですか?

経験年数が3年未満であれば1〜2枚、5年以上であれば2〜3枚が目安です。会社規模・担当業務の種類・コスト削減・改善実績・資格など総務の核心情報を優先して記載しましょう。

まとめ

  • 採用担当者は「会社規模・担当業務の幅・コスト削減・効率化の実績・主体的な仕組みづくり」をセットで見ている
  • 業務の列挙ではなく「コスト削減額・処理時間の短縮・管理件数の改善」など数字で書く
  • 「言われたことをこなした」ではなく「自分から動いて改善した・仕組みをつくった」経験を積極的に書く
  • 使用ツール(電子契約・BIM・kintone)・保有資格(衛生管理者・防火管理者)は必ず記載する
  • 経験年数に応じて「コスト意識と業務効率化」「大型プロジェクト主導と後輩育成」「総務戦略とマネジメント」を使い分ける
  • NG例に共通するのは「業務の列挙・コスト改善なし・主体性が見えない・ツール・資格記載なし」の4パターン

総務の経験は正しく書けば必ず評価されます。まずは担当してきた業務の種類・会社規模・コスト削減や効率化のエピソードを書き出すところから始めてみてください。

梶原
梶原
運営責任者
人事・採用担当として1,000名以上の面接、30社の採用支援に携わった経験をもとに、職務経歴書の作成代行・添削を行っています。 採用側での経験をもとに、評価される書類づくりをサポートしています。「経験はあるのに書類で落ちる」という方に特に支持をいただいています。 これまでのご支援数は370名以上。製造・IT・金融・医療・サービス業など、幅広い業界・職種に対応しております。 職務経歴書の書き方にお悩みの方は、お気軽にご相談ください!
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