コピーライターの職務経歴書の書き方|採用担当が見るポイントと例文
- 採用担当者がコピーライターの職務経歴書で本当に見ているポイント
- 担当媒体・クライアント業種・制作実績の正しい伝え方
- 「コピーの成果を数字で出しにくい」という悩みへの対処法
- 書類が通らないコピーライター経験者に共通する失敗パターンと改善例
- 担当領域別の例文(広告コピー・Web・セールスライティングなど)
- 経験年数別(若手・中堅・ベテラン)のアピールポイントの違い
「制作実績はあるのに、職務経歴書に何を書けばいいかわからない」「コピーの成果をどう数字で表せばいいかわからない」コピーライターの転職活動でよく聞く悩みです。
書類が通らない原因のほとんどは、スキルや実績の問題ではなく経験の見せ方にあります。担当媒体を並べるだけ、「コピーを制作していました」で終わらせるこうした書き方では、採用担当者に「この人が何をできる人か」が伝わりません。
この記事では、コピーライターの職務経歴書の書き方を、実績の整理方法から具体的な例文まで、実務レベルで解説します。
採用担当は何を見ている?コピーライターの職務経歴書の評価ポイント
| 採用担当者が確認するポイント | 職務経歴書で伝えるべき内容 |
| ①どんな媒体・業種・目的のコピーを書いてきたか | 担当媒体・クライアント業種・コピーの目的(認知・購買・採用など) |
| ②制作プロセスをどう進められる人か | リサーチ→コンセプト設計→ライティング→改善の経験 |
| ③コピーがビジネスにどう貢献したか | 数字・定性的な成果・採用されたコピーの実績 |
よくある失敗|書類が通らない人に共通する3つのパターン
パターン①:担当媒体の列挙だけで終わっている
「TV CM・Web広告・雑誌・パンフレット・LP制作を担当」という記述だけでは、どんな業種の・どんな目的のコピーを書いてきたかが見えません。担当媒体に加えて、クライアントの業種・ターゲット層・コピーの目的をセットで書くことが重要です。
パターン②:制作したコピーの数量・規模が見えない
「コピーを書いていました」という記述では、年間何本・どのくらいの規模のプロジェクトを担当していたかが伝わりません。年間制作本数・担当クライアント数・制作物の予算規模など、業務の規模感を示す情報を書きましょう。
パターン③:「いいコピーを書くことを心がけていました」で終わっている
コピーライターにとって「いいコピーを書く」のは当然です。それがどんなビジネス課題に対して・どんなコンセプトで・どんな成果を生んだかを書くことが採用担当者への評価につながります。
書き方のポイント|担当媒体・制作プロセス・成果の伝え方
ポイント①:担当案件は「業種・媒体・目的・規模」の4点セットで書く
- 業種:食品・化粧品・BtoB・採用・公共など
- 媒体:TV CM・Web広告・LP・パンフレット・SNS・プレスリリースなど
- 目的:認知向上・購買促進・採用・ブランディングなど
- 規模:年間制作本数・担当クライアント数・制作予算規模など
「化粧品・食品・日用品メーカーを中心に年間約50本のWeb広告・LP・SNSコピーを担当」のように書くだけで、業務の全体像が伝わります。
ポイント②:制作プロセスを具体的に書く
コピーライターの職務経歴書で差がつくのが「制作プロセス」の記述です。次のような経験がある場合は書いてください。
- ターゲット・インサイトリサーチの実施
- コンセプト設計・キャッチコピー開発のプロセス
- A/Bテストによるコピーの改善・最適化
- クライアントへのコンセプト提案・プレゼンテーション
- ディレクター・デザイナー・プランナーとの協働
ポイント③:コピーの成果を数字または定性的な変化で書く
数字で書ける場合:
- LP改善によりCVRが1.8%→3.5%に向上
- Web広告のCTRが業界平均の1.8倍を達成
- 採用コピーの変更により応募数が前年比150%に増加
数字が出ない場合:
- 提案したキャッチコピーがクライアントのブランドキャッチコピーとして採用・長期使用
- 制作したコピーが業界誌・広告賞で評価・掲載
- クライアントからのリピート受注率・継続受注の実績
コピーライターが書き方で詰まりやすい3つの場面
「コピーの成果を数字で出せない」という場面
コピーの成果はビジネス指標に直結しにくいケースも多いですが、次のような形で代替できます。
- CTR・CVR・開封率などデジタル指標の変化
- 応募数・問い合わせ数の変化(採用・集客系コピーの場合)
- コピーの採用実績・長期使用実績
- 広告賞への入賞・ノミネート
- クライアントからのリピート受注率
「クライアントの案件名・製品名を書いていいのかわからない」という場面
公開されている広告であれば原則書いて問題ありません。ただし、クライアントが非公開を求めている場合や機密情報が含まれる場合は、「大手食品メーカー」「化粧品ブランド(国内大手)」のように業種・規模で代替してください。
「フリーランスと会社員の経験が混在している場合」という場面
会社員時代の経験とフリーランス時代の経験を分けて記述するのが基本です。フリーランス期間は「フリーランスコピーライターとして独立(○年○月〜)」と明記したうえで、主要クライアントの業種・担当媒体・制作実績を書いてください。
例文
例①:広告制作会社・コピーライター(Web・デジタル広告専門、経験4年)
独立系広告制作会社にて、食品・化粧品・日用品メーカーを中心にWeb広告・LP・SNSコピーを担当。年間約60本のコピーを制作。A/Bテストによる継続的な改善も担当。
【業務内容】
・Web広告(Google・Meta・Twitter)のコピーライティング(年間約40本)
・LP・ランディングページのコピーライティング(年間約15本)
・SNSキャンペーンコピー・投稿文の制作(年間約5ブランド担当)
・A/Bテストの設計・実施・改善への反映
・クライアントへのコンセプト提案・プレゼンテーション
【実績】
・担当LPのCVR改善(平均1.8%→3.2%、6本のLPで達成)
・Web広告CTRが同業種の業界平均の1.6倍を達成(3クライアント継続実績)
・採用コピーのリニューアル案件で応募数が前年比170%に増加
・担当クライアントのリピート受注率:85%
【主な取り組み】
CVR改善では、コピー変更だけでなく「どんなターゲットが・どんな状況で・何を求めてLPを見ているか」のインサイト分析を先行させる手順を確立。ヒートマップ・離脱率データを組み合わせて「コピーで解決すべき課題」と「UXで解決すべき課題」を切り分けてから制作に入るスタイルを徹底した。これにより、A/Bテストの成功率が着任時40%→70%に向上した。
自己PRでのアピールポイント
「コピーを書くこと」より「コピーで課題を解決すること」を軸に取り組んできた。データ分析とインサイトリサーチを組み合わせたコピー開発プロセスを次の職場でも活かしたい。
例②:総合広告代理店・コピーライター(TV・マス広告担当、経験6年)
総合広告代理店にて、食品・飲料・自動車・金融の大手クライアントを担当。TV CM・新聞・雑誌・OOHなどマス媒体のコピーライティングを中心に担当。年間約30本のコピーを制作。
【業務内容】
・TV CMコピーライティング(年間約10本・15秒〜60秒)
・新聞・雑誌・OOHの広告コピー制作(年間約15本)
・ブランドコンセプト・キャッチコピー開発
・クリエイティブブリーフの作成・プランナーとの協働
・クライアントへのコンセプト提案・修正対応
【実績】
・担当した飲料メーカーのTV CMコピーが発売直後の認知率を前キャンペーン比+18pt向上(クライアント調査より)
・提案したブランドキャッチコピーが採用され、5年以上にわたり使用継続
・業界広告賞(ACC・TCC)に計3作品入賞・ノミネート
・担当クライアントから「次もこのコピーライターに」という指名を複数回受領
【主な取り組み】
TV CMでは「15秒で何を伝えるか」という制約の中で、ターゲットの「言語化されていない感情」を掘り当てることを最重要視した。生活者インタビュー・エスノグラフィー調査の結果を自分でも読み込み、「みんながうすうす感じているけど言葉にできていないこと」をコピーで表現するアプローチを徹底した。
自己PRでのアピールポイント
マス広告での大型ブランドコピーの経験と、生活者インサイトの深い探索を強みとしています。「人の感情を動かすコピー」をデータと定性研究の両面から設計してきた経験を次の職場でも活かしたい。
例③:Webメディア・コンテンツライター(SEO・コンテンツマーケティング、経験3年)
Webメディア運営会社にて、健康・美容・金融・転職をテーマにしたSEO記事・コンテンツのライティングを担当。月間約20〜30本の記事を制作。編集ディレクションも兼務。
【業務内容】
・SEO記事のキーワード調査・構成設計・ライティング(月間約20本)
・LP・サービス紹介ページのコピーライティング(月間約5本)
・外部ライター(3〜5名)への編集ディレクション・フィードバック
・既存記事のリライト・SEO改善
・Googleサーチコンソール・GA4を用いたコンテンツパフォーマンス分析
【実績】
・担当記事の検索上位表示(1〜3位)を12記事達成(3ヶ月以内に)
・SEO記事経由のオーガニックトラフィックを6ヶ月で前月比180%に拡大
・リライト施策で既存記事の平均順位を5位改善
・制作した記事の平均滞在時間が同カテゴリ平均の1.4倍を維持
【主な取り組み】
「検索意図に完全に一致するコンテンツ」を作るため、上位表示記事の構成分析だけでなく「この記事を読む人が次に知りたいこと」まで予測してコンテンツ設計する手順を確立。記事の冒頭で「この記事を読むとどんな状態になれるか」を明示することで、離脱率の低下と滞在時間の向上につなげた。
自己PRでのアピールポイント
SEOの知識とライティングスキルを組み合わせ、「読まれるコンテンツ」を継続的に制作してきた経験がある。データに基づいたコンテンツ改善サイクルと、読者の検索意図を深く理解した構成設計力を次の職場でも活かしたい。
書き方ステップ
① これまでの制作実績を書き出す
担当業種・媒体・制作目的・年間本数・主なクライアントの種別を一覧にします。
② 成果を数字または定性的な変化で探す
CVR・CTR・応募数・認知率など数字で書けるものを洗い出します。数字が出ない場合はコピーの採用実績・長期使用・広告賞・リピート受注率で代替します。
③ 制作プロセスの工夫を書き出す
リサーチの方法・コンセプト設計の手順・A/Bテストの経験・クライアントへの提案スタイルなど、自分ならではの制作プロセスを書き出します。
④ 使用ツール・スキルを整理する
GA4・Googleサーチコンソール・Looker Studio・各種コピーライティングツールなど、業務で使ったツールを整理します。
NG例 → 改善例|通らない書き方の直し方
失敗①:担当媒体の列挙だけで規模感がわからない
失敗②:「いいコピーを書くことを心がけていました」だけで終わっている
失敗③:成果が「貢献しました」だけで終わっている
失敗④:制作プロセスが見えない
経験年数別アドバイス
経験3年未満(若手・担当者)
制作実績が限られていても、「どんな課題に対して・どんなプロセスで制作したか」を書くことが重要です。
経験3〜10年(中堅・専門担当)
制作実績を数字で示しながら、コンセプト開発・チームディレクション・クライアントマネジメントへの関与も書くことが重要な時期です。「当たり前にやっていたこと」インサイトリサーチの方法・コンセプト設計の手順・A/Bテストの設計が実は他のコピーライターにはない強みであることが多いです。
経験10年以上(ベテラン・クリエイティブディレクター候補)
制作実績に加え、チームマネジメント・クリエイティブ戦略・ブランドコンセプト開発への関与が重要な評価軸になります。役職がなくても、「後輩ライターの育成・フィードバック」「クリエイティブブリーフの策定を主導」「長期ブランドコンセプトの開発」といった経験は積極的に記載してください。
よくある質問
いいえ。職務経歴書は制作プロセスと成果を言語で伝えるものであり、ポートフォリオとは役割が異なります。両方揃って初めて採用担当者への説得力が生まれます。
「フリーランスコピーライターとして独立(○年○月〜)」と明記したうえで、主要クライアントの業種・担当媒体・年間制作本数・主な実績を書いてください。
コピーの採用実績・長期使用実績・広告賞・リピート受注率など、数字以外の実績で代替できます。「提案したキャッチコピーが採用され5年以上使用継続」「担当クライアントのリピート受注率85%」のような記述でも十分にアピールになります。
A4で2〜3枚が基本です。制作実績が多い場合は、代表的な案件を3〜5件詳しく書き、それ以外は「その他、食品・化粧品・BtoB向け案件を年間○本担当」のようにまとめてください。
応募先のポジションに合わせて比重を変えるのが基本です。広告系ポジションには広告コピーの実績を、Web・コンテンツ系ポジションにはWebライティングの実績を前面に出してください。
まとめ
- コピーライターの職務経歴書では、担当業種・媒体・目的・年間制作本数をセットで書く
- 成果はCVR・CTR・応募数など数字で書く(出せない場合はコピー採用実績・広告賞・リピート受注率で代替)
- 「いいコピーを書く」ではなく「どんな課題に対して・どんなプロセスで・どんな成果を出したか」を書く
- 制作プロセス(リサーチ→コンセプト設計→A/Bテスト)を具体的な行動ベースで書く
- ポートフォリオと職務経歴書は役割が異なる(職務経歴書=プロセスと成果の言語化)
- フリーランス経験は「独立期間」として明記したうえで実績を書く
「自分の経験をどう整理すればいいかわからない」という方は、ヒアリングをもとに職務経歴書を一緒に作成するサービスもご利用いただけます。

